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2010.09.03

どのくらいの金持ちが幸せか?

ロンダ・バーンの「ザ・シークレット」にもあったが、「請求書を受け取ったら、それと同額の小切手をもらったと思え。そうすれば、本当にお金が入る」というのは、昔からよく聞く教えである。
これは、本当のことである。ただし、そんなことを本当に信じられる者が滅多にいないというだけのことだ。
請求書と小切手が同じもの・・・これは、「荘子」でいう「万物斉同の理」、すなわち、全て斉(等)しいという真理であるが、「荘子」にも、そんなことを理解できる者がいかに少ないかを、実に美しい言葉で表現しているくらいだ。

正反対に見えるものが実は同じものであるというのは、道元の「正法眼蔵」には一貫して見られると感じる。当然、道元はこのことをよく分かっていて、それをなんとか理解させようとしたのかもしれない。
良寛さんが、縁あって「正法眼蔵」を読んでいたことはよく知られている。当時の日本では、本といえば書き写すしかなかった時代で、良寛さんは大ラッキーだった。
良寛さんは、「荘子」すら読むことができた。
しかし、良寛さんは、ある時期まで、万物斉同の理を完全に悟っていなかった。
真理の理解というのは、練習問題を解いて達成できるものではない。その理解は自然に生じるものであり、直観であり、それを悟りという。
あくまで聞きかじりであるが、良寛さんが悟った様子を書いてみる。
良寛さんが子供好きで、子供たちと一緒に遊んでいたことはご存知と思う。ところが、昨日までそこにいた女の子が今日はいなくなっているということがよくあるようになる。貧しさのために、親に身売りさせられたのだ。
良寛さんは、自分の無力さを嘆き引き篭もって、苦しみ続けた。
そんな時、良寛さんに、「正法眼蔵」の教えが浮かぶ。光と闇は同じもの。コインの裏表は一体であることを、苦しみの中で理解する。
私は、この話を聞いた時、「なぜ、コインの表裏が一体ということと、身売りされた少女のことが関係あるのか」と思ったが、大抵の人もそう思うだろう。しかし、それが理解できるのは悟りによるしかない。
悟りには、苦しむことが必要かもしれない。
それは、強烈な心の不安定を調製するような、大きな反動かもしれない。

万物斉同の理を理解すれば、こういうことが分かると思う。
例えば、あなたは大富豪になれるかどうかだ。大富豪とは、数百億円といった資産持ちのこととするが、そうなることは、可能性はあるが確実ではない。
だが、確実と言うなら確実とも言えるのだ。それはこういう訳だ。あなたが、大富豪を目指して達成できなくても、世の中には大富豪は必ずいるし、これからも現れる。それは確実なのだ。
「そんなんじゃ嫌だ。自分が大富豪にならないなんて」と思うだろうか?しかし、誰が大富豪になっても同じことなのだ。
大富豪なんてのは、そんな良いものじゃない。ウォレス・ワトルズの本にも書いてあるが、お金持ちの大半は悲惨なものだ。特に、家庭や健康に大きな問題を抱えているのが普通だ。必ずしも、金持ちが家庭や健康を損なう必要があるわけではないが、万物斉同の理を理解していないので、そういった問題に対処できないのだ。
かつて、邱永漢さんは「賢者は中金持ちをめざす」(1984)という本で、30年ほど前の時代で、使える現金が月に百万円くらいがベストと書いていた。それは税金の問題もあるが、普通の人間の器では、平安でいられるよう対処できるのは、その程度までと悟っていたのだと思う。
私なら、大富豪にしてやると言われても断わりたい。ビル・ゲイツは数兆円相当の資産があるといっても、それを自分のものとは思っていない。しかし、彼は、 17歳の時からフルタイムで働き、あらゆる苦難に挑んできたし、これからもそうするだろう。しかし、私ならまっぴら御免である。そんな器ではない。
だが、それなりに苦労を知る人なら、数千万円から数億くらいなら、バランスを取りながら持ち続けることも可能かもしれない。それでも、煩い事は多いかもしれず、無い方が良いかもしれないのだ。

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Comments

こんにちは


いつも 興味深く拝見させていただいてます

今回の記事を読ませていただいて 私が確か19~20歳の頃に 自分が思った事を ノートに記していたのですが その中の言葉に『すべては1枚の紙のようなものだと思う』という言葉を思い出しました


Posted by: moon | 2010.09.03 10:59 AM

はじめまして。

私はキリスト教の特にカトリックと成功哲学の融合というテーマで日々成功哲学とカトリシズムを研究しています。

仏教や神道などやはり宗教と成功哲学は共通するものがあるので、お金持ちになろうとする者には信仰が必要だと考えています。

Posted by: なかしょうこ | 2010.09.03 06:15 PM

光があれば影があり、表があれば裏がある。悲しみが喜びだり、喜びが悲しみである。一人は他の者全てであり、他の者全ては一人である。これらのことは最近kayさんのブログを読んでいる間にとても理解出来てきたことです。

ところで、一点質問があります。以前、仏陀の「悟り」について質問をさせていただいた時に、「宇宙全体の電子と一体になった状態」と答えていただきました。さらに踏み込んで教えていただきたいのですが、この宇宙全体の電子と一体になる状態は、人間の意識が潜在意識を通して一体になれると理解して良いのでしょうか?それとも、潜在意識はここでは全く関係が無い話なのでしょうか?

Posted by: 読者 | 2010.09.03 08:16 PM

★moonさん
「その心は?」と問われても答えはなしってやつですね。


★なかしょうこさん
ある人に、お金なんて全然欲しくないけど、1億ほど納税してるって言われました。(これは本当のようです)
その人が、宗教をやってる人は最低だって言ってましたね。
尚、私は、宗教と信仰は分けて考えています。


★読者さん
言葉で言うのは、あくまで便宜上のたとえ話です。
まさか、こんなことを理屈で理解できるわけもありません。
自然に理解できるものだけが本物です。

Posted by: Kay | 2010.09.03 11:19 PM

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