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2010.09.04

ニワトリと卵の真相

「ニワトリと卵はどちらが先か?」という歴史的にも世界的にも有名な問題がありますね。
「どっちが先だ」なんて考え方を脱却することが人類の進化です。

「ニワトリと卵のどちらが先か?」なんてのは、「春と秋のどちらが先か?」と言うようなものです。
夜と昼ではどちらが先かなどと言えるでしょうか?

道元は「正法眼蔵」の中で、「薪の後に灰があると思ってはならない」「生の後に死があると思ってはならない」と注意しています。
「薪は薪になりきり、灰は灰になりきっている」
「生は生になりきり、死は死になりきっている」
そのように書かれています。
余計な解説は不要ですが、ただ言っておくと、「薪は薪で固定されたもの」「灰は灰という単独のもの」というのではありません。
「私は私」「あたなはあなた」なんて言いますよね。
英語にも、“I am me”、“You are yoy”という同じ言葉がちゃんとあります。
「自分らしくあれ」という意味なんでしょうが、世間というのは変なところで、そう言っておきながら、「日本人らしく」「クリスチャンらしく」「名門校の生徒らしく」「わが社の社員らしく」「スポーツマンらしく」とか言うのですね。
これは、「自分らしく」の意味を大誤解しているのです。それは何千年も前からかもしれませんけどね。
「ニワトリが先か、卵が先か?」なんて奇妙なことを考えるのも、そんな考え方に凝り固まってしまったことが原因です。

ニワトリはニワトリになりきり、卵は卵になりきっていますが、それらは不可分です。ニワトリは卵を伴い、卵はニワトリを伴っています。同時に存在しています。
夜と昼って不可分でしょう?同時にあるものです。
さらにいえば、夜は世界と不可分だし、昼は世界と不可分です。ニワトリは世界そのもので、卵は世界そのものです。
犯罪者も世界と不可分で、我々とも不可分です。我々もまた犯罪者です。犯罪者が犯罪者を裁けるはずもありません。自分は犯罪者じゃないと思い込んでいる人って、どこかおかしいと思いませんか?

昼と夜では、それぞれが長過ぎて、一緒にあることが分かり難いかもしれませんね。
でも、例えば、光ってのは、明と暗が凄い速さで交互にやってくる波動なんですよ。音は、それよりはずっと遅いですが、同じく波動です。そのゆっくりしたものが海や池の波で、さらにゆっくりなものが夜と昼です。
光なら、明と暗が一体であるということがイメージしやすいと思います。
子供って輝かしいですね。光と同じで、ちゃんと明と暗があるのですが、その交換が速過ぎて光しか見えないからです。歳と共にその交換が遅くなります。
若い頃に光ばかりを求めた人って、老人になると闇だけです。まあ、それが普通ですけどね。
でも、「レ・ミゼラブル」に出てくる、ミリエル司教の妹のバティスティーヌは、若い時ですら美しくなく、ずっと暗でしたから、老人になってから高貴な輝きをまとったのです。
1人の人に関しても、闇を嫌わなければ光を得られますよ。

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