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2010.08.04

余計なことを考えない

自信を持って断言するが、古代から現代にいたるまで、そして、未来永劫同じと思うが、本物の聖者、賢者の教えの絶対的に共通することは、「思考を止めろ」だ。
ただ、彼らは、この同じことを、ほんの少しずつ異なった表現をする。
宗教的な聖者は、概ね、「心を静めよ」という言い方を好む。
ちょっと理屈を言いたい者は、「頭の中のおしゃべりをやめろ」と言う。
さらに理屈っぽくなると、「左脳を止めろ」と言う場合もある。
「腹を創れ」とか「腹で考えろ」というのも、つまるところ、頭の思考を止めろという意味だ。

「思考しなければ頭がボケる」と心配する人も多いと思う。私もそう思うことがある。
しかし、思考しないことでボケたりしない。下らないことを考えることでボケるのだ。
「よく考える」というのは、本当は「余計な思考を頭から追い出す」ということだ。理屈っぽく言うなら、意識できない右脳、あるいは、潜在意識の情報を左脳に伝えるということだ。左脳(顕在意識)がつまらないことを考え過ぎると右脳(潜在意識)の情報が入ってこないのだ。
本来、思考というのは、直観や内奧の叡智の受信機能として少し必要なだけである。
もちろん、世の中には理屈で考えないといけないような仕事も沢山ある。しかし、そんな仕事はストレスがたまり、やがて心が壊れる。それは、「風の谷のナウシカ」のように、毒のある空気の中で行動するようなもので、そこそこにやるとか、毒を防ぐ工夫をしないと死んでしまう。人間らしくない仕事をやるなら、いい加減にやるか、他人にでもなったつもりでやることだ。でないと、人間性が破綻する。

さて、思考を止める優れた方法が瞑想だ。
そして、瞑想というのは、思考を止めるために行うのでなければ意味はない。
座禅の流派によっては、公案と言って、座禅中に考える問題を与えられ、一見、座禅(瞑想と言えると思う)中に懸命に考えているようであるが、公案というのは、考えても答が分からない問題であり、思考が停止した時に答が分かるよう工夫されたものだ。いずれにせよ、素人には難しく、真面目にやると害になる、つまり、考え過ぎてしまう恐れがある。これを禅病と言い、そんな言葉が出来るほどよくあることのようだ。
TM(超越瞑想)という瞑想は、思考を呼び起こさない短い言葉(マントラ)を心の中で反復することで思考を止めるという論理的なものだ。そのマントラは指導者から一人一人に適切なものが与えられないといけない。ただ、やってみれば、確かに、想念を起こす恐れのないマントラが与えられていることが分かり、その唱え方も細かく指導してもらえるので、手っ取り早く間違いのない瞑想をやりたいならTMをやれば良いのではないかと思う。

「ナ・ダーム」という本がある。人間の潜在力を発揮させる方法について書かれた本で、奇跡的な事例が示されている。例えば、メスで患部を開いた医者が、即座に助手に縫合を命じた・・・つまり、一瞬で見放したほどの末期癌患者を、薬も手術も無しで、全く正常な状態にするような話がある。この本では、何の想念も起こさせないマントラとして、研究の末、「ナ・ダーム(NA-DAHM)」を選んだ。面白いことに、翻訳者の川口正吉氏の考案と思われ、この本には書かれていない方法なのだが、息を吸いながら「ナー」と(心の中で)唱え、息を吐きながら(同じく心の中で)「ダーム」と唱えるという方法が実に良い。これは、いつでもどこでも出来るし、実際、思考が停止することで、心も身体も爽やかになる。私に関して言えば、コンピュータプログラミングで疲れた視神経が癒され、その影響で重かった頭がすっきりした。川口氏を賞賛したい。

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Comments

いつも楽しく読んでいます。
視力0.05の近視で悩んでいます。
その後視力はキープできていますか?
また、回復のアドバイスお願いします。
お手数ですがよろしくお願いします。

Posted by: kei | 2010.08.04 10:48 AM

★keiさん
私の眼はますます良いです。
単にアドバイスをと言われても困りますが、眼が良くなるという信念を持てるようになれば良いでしょう。

Posted by: Kay | 2010.08.04 09:30 PM

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