宇宙の驚異と心の驚異
「かがやく夜空の星の光よ」で始まる「星の世界」という歌をご存知の方は多いと思ういます。
これが、元々は「いつくしみ深き友なるイエス」という賛美歌であることをご存知の方も少なくないと思いますが、私は数年前に親戚の女性の教会での結婚式でこの賛美歌を聴いて初めてそれを知り、驚いたものです。
日本人のよく知る「星の世界」は川路柳虹さん(1888-1959)の作詞で、それより先にあった、杉谷代水さん(1874-1915)作詞の「星の界(よ)」という文語体の詩を元に、平易な口語体の詩を作ったのではないかと思います。いずれも、宇宙の神秘の中に希望を観じた感動的な詩と思います。
ことの始まりは、アイルランドのジョゼフ・スクライヴェン(1819-1886)が書いた「絶え間なき祈り」という詩で、スクライヴェンの詩集でこの詩を見て感動したアメリカの作曲家チャールズ・コンヴァース(1834-1918)が曲をつけ、それが今日知られる「いつくしみ深き友なるイエス」となりました。
不思議な縁で、我々日本人にもよく知られる曲が出来たものだと思います。
「星の世界」の歌は、1番と2番共に「のぞめば不思議な星の世界よ」で終わります。
不思議という言葉は不可思議という仏教用語の略で、人智で推し量ることの出来ない大きなものを指します。不可思議は、億や兆といった数の単位の1つでもありますが、億や兆とは比較にならない巨大なもので、10の64乗、あるいは、10の80乗とされます。ちなみに、宇宙全体に存在する原子の数が10の80 乗個であるという説があります。
宇宙に想いを馳せていると、驚異と神秘の念に襲われるかもしれません。
その心こそが、「星の界」および「星の世界」の詩を生み出したのだと思いますが、ここで、あることに気付きます。
それは、宇宙の驚異や神秘を感じる心こそが驚異であり、神秘であることです。そして、そんな心を持っている人間とは、驚くべき存在なわけです。
だってそうでしょう。心が宇宙と同等なものであるからこそ、宇宙に畏怖とか無限を感じることが出来るのですから。これは、他の動物には決して真似できないことです。
セザンヌやゴッホに感動できる人間は、心の中に、それらと同等な精神を持っているはずです。
ある本を読んで、深く感動する人もあれば、つまらない本だったと言う人もいますが、それは、本の内容に見合う精神を、その人が持っているかどうかということです。
だから、宇宙を想って限りない神秘を感じるなら、自分の心も限りない神秘であり、それにもっと驚いても良いはずです。
神や天使は、我々以上に宇宙に感動するかもしれません。
しかし、それは所有する能力の差ではなく、顕現した能力の差です。
芸術作品や優れた文学の価値を認めない人でも、内にある心の光が顕現すれば、やはりそれらの価値を認めるかもしれないようなものです。
人は、本質的に神や天使と同等であり、宇宙そのものである事実を、こんなところからでも探っていけるのではないかと思います。
【宇宙】 宇宙に関する神話から、天文学の研究成果、そして、アインシュタインの相対論、ビッグバン、量子物理学的考察、さらに、未来に向けての展望まで、易しい解説と美しいカラー写真で知ることができます。 | |
【波動の法則】 一般的科学とは異なるかもしれませんが、美しく、実際的な実績も豊富な波動の法則で、この世の真の姿や宇宙の意志を感じることが出来るかも知れません。 時間と空間は同じもの。新しい地球に生まれ変わる時期が近付いていることも語られた、1995年に出版され、2007年に復刊された書。 |
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Comments
いつも勉強させて頂いています。今、不意に蘇ってきた感覚があります。子どもの頃は自分を俯瞰している自分がいることを知っていたし、それを口に出して語っていたことを思い出しました。kayさんのブログのおかげです。ありがとうございます。
Posted by: dandan | 2010.08.29 08:38 AM
また思い出しました。私は自分が行動しながら、自分の行動を文章にして頭の中で呟くことがよくありました。今まで、なぜ思い出さなかったのでしょう。不思議です。お騒がせして申し訳ございません。m(_ _)m
Posted by: dandan | 2010.08.29 08:46 AM
★dandanさん
子供の頃、普通にやっていたのに、すっかり忘れてしまっていることが確かにあります。
それは非常に大事なことなのに、なぜ忘れてしまったのか不思議です。
私は、子供の時、普通に魔法を使い、その経験も覚えているのですが、どうやって魔法を使ったのかは、さっぱり覚えていないのです。
でも、取り戻そうという気になってきました。
Posted by: Kay | 2010.08.29 10:37 PM