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2010.07.13

仏の知恵

最高の女性にプロポーズしたところ、彼女から、以下のような結婚の条件が出されたとしよう。

「超一流大学を出ていること。出来ればハーバードかコロンビア。あるいはケンブリッジ。日本なら東大。
勤務先は官庁、銀行、超一流企業等。」

とてもではないが、条件に合わないと思っていたら、彼女から次善の条件が示された。

「父親が年商百億円以上の企業のオーナーである資産家で、それを将来相続すること。
既に3億円以上の家と一千万円以上の外車も与えられていること。」

この条件もまるで満たせないと思ったが、彼女は別の条件も示した。

「職業が医者か弁護士で年収は3千万円以上。
あるいは、芸術家、スポーツ選手、起業家で、年収1億円以上。」

これも努力してどうなるものでもなさそうだと思ったら、さらに次の条件。

「高度な専門技能を持ち、社交性に優れて人脈もあり、高収入で借金がないこと。」

これも、残念ながら満たせないと考えていたら、彼女は最後に言った。

「私を愛していると感じていること」

これなら間違いなくその通りなので、めでたく彼女と結婚できた。

彼女は、なぜ、いろいろな条件を出したと思われるだろうか?
プロポーズのことではないが、こう考えた賢い人達がいた。
「最も重要なのが愛であることを強調するためである。その他の条件は、どうでも良いつまらないことであり、これらの条件は捨てるために示したのである」

ある仏教の経典の内容だが、悟りを開く方法を聞かれたお釈迦様は、超人的な修行の数々を詳細に示す。それらは、普通の人間には全く不可能と思われた。
しかし、少しずつ易しい方法も述べ、やがて、「良い行いをしろ」程度になる。しかし、煩悩溢れる凡人にはそれも難しい。
さらに、「悪い人間でも良いから、せめてこれだけ」という話になるが、それでもやはり自信がない。
最後にお釈迦様はこう言う。「ただ念仏(南無阿弥陀仏を唱えること)しなさい」
上記は、あくまで、だいたいの話であるが、この経典は「観無量寿教」で、中国の高僧である善導大師は、念仏以外のことは捨てるべき行として説かれたということを、法然上人は「選択本願念仏集」で述べ、完全に同意であるとしている。
これは、非常に深遠な思想であるのだけれど、ただ信じるなら理解したも同じである。イエスは「信じることが出来る者は幸せだ」と言ったが、それは妄信ではなく、何らかの直観を伴うものであると思う。


【浄土三部経〈下〉観無量寿経・阿弥陀経】
平易な口語訳、漢文と書き下し文、そして詳細な解説から構成されている。

【選択本願念仏集】
法然上人の主著を、読みやすく構成した平易な口語訳と適切な注釈で補った良書。美しい原文も収められている。

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