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2010.07.12

スタートは逆境から

ジョセフ・マーフィーの潜在意識による成功法即を活用する場合、よくよく注意すべきことながら、あまり話題にされないことがあります。
もう一度、マーフィーの本をよく読んで確認する必要があるかもしれません。
それは、マーフィーの本には、多くの成功事例が書かれてはいますが、安穏とした状況から何かを達成したお話などないということです。
どれも、貧困、逆境といった苦難の状況の中から始まるものばかりです。
一見、そうでない場合もあるように思われますが、その場合は、その人に深い信仰があることが分かります。しかし、その信仰を得るまでには、苦難を乗り越えた経験があるはずです。
逆境が力を発揮する原動力になりますが、単なる不満ではそうはなりません。
また、自分では深刻だと思っていても、全くそうでない場合も少なくありません。精神が未熟で幼いと、つまらないものが恐ろしいという場合がよくあります。

成功のノウハウを説くビジネス書の中には、単に現状に不満な者達の欲望を掻き立てるようなものが多くあると思います。
「現状に満足しないで、大きな成功を目指そう」といった類のものです。
いわゆる、いくら実践してもうまくいかないというのは、そんな本の読者ですし、ジョセフ・マーフィーの教えが全く効力を発揮しないのも、そんな場合です。
危機的な状況や深刻な問題があるのでもなければ、現状に満足すれば良いと思います。
人間の心は、物質的なこととか恋愛とかいったものには、いつでも不満を感じるものですが、そんなものの満足を求めるのは虚しいものです。

しかし、誰にでも、いずれ本当の人生の危機は訪れます。
その時には、本物の信念とか信仰が必要になります。
逆境の時に役立つ力を得るには、多少の不満があっても、平和な時に慎んで欲望を持たないことです。
ところが、現在の日本では、十分に満足すべき状況にある者の欲望をあおり立てています。彼らの金が目当てなのです。経済大国とは、民衆の金を搾り取る仕組みの上に成り立つものだからです。
豪華でなくても、ちゃんと食べていけているなら満足し、何も求めないことです。
オールコットの「若草物語」で、マーガレット達の賢い母親は「足りない目くらいが丁度良いのです」と言っていました。私は、ごく小さい頃に読んだのですが、この一文だけはよく憶えています。
慎みを知る者には、苦難や逆境は恐ろしいなりをした天使だということが後で分かると思います。

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Comments

この世界にはここからが苦難であるというラインがあるのでしょうか?

最近、宝塚に入学できず諦めて大学生をされている子と仕事で居合わせる機会がありました。彼女はきっと自分こそ世界一かわいそうな人間という空気を見るからにだしていましたので、私自身の話を笑いながらしました。

小学生の時は本当に貧乏でしょっちゅう電気やガスが止まっていたことや一週間雑炊生活ということがよくあったこと、小学校時代は1年生の時から卒業時まで男子からのいじめにあっていたことを笑いながら話していたら「どうしてそんなに明るいんですか?」と驚かれました。

どうやら、大して年齢も変わらないのにそんな貧乏な人が今の日本にいたのかという驚きや自分よりも不幸な人がいたんだみたいな驚き、それに加えどうしてあっけらかんと笑って話せるのかという驚きがあったようです。

まぁ実際、当人がそんな人生を不幸とは思っていないわけで(貧乏生活は楽しい思い出です)もっと凄い話ならいくらでもネタとして提供できたんですけど。私なんかより苦労されている方は沢山いるわけだし。どこが神様の中で不幸というラインなのか。

私には全く分かりません。大体人間て自分こそ世界一不幸だと思いたがる習性があるので、そういう意味で私はたいていの人は生まれながらにして不幸や逆境を持ち合わせている気もします。

Posted by: ゆり | 2010.07.12 06:59 PM

★ゆりさん
その宝塚不合格者は、私が本日書いた通り、単に幼いのだと思います。
全くもって、不幸でも何でもありません。

ところでですが、自分のことであれば、何でも耐えられるかもしれません。
しかし、これを煩悩と言うのかもしれませんが、自分の親や子、あるいは、他人であっても、子供たちや犬や猫が悲惨な目に遭っていたら、耐えられないかもしれません。
自分のことであれば、自分の責任で、おだやかでいたいと思います。
でも、運命は弱いところを責めてきます。それにどう対応するかですね。

Posted by: Kay | 2010.07.12 10:03 PM

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