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2010.06.13

アポローン賛歌の秘密

強大な秘法というものは、他愛ない物語の形で伝えられているものである。
しかし、それらの物語の真意を掴むのは容易なことではない。
だが、もはや我々にそんなに多くの時間があるわけではない。

こんなお話がある。
大昔の話だが、長い航海での仕事を終えて故郷に向かう船を、光明神アポローンが奪い、神の力を示して船員達を恐れさせた。
アポローンは、風の神の力を借り、船を自分の島に到達させた。
アポローンは船員達に言った。
「お前たちは、懐かしい故郷や愛する家族の元に帰ることはもうない。この島で永遠に私の神殿を祭れ」
しかし、その島は岩場だらけで、作物が実ることもなく、羊を飼うこともできそうもなかった。
そのことをアポローンに訴えると、アポローンは人間の愚かさを戒めたが慈悲も示した。
「何の心配もいらない。お前たちは、ありあまるほど与えられる」

このお話の作者は不明だが、神が人に教えたものに他ならない。
アポローンが人間達に「戻ることはできない」と言った故郷とは、世間や家族の中の教義や信念のことである。
アポローンの神殿を祭るとは、我々自身の中にある神殿を尊び護ることである。我々の中にある神殿とは、神の座である純粋な心である。
そうすれば、世界は神の光の反映であるのだから、求めずとも与えられ、何の不安もないのである。

このお話は、「ホメーロス風賛歌」の中の「アポローンへの賛歌」として伝わるものだ。
偉大な詩人ホメーロスの名を冠してはいるが、作者は不明と言われている。
「ホメーロス風賛歌」は、数多くの神を賛美した歌だが、その中でも長い詩である、デーメーテール、アポローン、ヘルメース、アプロディーテーらへの賛歌を収めた「四つのギリシャ神話」が現在も出版されている。
いずれも、お伽噺のような叙事詩(詩で表現された物語)の中に、偉大な叡智が秘められている。

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