« 魔法力を発揮する装置 | Main | 7つの星の所有者 »

2010.06.06

快楽と理性と適切な食事

ちょっとお金を手にした事業家やミュージシャンなどが、美食にふけり、色欲に走り、高級品を買い漁り、別荘を建て、挙句、退屈から麻薬に手を出して破滅する話をよく聞く。
一方、世界最高の富豪ビル・ゲイツは若くしてとてつもない大金を手にしたが、心身を損なうことは全くない。
ゲイツは、大金持ちになっても、食事は大衆食堂でとったり、ハンバーガーやピザで済ませた。若い頃でも、事務員が買って持ってでもいかないと昼食をとらなかった。飛行機はエコノミーに乗り、日本製の車を自分で運転した。学生時代から数えても、彼と付き合った女の子なんて何人もいない(何人かはいるらしいが)。肥満にも縁がなく、常に健康で毎日フルタイムで働いている。
私は、ゲイツが成功者だから偉いとは少しも思わないが、あれほど成功して平和であるのは大したものだと思う。
彼は、事業家である限り、決していつも優しいいい人ではなく、冷酷な部分も必ずあるはずだと思う。しかし、あれほど快楽的な欲望を持たない人は稀で、だからこそ破滅を免れ、繁栄を続けるのだろう。
だが、普通の人が彼の真似をして禁欲的に生きようとすると、たちまち抑圧の反動で、かえって快楽に走ったり、心身に破綻をきたすものだ。
また、理性を使って、そこそこの快楽にとどめようとしても、普通の人ではそれが次第にエスカレートし、やはり最悪の結果は免れない。
ゲイツは理性を磨き上げると共に、高度な精神コントロールの秘法をマスターしたとしか思えない。
しかし、あれほどの富を持っていてすら、欲望を持たないことで平和が得られるのであれば、我々のように金の無い者が欲望を捨てて幸福でいられないはずがない。
心が貧しくない限り、幸福には金持ちより貧しい方が有利なのである。
しかし、世界的不況と言われるものの中で、あらゆる国の「生活に困窮している人達」の特集番組がテレビで放映されることも多く、私も何度か見たが、金に困っていることを訴える人達が、皆、おそろしいまでに肥満している。ゲイツの何倍も食の快楽を得ているなら、別に不満など持たなくて良いのにと思う。彼らの問題は金がないことではない。欲望を制御する理性を鍛えていないことだ。
ギリシャ神話のディオニュソスは、快楽による心の解放を説いたが、それはあくまで、アポローンの理性を伴ってこそだ。
ただ、逆に言えば、アポローンの理性も、ディオニュソスの快楽への欲望を素直に認めてこそ意味があり、ただ抑圧するだけではむしろ最悪な反動となることは長い歴史の中でも証明されている。
もし人が、適度な量の適切な食事をとることができるなら、平和と幸福は約束されていると思う。
実をいうと、人類最大の聖者の一人ラマナ・マハルシが最上の方法と言ったのも「清らかな食事を適切な量食べること」だった。

アブラハム・マズローは、偉大な人間と平凡な人間の違いは、至高体験を持つか持たないかの違いだけであると言ったらしい。
快楽をはるかに超えた楽しさを知れば、快楽をもたらすものを他人に譲ることができる。そんな者が偉大でないはずがない。
至高体験とは、ロマン・ロランの大洋感情や、イェイツのエクスタシー(忘我)、あるいは、岡本太郎の爆発、夏目漱石の天賓と同じで、ドストエフスキーやエリオットの小説にもその状態を表す記述がよく見られる。
エマーソンは「自分の魂の中に神の魂が流れ込んでくること」と言った。
だが、はっきりと言っておくが、これらを得るのに金は絶対に必要でない。もちろん、最低限の金まで無用とは言わないが、高い金で得るものは欲望である。悟りを求めてかえって餓鬼道に陥る原因はそれである。
急いで神になるつもりなら、聖書でも古事記でもギリシャ神話でも良いから千回くらい読めば良いのではないかな。あるいは、絶対に何の期待もせずに、ジャパ(神の名を言葉や心で唱えること)や、念仏やマントラを百万回くらい繰り返せば良いのではと思う。

↓応援していただける方はいずれか(できれば両方)クリックで投票をお願い致します。
人気blogランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ

|

« 魔法力を発揮する装置 | Main | 7つの星の所有者 »

Comments

一日一食が続きません。禁欲は続けてます。
神の名を唱えるとありますが、「天帝(あめのてだ)」を唱えるのも良いですか?
好きなアニメキャラを唱えるのも良いですよね。
「天帝」が個人的にイメージが出来ないのです。
地元の歴史本には初めに「天帝」が出てきます。
意味が日本の天皇だったり、神だったり、中国の王だったりしますよね。
好きな指導者も居ませんし、何を唱えればいいのか分からないのです。
「大丈夫だよ。なんとかなるよ」
ここのblogにも書かれたCCさくらの言葉ですよね。
この言葉も唱え続けると、神になれるのも理解してます。ですが唱えるのが続かないのです。

ケイさん、毎日の導きありがとう。
ひきこもり生活が柔らかくなってるのが解ります。
しかし頭で理解しても体が追いついてない。
一歩進めばいいはずなんですが。

Posted by: みなみ | 2010.06.06 at 12:29 PM

★みなみさん
やる、やらないは個人の自由です。私には関係ありません。
昨日、失敗しても、今日またチェレンジすることです。
決めたら必ずやるという意志の強さは必要です。
だいたい、簡単にできるようなことをやって、良いことがあるはずがないじゃないですか?
何をするのが良いのかも、決めるのは自分です。

Posted by: Kay | 2010.06.06 at 07:04 PM


「生活に困窮している人達」が肥満している、に笑ってしまいました。私も、いつもその辺りの不自然さに首を傾げるのですが、近頃は、何も考えない人、または、食べられない時代の遺伝子の後遺症の人、かしら、と思うようになりました。
その姿を報道する人々もまた、何も考えない人なのでしょうね。

Posted by: ハマナス | 2010.06.11 at 06:22 PM

★ハマナスさん
世間の人の言うこと、特にマスコミの言うことを信じてはならないとつくづく思います。
世間やマスコミが貶める政治家って、かなり立派なのだと思います。

Posted by: Kay | 2010.06.11 at 09:41 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3170/48555101

Listed below are links to weblogs that reference 快楽と理性と適切な食事:

« 魔法力を発揮する装置 | Main | 7つの星の所有者 »