劣等感を捨てる
人間の最大の弱点は劣等感である。
劣等感とは、自分には価値がないという思い込みのことを言うのだろう。そして、それはあくまで思い込みである。
劣等感というものは不必要であるばかりか、それを捨てれば、即時にあらゆるものが得られる。聖人にすらなる。
コリン・ウィルソンの「超越意識の探求」という本のあとがきに、その端的な例がある。
劣等感に凝り固まった男に、友人が「君はちっとも駄目じゃない。自分でそう思っているだけだ」と言う。この一言が、彼には天啓だった。数日で彼は偉大な賢者に生まれ変わったのだ。
もし、劣等感という、おそらくは、両親か学校に植えつけられた思考パターンを持っているなら、あなたもこの言葉について真剣に考えば良い。
インドのニサルガダッタ・マハラジは、貧しい農夫をやめ、街に出て働くが仕事は長続きせず、中年に差し掛かる頃には下手な商売人に落ち着き始めていた。
そんな時、彼はある聖者に、「あなたは至高の実在だ」と言われ、ただ、その言葉を忘れなかったというだけで数年後には偉大な聖者になった。彼は、何の努力もしなかったと自分で言う。
ただ、至高の実在とは何とも難しい言葉だ。おそらく、彼にも影響のあった民衆の意識に配慮した言い方だったのではないかと思う。至高の実在とは神のことだ。英語でもSupreme being(至高の存在)は神を指す。
つまり、自分が神であるということをただ覚えていたというだけで、彼は偉大な変容を果たしたのである。かかった期間は4年ほどだったという。
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