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2010.06.21

諦めて神を目指す

人間が幻想の中で生きているというのは、古代から、特にインドや中国では賢者達が言ってきたことでした。
それを宗教的でなく、ある程度の論理性をもって、歴史的に最初に明確に語ったのがジグムント・フロイトだったように思います。
日本では、思想家の吉本隆明さんや、フロイト派の精神分析学者の岸田秀さんが、個人、家族や会社といったグループ、さらに国家規模の幻想について本に書かれています。
ただ、我々一般庶民が、彼らの本を読んでもあまり役には立ちません。
なぜなら、フロイトにしろ、吉本隆明さんや岸田秀さんも、幻想で一生良い思いをした人達だからです。彼らの人生がいかに辛く厳しいものであったかが、彼らの著書にもつらつらと書かれてあるかもしれませんが、大学に行くこと自体が少なかった時代に一流大学を出て、誰からも先生と呼ばれる立場になり、有名になって財もなした、幻想の中の大成功者だからです。
ひょっとしたら、彼らは「金なんかないよ」と言うかもしれません。そりゃ、ビジネスでの成功者とは違いますし、フロイトの時代は医者も高給取りではありませんでした(フロイトの本業は医者です)。しかし、やはり庶民とは違います。
彼らは、人間が幻想の中で生きているからといって、だからどうしようという動機はなく、ただ思索しただけです。そして、その思索も、規模が大きくなるほど、自然から外れた、それこそ幻想的なものになっているようです。
フロイトが言うのは、人間は他の動物と違い、本能が壊れているので、それを補うために自我を作ったが、その自我は自然に立脚したものではない幻想であるという考え方で、岸田秀さんも、この考え方を受け継いでいるのだと思います。
吉本隆明さんのは、私には難しすぎて全然分かりませんが、国家が幻想で成り立っていることに気付いて愕然としたという表現をしていたように思います。私も、あらゆるグループから国家まで幻想で成り立っていることは気付いていますが、「愕然とする」というのは、随分余裕のあることだと、それについて愕然とします。
私の場合、人間の悲惨さに絶望するのみです。
もちろん、成功者であろうと、幻想のために苦しまない人はいません。しかし、苦しいと言いますか、「マズい」とでもいう立場にあるのは、他人とうまく幻想を共有できない人達で、たとえば、対人恐怖症の人やひきこもりです。
まあ、誰しも大なり小なり、対人恐怖症でひきこもりの要素はあるものだと思いますが、それで明らかに社会的に不都合を起こしている者のみが、人間の幻想に気付いた時、「なんとかしよう」と思います。
まずは、神秘的思想や宗教的思想による解決を試みます。老子、荘子や、古代インド思想を伝える聖者達の本を読むかもしれません。
また、劣勢な立場の挽回のために成功法即に執着する場合もよくあります。そして、若いうちはエネルギーがありますから、無理して世間的成功を目指して異常にがんばる場合もあると思います。
しかし、結局、どうにもならないと絶望します。つまり、世間の幻想の強大さを思い知るわけです。
世の中の原理はこうです。
「共同幻想に融合しないと滅びる。共同幻想に融合すると生き残れる。共同幻想を作り出すと勝てる。」
つまりは、世間に逆らわずに生きるのが一番というわけです。
しかし、それがどうしても嫌だという者がいます。共同幻想に強い恨みを持つ者です。共同幻想のおかげで虐げられてきた人達です。
こんな人達は、仙人か魔法使い、あるいは、神様にでもならない限り満足できないはずです。世間を超えた力なんて、そんなものしかないからです。
変な言い方ですが、諦めて神を目指して下さい。
これも1つの幻想と言われると思いますし、それはそれで良いのですが、幻想を打ち破れば神にもなれます。それこそ、本当に愕然とするかもしれません。
具体的には、明日から少しずつ書くと思います。
今回は、やや悲観的、後ろ向きに思われる内容だったかもしれませんが、実は希望は持っています。


【共同幻想論】
日本の歴史的名著ですが、私にはほとんど理解できませんでした。正直、言い回しが非常に複雑で、どんな意味にでも取れる記述がよくあります。まあ、私の頭が悪いだけと思いますが。
とはいえ、ところどころ参考になる部分はありました。一度は目を通しておかれると良いかもしれません。

【ものぐさ精神分析】
こちらは、分かりやすく面白いです。映画監督の伊丹十三さんは岸田さんの幻想理論である唯幻論に心酔したようです。伊丹さんが自殺したこととの関係はよく分かりませんが、私も唯幻論は、ありきたりな思想や自己啓発理論よりははるかに優れたものであると思います。

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