勤労嫌いの正当性と解決策
戸塚ヨットスクール校長の戸塚宏さんの本にこんなことが書かれてあった。あくまで彼の見解としてではあるが、幼い頃にあまりに不自然な成長をすると修正のしようのない欠陥が脳機能に生じ、そのために、生涯、勤労意欲を持てなくなる場合があるという。
そういうことも確かにあると思うが、私は、そもそも、勤労意欲の無い人間、即ち、働くことが嫌いな人間というのは、一定数いると思う。
こう言うと、「働くのが好きな人間なんていない。誰も本当は働きたくなんかない」と言う人もいるかと思うが、それは違うと思う。例えば、百人の人間に、衣食住を一生保証して、働くことを禁止したら、少なくとも10人以上の人間は反乱を起こすだろうし、ほとんどの人間はストレスを感じるはずだ。
おそらく、働くのが嫌いな人間というのは、本当はあまり多くない。
だが、この仕事ということに関し、非常に深刻な問題がある。
まず、今の日本には、働き甲斐のある仕事がほとんど全くない。
しかし、働かないとお金が得られず、生きていくために必要なものを得るにはお金が必要な仕組みになっている。
そして、働き甲斐のある仕事というのは、極めて少ないお金しか得られないようになってきている。
従って、今の日本で、働くのが嫌い、あるいは苦痛であるというのは正常なことだ。
細かい議論は抜きにすると、解決策は次のようになる。
まず、住居をシェアすること。どの家でも自由に寝泊りできるようになることだ。これがごく自然に可能になることを人類の進化というのである。
「ヒマラヤ聖者の生活探求」という本を書いたベアード.T.スポールディングという人は、著名な文筆家、講演者であったが、財産のようなものはほとんどなかったという。しかし、どこの地に行っても、どの家にでも平気で入って行ったが、何のトラブルもなく、彼の周りはいつも平和であったと言われる。
まあ、すぐにそこまでいかなくても、住居をシェアできるよう工夫することだ。
そして、あまり食べなくても良くなることだ。やがては、ほとんど食べないくらいにまでなれば良い。
また、世間に蔓延する、過剰な性欲を刺激するものから遠ざかることだ。食を慎めば性欲のコントロールは難しくない。
実際、食欲と性欲を支配できるようにならないと、住居の共有というのも難しいところがある。しかし、江戸時代の長屋なんてのは住居をシェアして生活していたのであり、子供たちは夕食時にいたところで御飯を食べていたものらしい。
政治家の言う強い経済など不要なだけでなく、それが不幸の根源であり、人類が破滅を免れ幸福になる鍵は精神の進化しかない。まずは自分が、食と性の慎みを始めることである。
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