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2010.04.26

年を取ってもやれる仕事が本物である

あなたは今の仕事を、80歳、90歳、あるいは、それを超えても続けられるだろうか?
いや、そもそも続けたいだろうか?

よく聞く話だが、後20年とか30年経てば、若者4人で1人の老人を支えないといけなくなるから大変だなどと言われるが、おかしな発想である。
また、健康食品のCMで、百歳近い高齢者を登場させ、「こんなにお元気です」と言って、趣味を楽しんでいる様子を紹介するが、その趣味は、ごく個人的なものばかりである。年寄りは、そんな個人的な趣味で時間を潰せば良いのだという誤解を与えてしまいかねない。
今でもあるのかどうか知らないが、テレビ番組で、老人にクイズを出し、彼らのトンチンカンな回答を皆で爆笑して楽しむというものがあったが、これも、老人は役に立たない無用者という印象を強くさせるものであろう。

人間は、生きている限り、立派に働ける。
しかし、高齢者がやる仕事がないことが問題なだけである。
なぜ高齢者がやる仕事が無いかというと、我が国は経済最優先、つまり、金儲けのために都合の良い仕事しか存在させないようになってしまったからだ。
そして、そんな仕事は、高齢者向きでないことはもちろん、本当は若くてもやりたくないはずだ。
皆が、本当はやりたくないことを、無理にやっているから、心は荒み、人間関係も冷淡で険悪なものとなっているのである。同調する「仲間」には親切だが、そうでない人間は死んでも構わないという態度を露骨にする者が、年齢を問わず非常に多いのである。仕事には、本来、そういった歪んだ精神を矯正する部分もあったのだが、金だけが目的の仕事ではそうではない。

また、本来は楽しいかもしれない仕事でも、近年は、国家機関が手を出すことで、ひどく複雑化し、人間のやることではなくなってしまったものも多い。
その目的は、表面的には、まっとうなことが言われているが、国家の収益の安定と、その手段としての思想統制であろう。
いずれにしても、利益第一主義の仕事は、人間のやることではない。
もちろん、利益は大事であるが、利益はサービスに対する代償であり、サービスとは、物質的なだけでなく精神的なものでもある。そんなことは、まともな仕事があるところでは、言われなくても分かっていることである。

ジョセフ・マーフィーの「眠りながら成功する」の終章部分は、人間は、年齢を重ねてこそ、ますます真に有能になることが力強く説かれている。本当にやりたいことをやっている人は、90歳を超えても全く衰えず一流であり、それどころか、さらに向上を続けることを自ら確認して知らせている。
マーフィーの著作も大半は彼が60代以降のものであり、世界的ベストセラーである「眠りながら成功する」は64歳の時のものだが、その後の著作はさらに良くなっていると思う。
死を悪いものであるとは全く考えていなかったマーフィーは、83歳で「若死」にしたが、彼は、実は優れた神秘学者でもあり、若い時に死後の生命の状態やその環境の素晴らしさを体験してしまったので、むしろ、その年齢までよく耐えたと思う。
このあたりは、64歳で亡くなった、マーフィーより40年ほど早く生まれた、歴史的な神秘学者で、万能の天才ともいえるルドルフ・シュタイナーについても言えるかもしれない。
だから、そうでない普通の人であれば、多少は生物としての命に執着しても良いかもしれない。

若い間は何事も経験であるし、本当は人間のやるべき仕事でないことでも、多少は楽しめると思う。大いにやってみれば良いと思う。
しかし、心の深奥から、やりたくないと思ったら、やらなければ良い。
いかなることも、人生では責任は自分で取らないといけないが、心配は無用だ。人間は、地上の大騒ぎを尻目に、高く飛ぶことができる能力があることは断言できる。

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Comments


寡聞ながら
 マーフィーが神秘主義者だったこと
  全ぜん知りませんでした。

 っていうか……
実は いまだ1冊も読んだことがないのです。

 シュタイナーは むかし1冊だけ……
『薔薇十字の神秘学』 というタイトルだったと思います。

でも 神秘思想にハマッテいた その頃は
 グルジェフに最も重きを置いていましたね。
  一時その高弟だった ウスペンスキーにも惹かれていましたっけ。
 今では懐かしい思い出です (なんじゃ そりゃ?)。


ところで
 絵描きの端くれたるもの
90歳・100歳になっても仕事は続けていたいですね。
 その歳になって 子供まるだしの絵が描けたピカソって
  本当に凄いと思います。

Posted by: Minr Kamti | 2010.04.27 02:24 AM

★Minr Kamtiさん
マーフィーは相当なオカルティストであることは間違いありません。
オカルティズムとは、隠れたことを解明するという意味です。

シュタイナーは、正直言って、読めたものではありません。コリン・ウィルソンは、古くなったトーストのように、食えたものではないと書いています。しかし、ウィルソンも、シュタイナーの偉大さは分かっていると思います。

ピカソの晩年のかきなぐりのエロ版画、素晴らしいですね。もっと評価されるべきと思います。

200歳までがんばって下さい!!

Posted by: Kay | 2010.04.27 11:00 PM

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