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2010.04.18

リスペクト(尊敬)という宝

勇気と自信では、どちらが大切でしょうか?
昔、夏目志郎さんという、偉大なセールスマンの本の冒頭で、こう問われて以来、私は、勇気、あるいは、自信という言葉に出くわす度に、もう一方の言葉を思い出します。
夏目さんは、絶対的に勇気だと言います。
確かに、勇気のない人間に自信が生まれるはずがありません。
田村直美さんの「WILD SENSATION」という歌(作詞作曲:田村直美)に、

自信なんてない
多分誰もがそう
怖いくらい震え止まらない

とあるのを見て大変に納得したものです。
この歌では、この詩は告白シーンを表現しているような雰囲気もあるのですが、それだけではないでしょうし、私には、田村さんが初めてコンサートをやった時の心境かなと思ったりしました。

ところで、この世では、感謝が一番大事だという人は、古来からの聖者を含め、多くいると思います。
しかし、私は、まず尊敬という気持ちが大切なのではないかと思います。

4月15日は、アメリカのプロ野球選手達は全員、背番号42を付けてプレーします。選手だけでなく、監督、コーチもです。あくまで任意だそうですが、全員がそうしているようです。
背番号42を付けていた黒人初のメジャー・リーガーであったジャッキー・ロビンソン選手を称えてのことだそうですが、あらゆる苦難に打ち勝って活躍したロビンソンに、黒人のみならず、あらゆる選手達は、感謝はしているかもしれませんが、まず尊敬が無ければ、その感謝は偽者だと思います。
日本代表サッカーチームの監督時代に、ジーコは、現在の選手達は、Jリーグの黎明期を築いた選手達へのリスペクト(尊敬)が低いことを嘆いていましたが、リスペクトは、される側ではなく、すべき側に非常に重要なものであるからだと思います。

感謝は、人物だけでなく、状況に対して行うことも多いのですが、状況を作るのは運命や神、あるいは、偶然です。しかし、尊敬は、人物に対してです。まず、人として、尊敬をする段階を通して、感謝が出来るようになるのだと思います。
感謝を感じるのは、恩恵を受けてはるか後という場合が多いのです。しかし、尊敬は、今すぐできます。
誰もが恩恵を受けている、エジゾンやライト兄弟に人々は感謝しているとも思えませんが、それは人間の欠点であるとしても、尊敬はして良いと思います。アレクサンダー・フレミングやフォン・ノイマンでは、恩恵を受けていても名前を知らない人が圧倒的で、つまり、残念ながら、感謝されていないのですが、ペニシリンの発見者やコンピュータの発明者をもっと尊敬しても良いのではと思います。
私は、釈迦、イエス、老子、荘子にすら、正直、感謝しているとはなかなか言えませんが、尊敬はしていると思います。

以下、ややマニアックな余談です。
絵画、彫刻、物理学、政治、野球、テニス・・・いかなる世界でも、この人が史上No.1と言うのは大変に難しいことですが、ことプロレスリングの世界では、それはルー・テーズと言う人は多いと思います。
テーズが活躍した時代、プロレスリングは、観客は背広ネクタイの紳士や、やはり服装も髪型もきちんとした淑女が圧倒的でした。そして、プロレスリングであっても、それがレスリングであることが重視され、多くの選手はアマチュアレスリングで鍛え上げられていました。テーズのライバルともなると、ほとんどが、アマチュアレスリングで、それぞれの国の全国王者、学生王者、オリンピック出場と、輝かしい戦跡を持っていました。しかし、なぜかテーズにはそれがありません。実は、彼は家が貧しくて高校に行けず、中学卒業と同時に靴職人になったのでした。テーズは、高校を卒業していると言っていたのが嘘であったことを79歳で書いた自伝で告白しています。大学以上の学歴詐称の場合は、自分を偉く見せたいからでしょうが、高校の場合は、馬鹿にされたくないというのが正直なところと思います。テーズにも、そんなコンプレックス(インフィアリア・コンプレックス)があったようです。私は、そんな嘘を付かなければならない世の中が好きでありません。
幼い頃からレスリングに親しみ、高校のレスリング部の練習にだけは参加していたテーズは、ジョージ・トラゴスという伝説的なレスラーのコーチを受けるチャンスを得て歓喜しました。しかし、周りは猛反対します。トラゴスは確かにレスラーとしては偉大でしたが、人間的には欠点が多く、弟子を潰してしまうことで知られていました。だが、テーズに迷いはありませんでした。そして、トラゴスのテーズの可愛がり様は大変なものでした。テーズ自身、トラゴスがあれほど指導してくれたのは自分だけだったと認めています。そして、その理由を、テーズは、トラゴスやレスリングに対するリスペクトのためであったのではと回想します。
テーズは、アマレスの経験が無い自分が、苦しい立場であったことは分かっていたようで、特に、最強のライバル達の何人かには技術で劣ることを認めています。しかし、トラゴスに教わったダブル・リストロックという技に常に感謝していました。彼の最強を支えていたのは、この、一見地味な関節技でした。テーズは、「何か1つ技をと言われたら、ダブル・リストロック」と言っていました。
やはり、尊敬があった後で、感謝することもあるのではないかと思います。

個人的には保証したいのですが、何をやっていても、そこにいる優れた人を本当に尊敬するなら、必ずうまくいくと思います。
そして、恵まれていない者の方がリスペクトの気持ちを持ちやすいのです。
確かに、餓死寸前の時に食べ物を恵んでくれた人には本当に感謝するかもしれませんが、むしろ、そんなことは無い方が良いかもしれません。また、そこまででないのに、軽々しく感謝などと言いたくもない。感謝は、自然に起こるものだと思います。


【セールスに勇気がわく本】
人間の全ての行いはセールスであるというのは、夏目志郎さんや、彼がリスペクトしていたポール・マイヤーの自論でした。
情熱ある時代の日本が感じられる本でもあると思います。夏目さんは、中国人でしたが、大きな決意をして、日本に帰化しています。

【THANX A MILLION(CD)】
田村直美さんは良いと思います。私の好きなアルバムで、ミリオンヒットの「ゆずれない願い」や、同じ、アニメ「魔法騎士レイアース」の主題歌「光と影を抱きしめたまま」、その他名曲を収録。もちろん、「WILD SENSATION」も入っています。

【鉄人ルー・テーズ自伝】
世界最強の男は、意外なほど普通の人間であったと思います。ただ謙虚に努力しただけという印象すらあります。そして、プロレスという、決してクリーンなだけでない世界でこそ分かることもあると思います。

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Comments

ごまです。2回目の投稿になります。

感謝が大切だとは成功哲学をはじめあらゆる聖者たちが言うことですが、私にはこれが難しいです。
心から感謝することの効用は十分理解していて、それこそ奇跡を起こしうるものだと思いますが、だからこそかえって自分のために感謝しているというような状況になってしまい、反対に自我を強めているんじゃないかと思うときがあります。本当に心の底から1点の曇りなく感謝できれば、その時点ですでに成功しているのではないかと思います。
私のような未熟者は、感謝よりもまずネガティブな感情や考え方を処理する方が先なのではないかと思い、とりあえずは自己観察に取り組んでいます。
「尊敬」が感謝に先立つというのは、私にとって新たな視点です。ただどちらにしても自然に沸き起こるものでないといけないのでしょうね。尊敬とは違うかもしれませんが、先日目の前をうろうろしている「ブヨ」をじっくり眺めてみて、こんなに極小で精巧な動きをする生き物を作った自然や神様はすごい!と感じました。

Posted by: ごま | 2010.04.23 at 01:43 AM

★ごまさん
本日(23日)の記事に書きましたが、生物の身体は、億年単位の長い歴史があるので完璧な状態に進化しましたが、自我の歴史はたかだか3万年で、まだまだです。よって、出来が悪くて当然かもしれません。

Posted by: Kay | 2010.04.23 at 09:27 PM

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