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2010.03.09

「楽天」はなぜ「楽観」か?

私は、楽天主義という言葉が、なぜ楽観主義と同じ意味なのか疑問であった。
一応の答は、楽天株式会社の社名の由来が、「自分の境遇を天の与えたものとして受け入れ、くよくよしないで人生を楽観することを意味する楽天」であることが、社名由来データバンクに掲載されているが、いまひとつ納得できない。
ネット上でいろいろ調べても分からない。

白楽天という名で知られる中国の大詩人、白居易(772年~846年)は、字(中国で、男子が成人後、実名のほかにつけた名)を楽天と言った。
この白楽天の詩風が、初期のものは別として、のびのびとした楽観的なものであったらしいので、案外、このあたりから、楽観主義を楽天主義と言うようになったのではないかと推測する。

白楽天について、面白い話がある。
史実ではないと思うが、「史記」に、孔子が老子を尋ね、教えを請う風を装いながら議論を吹っかけ、自分の賢さを示そうとしたが、逆に老子にやり込められてしまうという話があるらしい。
孔子をけなすのは「荘子」にもよく見られる。ただ、「荘子」では、孔子は老子のような神人ではないまでも、人としては最高の賢者として描いていると言って良いと思う。
その老子について、白楽天は「老子を読む」という詩を書いている。
まず、老子の有名な、「言う者は知らず、知る者は黙す」を引用する。これは、自己顕示欲を戒めるものと言われており、老子は他にも、「優れた旅人は、車のわだちや足跡を残さない」として、善い行いをしても、それをひけらかしてはならないと言う。
しかし、白楽天は言う。「じゃ、なんで老子は『老子(道徳経)』なんか書いて残したの?」
そういえば、ソクラテスは自分では著作をしなかったし、そのソクラテスを崇拝した明治、大正の偉人、岡田虎二郎も、ほとんど死の直前に、自分が書いたものを全部燃やしたという。
言うまでもなく、イエスも自分では何も書いて残さず、彼の言葉は、12人の使徒と呼ばれる高弟のうち、4人が書き残したもので知られている(別の使徒が書いたものも発見されているらしい)。
ニュートンだって実はそうで、彼の科学の研究は、本業である神秘学の合間にやったようなものだったらしいが、それら聖書やオカルトの研究に関してはほとんど燃やしてしまったようだ。
ではなぜ老子は・・・というのも、言われてみればうなづける。
とはいえ、「老子」が老子自身の著作であるかどうかは分からないし、そもそも、老子の存在を疑問視する向きもある。

私も、老子は人としては存在しなかったのではないかと思う(定説では存在が肯定されている)。
誰かが、自分では意味が分からないながら、霊感を受けて書いたのが「老子」かもしれないと思う。
そのようなことは、例がない訳ではない。例えば、名曲の誉れ高いフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」は、ある日曜音楽家が一夜の霊感を受けて制作したものだ。そういったことは、歴史の中にはありふれているかもしれないのである。

世の中で鍛えられた大人の楽天主義(楽観主義)は良いものだ。
しかし、若い楽天主義にも楽しいものがある。
アメリカの偉大な精神科医ミルトン・エリクソンの父は、16歳で家出をし、出来るだけ遠くへ行くためのバス代で全財産を使い切った。着いた村で偶然出逢った男に、「聡明な若者を一人雇わないか?」と言って仕事と住居を得た。その上、その家の娘まで嫁にもらった。
ヘレン・ケラーは言う。「人生は無謀な冒険か無かのどちらかだ」


戦国策
有事の時にその知恵で役立つためだけに雇われている食客達の物語です。世俗での最高の知恵は、所詮、戦争の時に発揮されるようで、事業家、政治家には戦記の愛読者は多くいます。
「戦国策」は、世俗の知恵の宝庫と言われています。

人生の扉をひらく「万能の鍵」
1897年にアメリカで出版されてから百年以上、世界で読み継がれる成功哲学の古典である本書は、徹底した楽観主義を唱え、楽観主義の力を示しています。
フォード自動車の創業者ヘンリー・フォードは、自分の成功の要因はこの本にあるとし、親しい人に無償で配ったといわれています。

私の声はあなたとともに
アメリカの偉大な精神科医ミルトン・エリクソンがセミナーで語った物語を分かりやすく文章にした貴重なものです。
意志の力で楽観主義になることは、場合によっては難しいか不可能と思います。本書のユニークな数多くの物語は、読者の無意識に働きかけ、心を癒します。
17歳の時、ポリオという病気で目玉しか動かせない状態になっても積極さを失わなかったエリクソンは、かなりの楽天家であると思います。

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