« これであなたも美女が口説ける | Main | 尊厳 »

2010.03.02

八百長に対する意識改革

八百長というのは、簡単に言うと、筋書きがある勝負という意味と思う。
八百長という日本語は、八百屋の長兵衛さんが、碁で手加減したところから来ており、本来は、八百長とは「手加減」ということになる。
英語では、八百長に相当する言葉はa fixed game(決定された試合)と言い、やはり、「あらかじめ筋書きの決められた試合」といった意味と思う。

よく、大相撲で八百長があったとか、フィギュアスケートや体操競技等の審判員が買収されているとか、プロレスは八百長だよなんて話を聞く。
オリンピック等、八百長があったとしても規模が大き過ぎたりで露呈(あからさまになること)する可能性がほとんどない場合は、「買収」とか「圧力がかけられている」といった表現になるようだ。

しかし、八百長のないスポーツなんて存在すると考える方がおかしいのではないだろうか?
どんな試合でも、絶対に筋書きや手加減のないスポーツなどあり得るはずがない。
この世に、完全にクリーンな営みがあるはずがなく、ましてや利益が絡む人気スポーツ競技ではなおさらである。
子供の競技ですら、そこに関わる人間の心が影響する。それで不利な判定を受けて学ぶことも含めてスポーツなのだ。
さらに言えば、いかなる選手や審判員でも、自分が完全に公明正大であるなどと言えるだろうか?
自分では私心がないつもりでも、誰にでも偏見はあるし、実際には、色々なものに意識的、無意識的に影響されているのである。
そして、筋書きに従うことが、必ずしも不正を意味するとは限らない。

八百長を無くそうなんていうのは、全ての人間の思想および利益を統制でもしないと不可能だ。
そもそも、八百長があったとして、何がそんなに問題なのだろうか?
誰が勝ち、誰が金メダルを取ろうが、我々に何の関係があるだろうか?
なぜ、たかがスポーツ、たかが金メダルと思わないのだろうか?

スポーツの勝敗に我々が過剰反応することをやめれば、スポーツは誰にとっても欲望を満たす手段でなくなり、八百長をする理由もなくなり、自然、よりクリーンなものになるのではないだろうか?


やわらかなボール
幼い時から、テニスのネット審判の道一筋に精進した偉大なネットアンパイヤーは、遺書で、生涯たった一度の不正を告白した。
その不正行為が間違いであることは認めるが、果たして彼を非難することが出来るだろうか?イエスは「罪のない者から石を投げろ」と言ったが、現代人は自分を省みず石を投げるかもしれない。

世界のプロレス レトロ編#3 鉄人ルー・テーズ 完結編
プロレスには筋書きがあるのではという厳しい質問に、史上最強のプロレスラーと言われるルー・テーズが堂々と答えるインタビューが収録されています。
そのテーズの全盛期の歴史的な名勝負3試合も収録。テーズの、相手選手に致命傷を与えないための深い配慮を流智美氏が解説しています。

↓応援していただける方はいずれか(できれば両方)クリックで投票をお願い致します。
人気blogランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ

|

« これであなたも美女が口説ける | Main | 尊厳 »

Comments

プロレスについては梶原一騎が人間凶器で、上手く論じていましたね。

Posted by: ニャン・クン | 2010.03.02 11:26 PM

本来自分が生きるべき
人生を、パチンコやスポーツに
託してしまった人間が余りに
多すぎ、という事ですね。

そして、彼等はうまく
やりましたね。
彼等の失敗は貴方のような
人間を造ってしまったことですw

Posted by: taku | 2010.03.03 12:24 AM

真央ちゃんが勝った、負けた。
巨人が勝った、負けたと人は
言いますが、先の大戦で何故
わが国が負けたのか、A級戦犯とは
何なのか、そもそもあの戦はなんで
あったのか・・・語る人は余り
おりませんですね。

Posted by: taku | 2010.03.03 12:34 AM

★ニャン・クンさん
あの人はプロレスマニアですね。


★takuさん
私の見方では、戦争について好き勝手に語る人が大変に多いように思います。
賛成はせぬまでも、なかなか参考になるものもあると思います。

Posted by: Kay | 2010.03.04 05:52 PM

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 八百長に対する意識改革:

« これであなたも美女が口説ける | Main | 尊厳 »