社会的不適合者が生きる道
私は、間違いなく社会的不適合者なのでしょう。
ニートや引きこもりはもちろんですが、通学、就労していても、学校や会社に行くのが苦痛で楽しくない人というのもまた、社会的不適合者なのだと思います。
おそらくは、社会不適合者の方が正常で、問題があるのは社会の方なのでしょうが、社会を批判するのが今回の趣旨ではありません。
極端に言えば、ナチスが支配するような社会で、社会に適合していれば、果たして人間として適格者と言えるかは疑問です。日本も、明治時代あたりからは、表向きは良い社会を取り繕っていましたが、社会そのものは暗黒時代に向かっていたのかもしれません。
一般に、社会的不適合者というのは、人間関係に難があると言われますが、学校や会社等、所属する社会に意義を感じることができれば、多少問題のある性格を持っていても、人間関係なんか、そう悪くはならないものだと思います。つまり、人間関係がうまくいかないのは、その者と社会のどちらが良いか悪いかということはさておき、社会に価値があると思っていないからなのだと思います。
イエス・キリストなんてのも、間違いなく、社会的不適合者だったはずです。そして、彼が「幸せな人だ」と言った、貧しい者や虐げられる者というのも、社会不適合者であることは明らかです。一方、社会的適合者である「富める者」が、天国に行くのは、ラクダが針の穴を通るより難しいと言います。
社会的不適合者を社会に適合させようという意見や活動はよく聞きます。
しかし、仮に表向きは適合しても、その者が楽しいはずがありません。その見本のようなのが私だと思います。
社会的不適合のまま生きる道が説かれることはほとんどありません。
しかし、いまや、社会的適合者の不幸が目立ってきています。高学歴者や社会的成功者、高収入者らは、表向きはどう見えていても、実は、かなり悲惨なのかもしれません。
大切なのは、社会的不適合者であっても、自分を責めないことです。同時に、社会も責めない方が良いでしょう。批判する相手には力を与えてしまうものです。それを理解することは知恵の一つです。
むしろ、社会に対し個人的には無関心になり、社会の中で評価されないことや、果ては、狂っていると思われることを恐れないことが大切と思います。
このあたりは、仏教学者のひろさちやさんが、「閑吟集(かんぎんしゅう)」という室町後期の歌謡集からヒントを得た「ただ狂え」の哲学として、見事に生きる道を説いています。
まあ、ひろさちやさんは、東大を出て、著書も400冊以上出したりと、なかなかの社会適合者に見えますが、彼は学生時代から学校や社会に違和感を感じていたようですから、まあ、まけておいてやろうではありませんか?(笑)。
「狂い」のすすめ 現代も、そして、これまの社会でも、狂ってこそ豊かに楽しく生きられる。人生に意味なんてない。「生きがい」なんて、支配者が庶民をたびらかすペテンに過ぎない。 本書で、「ただ狂え」の哲学を身に付け、人間らしく生きるのも良いかと思います。 | |
無責任のすすめ 社会が狂っていることを、なぜ我々が責任を取らないといけないのか?騙されてはいけません。我々に責任はありません。 正しい無責任にならないと、人生が非常に厳しいものになります。 単なる逃避・・・でも別に良いのですが、仏教の知恵を借りて、無責任力を磨きましょう。 | |
マーフィー 努力嫌いの成功法 私は、引きこもり、ニートでも、この本のおかげで苦労なくやってこれたと思います。 社会的不適合は恥ではありませんが、不幸であることまでも勧めるわけではありません。文庫化する前は「あなたも幸せになれる」のタイトルでした(現在も、同タイトルの新書版は継続販売されています)。 | |
あなたも幸せになれる 上記の本の新書版。私をニートから脱出させた有り難い本です。決して、欲望肯定のみの本ではなく、深遠な教えに貫かれています。 |
The comments to this entry are closed.
Comments
はじめまして。とても共感を覚える記事ですね。
私も社会の不適合者だと思います。
不適合者は不適合者なりにたとえ、それが普通でなかったとしても、非難を受ける道だったとしても
それに振り回されずに自分に素直に生きて誰も恨んだり呪ったり羨ましがらない人生であれば
不適合者であってもとても幸せに生きられるように個人的には思います。
Posted by: ゆり | 2010.03.11 07:54 PM
★ゆりさん
はじめまして。
私は、社会的不適合者は、決して弱者であってはならないと思います。かといって、威張る必要もないわけですけどね。
一般社会の「普通」など、知ったことではないと思います。
そして、社会的不適合者は、実は良い位置におり、自由に生きる道に進めることを是非とも証明したいと思っています。
お互い、最高に幸せに生きましょう。
Posted by: Kay | 2010.03.11 10:56 PM