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2010.02.03

例外のない規則

「例外のない規則はない」などと言います。
いかに細かな規則を定めても、適用外の事態は発生し得るし、「法の抜け穴を突く」などというように、自分の利益のために規則の例外を利用する者もいます。
様々な規定書や契約書などを見ても、一般的規定をまずあげて、それから例外事項が書かれている場合が多いと思います。規定書や契約書がやたらややこしい原因もそこにあります。

例えば、ある製品の販売において、「3年保証」という契約だったとします。
この場合、例外として、「規定通りの使用をしていること」と書かれていたりする場合が多いと思います。
そして、ユーザーは改造をしてはいけない等の規定を細々と示した後、さらに、保証が適用されない事例を色々取り上げ、「これは例外」としたりします。

しかし、よく考えれば、何が例外かを示すというのは、本来は合理的ではないことです。
例外なんてものは無制限に考えられるからです。
だから、現実には多くの保証書には、「その他、当社の責任でない場合」は、保証外という風になっていると思います。
製品保証書ではなく、規則のようなものの場合、「その他、やむなき事情が発生した場合」は例外であるとか書かれていたりします。
ある意味、逃げを打つわけです。

しかし、そのように、「当社の責任と言えないもの」「やむなき事情」などと書くと、曖昧でわけが分からなくなることになりかねません。
つまり、本当は、最初から規定や規則なんて作らないのが良いのですが、リスクを避けるには必要だと考えられているわけです。

では、「例外のない規則」を取り上げてみましょう。
外資系百貨店等であったと思いますが、「無条件返品保証」というものです。
無条件ですので、客が購入してからいくら時間が経過していても、どんな使い方をしていても、客が返品を申し出れば、商品を引き取り、代金を返すというものです。
かつて、ヤオハンでは、話題作りのため、無条件で応じた返品商品を集めた博物館を作り、使い込んでボロボロになってから返品された商品や、あきらかに客の不注意で壊れた商品といったものを展示し、会社の誠実さをアピールしたものです。
こういったリスクを背負ったためかどうかは知りませんが、ヤオハンは1997年に倒産しています。
尚、「無条件返品」を謳ってはいても、「15日以内」とか、色々な「例外」を設ける場合もあるようです。

結婚条件で考えても面白いですね。
今はあまり言われなくなりましたが、本音では「3高」、つまり、「高学歴、高身長、高収入」の願望の強い女性は多いかもしれません。
この場合も、「身長175cm以上が条件だが、年収が5千万円以上の場合は170cm以上で可」といった例外を受け入れるかもしれません。
現実には、「イケメン」「性格良し」「親との同居なし」・・・など、細かな条件も多いかもしれず、それに伴って様々な例外があるかもしれません。

谷川流さんの人気小説「涼宮ハルヒの憂鬱」では、涼宮ハルヒは、友達(恋人?)の条件は、「宇宙人、未来人、異世界人、超能力者」でした。
望み通り、そういった存在を集めましたが、なんと本人はそれに気が付いていませんでした。また、キョンという凡人中の凡人を最も身近に置いたのでした。これは、例外が主体になったという面白い話です。

さて、私はなぜ、長々とこんな話をしたのかと言いますと、私のことですから、宇宙の真理を伝えるためです(笑)。
実は重要なことです。
はっきり言いますが、進化した世界には「例外」はありません。
実を言いますと、私のようなソフトウェア技術者は、「例外」の恐ろしさは身にしみているわけです。
ただ、ソフトウェアでいう「例外」は、正確には「一般で言う例外」ではありません。
例えば、自動販売機に海外のコインを入れると、そのまま返ってきますが、これは、海外のコインを例外であると判断したのではなく、単に「使用可能なコイン以外はそのまま返す」という、「正式」な処理があるだけです。
このように、ソフトウェアでは、どうしても必要なことを全て厳密に定めます。

同じように、進化した世界では、曖昧な例外なんてものを決して残しません。
ただし、進化した世界では、それでも、ものごとはシンプルになります。
商品は全て返品可能です。例外条件なんてありません。客は本当に必要がなければ返品しませんから。
昔、無条件返品可能なお店のテレビCMで、客があきらかに使い古した商品を返品に訪れ、店はそれをすんなり受け入れるという場面を面白く印象的に演出したものがあったと思います。しかし、進化した星では、こんな光景は考えられないのです。

こんな話を聞いたことがないでしょうか?
「この壁に貼り紙をするべからず」という張り紙をしましたら、その貼り紙自体を貼ってはならないのではないかと言う者がいたというものです。
屁理屈のようですが、一見、理に適っています。
この、「この壁に貼り紙をするべからず」の貼り紙は、はがさなくてはならないのでしょうか?
答えは、その必要はないとなります。これに関して、反論無用です。
論理学において、主体は規則を免れることは証明されており、この張り紙は規則に反しませんので、貼っておけます。
難をいえば、この論理学とやらが非常に難しく、なまじっかなオツムでは理解できないことです。
主体は規則を免れるというのは、論理学上の階型理論で導かれるもので、階型理論は英国の数学者、哲学者、論理学者であった天才バートラント・ラッセルが発見したものです。
分かりやすいたとえ話で言えば、「お父さんの話を黙って聞きなさい」と言っても、お父さんは黙る必要はないですし、「回れ右」を命じた隊長自らは回れ右をしなくて良いようなものです。これなら分かりやすいと思います。ただし、これはあくまで、「分かりやすいたとえ話」であり、正確な階型理論でなく、これらの「たとえ話」からの反論に意味はありません。

進化した世界では、階型理論といった難しいことを考える必要はなくなります。
涼宮ハルヒは、誰とでも仲良くなれます。
涼宮ハルヒは、中学時代、付き合う男をとっかえひっかえしまくりましたが、みんな「アホらしいほどまともなヤツばかりだった」というのがその理由のようです。進化した世界には、「アホらしいほどまともなヤツ」なんておりません。それはそれは素敵な世界です。
これは絶対に確実なことです。


ビジネス未来論―マインド・フロンティア5人の提言
1987年の古い本です。
第1章に、今回、日本航空の会長に就任した稲盛和夫氏の「意識と経営―企業の見えざる部分」という名文が記載されていますが、稲盛氏の人となりを知るには良いものかもしれません。
5人の1人に取り上げられている船井幸雄氏も、この頃は良かった・・・(?)。

涼宮ハルヒの憂鬱
シリーズ650万部とも言われる人気小説の第1巻です。
この時代に、この作品が生まれたのは、「この時間平面上の必然」(本書での朝比奈みくるのセリフ)かもしれません。
このシリーズの全巻で、著者によるあとがきが、また味があります。美少女みくるのことを「羽を付けたら天国に飛んでいってしまいそうな」「ポケットに入れて持って帰りたい」などという言葉のセンスも素晴らしい。
そして、個人的独断ですが、著者は宇宙からのメッセージを受けてこの作品を書いたことは間違いないと思います。

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