« 女子フィギュアスケート | Main | 狂気こそ宝 »

2010.02.27

寓話の叡智

「グリム童話」を読むと、そこに秘められた叡智に圧倒されます。
これは、「グリム童話」に限らず、イソップ、ペロー、あるいは、日本の昔話やケルト神話など、世界各地にある神話、伝説、寓話でも同じことと思います。
これらのお話の価値について分かっているような気でいる人も多いかもしれませんが、本当の意味が分かっている人はほとんどいません。
イソップの「アリとキリギリス」や「うさぎとかめ」は単に勤勉の美徳を説いたものではありませんし、「北風と太陽」はありきたりな合理的方法論を説いたものではありません。
世間で言われる、そういった解釈は捨てた方が良いと思います。

「グリム童話」も、理屈で読むと、あまりに他愛ないお話です。
ところが、子供はなぜか夢中になります。
昔の母親は、子供の表情を見て、そこに単に面白いだけでない偉大で神秘的なものを感じていたものです。

寓話は、無意識(潜在意識)に語りかけます。そういった寓話でなければ、自然に長く伝えられません。
また、アンデルセンの童話は、彼の創作であり、伝承ではありませんが、彼の無意識は神話の知恵を伝えることができました。
童話作家に限らず、荘子やトルストイ、あるいは、タゴールもそうですが、彼らの作品でも、究極のものは、童話のように単純になったり、あるいは、童話そのものになっています。

無意識は、学んだこと、経験したことの全てを蓄積しています。もしかしたら、その奥深いところで宇宙意識とつながっているかもしれません。
無意識を信頼し、意識が志を持って行動すれば恐れるものは何もないでしょう。


初版グリム童話集―ベスト・セレクション
全4巻の「初版グリム童話集」から、代表的な36話を選んで収録してあります。伝承そのままに近い初版のグリム童話は特に素晴らしいものです。

目で見るグリム童話
一枚絵とは、絵入り新聞のような形で描かれた物語です。この本に収められた一枚絵のグリム童話は、まさに庶民のための芸術です。
安価な版画ですが、見事な絵が多く、見る者の想像力を掻き立てて楽しませると共に、その叡智はより深く無意識に届くでしょう。

ペローの昔ばなし
なんと、天才画家ギュスターヴ・ドレの奇跡的な挿絵が多数ある、実に贅沢なペロー童話です。感無量としか言えません。

↓応援していただける方はいずれか(できれば両方)クリックで投票をお願い致します。
人気blogランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ

|

« 女子フィギュアスケート | Main | 狂気こそ宝 »

Comments

天使の心 子供は 生まれたときに 何かを知っている?子供の愛 大人の愛 教育 心は 持ってうまれたのか だんだん心が できるのか?思考能力は みんなそれぞれ どう違うのだろうか。うまく 書けない

Posted by: 村石 太 2800号 愛知県発 | 2010.03.05 12:51 PM

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 寓話の叡智:

« 女子フィギュアスケート | Main | 狂気こそ宝 »