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2010.02.15

天国

すごく嬉しいことがあった時に浮かぶ言葉というものがあるだろうか?
アラン・パーカーの小説「小さな恋のメロディ」では、主人公のダニーの場合、「天国」のようだ。

ぼくは「天国」という言葉が好きだ。どういうわけか、自分でもよくわかんないけれども。心からほんとうにうれしくなると、すぐ、「天国」という言葉が浮かんでくる。
~アラン・パーカー著、桐山洋一訳「小さな恋のメロディ」より~
※「小さな恋のメロディ」の原題は“Melody”。アラン・パーカーが同名の映画(1971年公開)の原作として書いた小説で、彼は映画の脚本も担当している。

そういえば、このブログでもだが、私は、1日1回の食事をよく「天国の食事」と言う。本当に空腹な時の食事は、粗食であってもそう呼ぶだけの値打ちがある。
ラマナ・マハルシは、「心からの願いが叶った時、心は真我の中に溶けている」と言った。これは、心が澄み切っていて静かであることと思うが、悟りの状態にも近いものと思う。それを天国にいるような状態と言っても良いと思う。

ただ、いかに嬉しくても、天国と正反対なこともある。
梶原一騎が原作を書いた漫画の中に「人間の最大の快楽は復讐が達成されることだ」という言葉があった。何かの文学の引用かもしれないが、梶原一騎らしい言葉だ。しかし、快楽と苦痛は実は同じものだ。もしそれが最大の快楽というなら、実現してしまえば、最大の苦痛を味わうことになるはずだ。それを地獄というのだろう。

天国と言うべき想いと快楽との最大の違いは、心が静かであるかどうかだ。
真の喜びの中では心は静まる。偽りの喜びは心を激しく揺さぶる。

心を静かにすることができれば、それがすなわち天国と言って良いと思う。
心が静まった瞬間には、誰でも天国にいるのだ。
人は誰でも、ぐっすりと眠ることを望む。
心のない静かな眠りの中に天国があるからだろう。
ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」の“I Have Confidence”という歌に、
“Strength lies in nights of peaceful slumbers”
という歌詞がある。直訳すれば、「強さは平和な眠りの夜の中にある」とでもなろうか。
(NHKの放送の字幕では、「ぐっすり眠って元気いっぱい」と訳されていたが・・・)

心を静かにすることに留意することには意味がある。
それは、人生を限りなく豊かにする。無限の力とつながることができ、我々はどこまでも強くなれる。
しかし、心を静かにすることは、決して思考や行動を放棄することではない。
そんなことをすれば、心はさらに勢いを増して揺れ動き、その持ち主を苦しめるだろう。
聖書にこう書かれている。
「心を静め、自分が神であると知りなさい」
事実、心が静まっていれば無敵であり、不可能はない。


小さな恋のメロディ
11 歳の主人公ダニーの視点で書かれたこの小説は、著者アラン・パーカーの瑞々しい感性を感じさせる。大人のアイロニー(皮肉。ドイツ語のイロニーが使われることが多い)は陰鬱なものだが、子供目線で書かれたそれは、あっけらかんとしていて楽しく、まるでエピグラム(警句)のようだ。
ダニーの、美少女メロディへの想いに懐かしいものを思い出すかもしれない。

小さな恋のメロディ(DVD)
制作国のイギリスやアメリカより日本でヒットしたと言われる映画。出演者の大半が子供。
現在の日本人にノスタルジすら感じさせるかもしれない。
音楽はビージーズで、名曲揃いだ。「メロディ・フェア」が流れる中、金魚と戯れるメロディ(トレーシー・ハイド)が美しい。

「サウンド・オブ・ミュージック」オリジナル・サウンドトラック
個人的には、映画の「サウンド・オブ・ミュージック」は好きではないが、音楽は文句無く一級品と思う。

サウンド・オブ・ミュージック
マリア自身が書いた、「サウンド・オブ・ミュージック」のオリジナルストーリー。映画とはかなり異なる。

サウンド・オブ・ミュージック アメリカ編
その後のトラップ・ファミリーのお話。
47歳のゲオルク・フォン・トラップ(海軍少佐。日本の映画で大佐と訳されているのは誤訳)と結婚した時、マリアは21歳になったばかりだった。
マリアは1987年に亡くなったが、子供達の多くは今でも健在。

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Comments

ご紹介の2作は
 もちろん 観ておりますが
それらに原作があったとは……。

 この存在世界には
まだまだ 知らないことが無数にあるということですね。

 失礼いたいました。

とはいえ
 前者の映画は 高校時代に (リバイバル上映で) 観たんですけど
瑞々しい感性ということで言えば
 辛うじて 現役の年齢だったが故に
なんだか胸を締めつけられるような
 手が届かぬ憧れ……
  みたいなピュアな感情を覚えたような
 茫漠たる記憶が蘇ってきますね。

個人的には
 ヒネクレモノの
  ジャック・ワイルド (っていいましたっけ?) に
 ものすごく 惹かれましたっけ。

そうそう そうでした……
 トラックB. のご承認
  どうも ありがとうございます。

 次回は かなりマニアックに行かせて戴きます。

Posted by: Minr Kamti | 2010.02.16 at 01:24 AM

★Minr Kamtiさん
マリアは、貧しさゆえ、著書の著作権を売ってしまいましたので、映画の大ヒットの恩恵を全く受けず。
しかも、映画があまりに事実と違うので抗議するも聞き入れられず・・・でした。

「小さな恋のメロディ」は、小説の形になったのは日本だけだそうです。

Posted by: Kay | 2010.02.16 at 09:37 PM

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