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2010.01.20

人間には甘いものが必要だ

甘いものが嫌いという人が本当にいるのかどうかは分からないが、全く甘いものを食べないということは無いと思う。
人間には、糖分というものは必要なようだ。
岡本太郎は、パリ留学から帰国した30歳位の時に徴兵され、二等兵(最下級の兵隊)として、18~19歳の若者の中に入れられて中国大陸に派遣された。その時、上官には散々に虐められたが、若い兵隊達の間では人気があったという。その理由の1つに、軍隊では、時々、大福やヨウカンといった甘いものが支給されるのだが、岡本太郎は「俺は若いやつらほど欲しくないから」と言って、自分の分を分けてやっていたらしい。
物資に乏しかった日本の軍隊でも、甘いものが支給されるということは、やはり人間には甘いものが必要であると感じさせられる。そして、岡本太郎の話からは、甘いものは、特に若い人に必要なものであるということになる。

尚、私は服役したことがあるわけではないが、刑務所でも定期的に甘いものが支給されるらしい。やはり大福とかが多いようだ。
ところで、刑務所というところは、決して食事の支給が少ないわけではない。戸塚ヨットスクールの戸塚宏校長が服役していた時の日記が公開されているが、食事が多過ぎて食べるのが大変だったと書かれている。私は以前、自衛隊に体験入隊した時、自衛隊の食事のカロリーは非常に多いのだが、刑務所はもっと多いと聞いた。その刑務所でも、甘いものを支給するのだ。何かの本で読んだが、刑務所の看守が囚人虐めをする時、最も効果的なのが、この甘いものを取り上げることで、どんな囚人も参ってしまうようだ。つくづく、人間には甘いものが必要だと感じさせられる。

私は、一昨年の8月に、1日1食のベジタリアンになると同時に、一切の間食もやめたのだが、たまに金時豆のような甘いものを少し食べると、全身が振動するような感覚を感じた。それは、後で考えれば、甘いものに対する過度の渇望であったのだと思う。また、やはり後で考えると、頭がぼうっとしたりめまいを感じたりもしたが、それも甘いものを全く摂取しなかった影響かもしれない。
脳というのは、糖分(正確にはブドウ糖)のみをエネルギーに使用し、しかも、かなり大量のエネルギーを必要とするらしい。血液中の糖分が足りないと、身体のたんぱく質を分解して糖分を作ってエネルギーを作るようだ。だから、あまりに糖分を取らないと、必要な筋肉まで無くなり、いわゆるガリガリになる。
「ほとんど食べずに生きる人」(柴田年彦著)を読むと、柴田氏は、やはり糖分の不足が脳に悪いことを配慮し、最初は角砂糖を持ち歩いて食べていたそうだが、砂糖はあまりに吸収が速いという理由から、バナナに替えたとあった。
尚、白砂糖を目の敵にする人がよくいるが、私は白砂糖が悪いものであるとは思わない。単に過剰に摂取すれば悪いということであり、それはどんな食物でも同じと思う。
私は、お正月だけは、ヨウカンを食べて良いこととしたが、1年振りにヨウカンを食べると、驚くほど心が落ち着き、本当にほっとした。それで、やはり少しは甘いものも食べた方が良いのだと思った。
血糖値が低いのは朝らしいが、低い時に甘いものを摂るのはあまり良くないという話もある。しかし、それもやはり量の問題であろう。私は、朝に少し甘いものを摂ることにしたが、やはり体調がよくなった。まあ、せいぜいがココアかヨウカン、あるいは、ピーナッツバターみたいなものである。ケーキやチョコレートといったものは、大好物だが、今のところ、一生食べないつもりだ。と言っていたら、近く、友人のお誕生日を数人で祝うことになったので、その時は良いとする。ビストロを予約し、ケーキをホール(まるごと)で注文した。もちろん、天下御免で食べまくるつもりはない。

しかし、やはり、大人であれば、甘いものはそんなに必要ないはずだ。
食べるのは、決まった時間に決まった量と厳格に決めた方が良い。その訳は、今は甘いものはどこでも豊富に販売されており、非常に美味しそうなものが多いので、自己制約を強く定めないと、つい過剰に食べてしまうに違いないからだ。特に、私のように本質的に甘いものが好きな人は気を付けないといけない。
もちろん、飲み物やキャンディーくらいなら少しなら余分に摂っても構わないと思う。しかし、ところかまわずおやつを食べている人をよく見るが、あらゆる意味でやめた方が良いと思う。


自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか
好評の岡本太郎の痛快な人生論です。
生涯独身だった岡本太郎ですが、パリでは背の低い日本人の彼が、世界中の美女、美少女と次々に同棲しました。しかし、太郎は女性達の名前を憶えないことで有名でした(それだけ数が多かったということか)。
岡本太郎は、決して自分を特別と思ってはおらず、誰でも、心の持ち方で自分のように楽しくアクティブに生きられることを強調します。確かに、読んでいて、悩みが吹き飛び、元気が出るところから、それは本当に違いないと感じます。

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Comments

甘いものって『勢い』があるなって思ったことありますね。
若い人には『勢い』が必要ってことになりますでしょうか。
ただ、『勢い』に頼るのも良くないってことになりますし・・・

より甘い物ほど、即効性があって、刹那的な力を得るけど、刹那的だから、後で一気に下がることも、踏まえた方が良いですかね。

新鮮な野菜が、微妙に甘くて美味しいことから、人間が美味しいと感じる味覚ということでも重要なんですかね。
あと、甘いものって、植物から取れることも重要でしょうか。

ハチミツを舐めるのとかも良いみたいですね・・・
チョコレート中毒に効くと聞いたことあります。

Posted by: Raimu | 2010.01.20 02:04 PM

★Raimuさん
若いものに必要なのは、「もっと頭使え」ってことです。
頭使わないなら、若くても甘いものなんかいりません。

Posted by: Kay | 2010.01.20 09:24 PM

こんにちは

甘いものほしくなりますよね 

自分も昔1日1食or2食やってたんですけど膵臓と胃腸
が弱いらしく体調がすぐれずすぐに甘いものを欲する体になってしまいましたが3食に戻したら治りました。

いろいろ試したんですが、今は1日5食~6食です。
一回の分量はコンビニのおにぎり1個程度で食前食後とも適度に空腹で調子いいです。
今のスタイルになって少食にもかかわらずなぜか腰回りについていた脂肪が綺麗にとれましたw
たぶん一回で消化しきれなかった余分な栄養だったんでしょう、それと昔からいくら食べても細かった手首に適度に肉がつきました(地味に嬉しいw)
全体の総量を気にしつつ血糖値にも気をつけると少食はうまくいくのかなぁと思いました。
ただ1日に食事を何回もするのはめんどうなので
1日2食くらいで調子よくなる身体になりたいです。。。。

Posted by: ポン吉 | 2010.01.21 03:37 PM

★ポン吉さん
甘いものは欲しくなるかもしれませんが、そのことに意識を向けないことが肝心です。
食事を少量に分散して食べるのが胃腸に良いという考え方も確かにあり、バリー・ボンズなどは実践しているようですね。
少食にすれば胃腸および内臓は健康になると思うのですけどね。

Posted by: Kay | 2010.01.22 06:40 AM

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