ランドセルは必要か?
私は、テレビはあまり見ないのですが、ランドセルのCMを何度も見ました。そして、不本意ながら、不快感や怒りを感じてしまいます。
私は、割に最近まで、ランドセルの値段を知りませんでした。
甥っ子、姪っ子が小学校に入学する時になってやっと分ったのですが、高価であることに驚きました。
安いもので3万円前後、テレビで宣伝するものなら5万円前後。それ以上のものも珍しくはありません。
小学校に入る子供に、そんな高価なものが必要なはずがないと思います。そもそもが、ランドセル自体が良いものとは思えません。
しかし、恐ろしいもので、甥っ子や姪っ子に、積極的に、そして、なるべく良いものを買ってやろうという気が起こります。
少なくとも、誰しも、顔馴染みである自分の親戚の子供、ましてや、自分の子供に、他の子より劣るものを持たせたくないとは思ってしまうものかもしれません。これは美しい心情でしょうか?あるいはエゴでしょうか?
ところで、ランドセルとは何でしょうか?
Wikipedia等を見ると、兵士用の背負いカバンが基になっているようで、それをオランダ語でランセルと言うのがなまったとあります。
ランセルにも色々な種類がありますが、まさにランドセルと似たものも確かにあります。
明治時代に、当時は官立学校(国が設置した学校)であった学習院で、子供達の体力作りのために歩いて通学させる目的で、背負い式のカバンが使われるようになったようです。
そして、伊藤博文が後の大正天皇の小学校入学の際に献上したことから全国的に普及が始まったとあります。
背負い式カバン自体は、教科書等を入れて運ぶにはバランスの点で良いのかもしれませんが、背負い式カバンが通学用に使われるドイツやイギリスでも、日本のランドセルのように高価で高級なものは使わず、子供用リュックサックのような簡素な素材で出来ているようです。
また、多くの国では、日本の小学校のように重いものを持って通学することはなく、アメリカなどはほとんど手ぶらで通学します。よって、手さげバッグで通学する場合が多く、それぞれが思い思いのカバンで通学する国も少なくなりません。荷物の多くない国では、通学カバンとして背負い式のものは人気がないようです。それはそうだと思います。背もたれのある椅子では外さないと座り難いですし、そもそも着脱が不便です。また、電車の中など、人ごみでは回りの迷惑になります。子供でなくても、電車の中でリュックを背負い、周りに迷惑をかけているのに平気な人が沢山いますが、これも子供の頃にランドセルを押し付けられた影響かなと思ったりします。
学校によっては、ゆとりのない家庭に配慮し、全員同じランドセルを一括購入するところもあります。
本来は、全員が同じものを使うのは、個性を育てないという意味でよろしくないのですが、こうまで高価であると、私も賛成するしかありません。しかし、それ以前に、なぜランドセルなのか?また、なぜ子供に重い荷物を持たせて通学させるのかを考えた方が良いと思います。
ドイツやイギリスのように、簡素な素材で機能的なものを誰かが作って流行らせればと思います。
いえ、ひょっとしたら、学校がランドセル使用を義務付けているような気もします。そして、大人も子供も、それに何の疑いももたず、当たり前のこととしている。学校を利用した、国家による強力な思想統制(洗脳)の手段となっていることは確かです。
では、自由に考え、賢くなる一歩として、ランドセルの存在を疑い、これを無くす方向に持っていくべく考え、話し、行動することが大事であると断言します。
ぼくたちの洗脳社会 最近では、ダイエットで有名になってしまった岡田斗司夫さんのかつての名著。 「新世紀エヴァンゲリオン」で有名なガイナックスの元社長で、元東大非常勤講師でもある岡田斗司夫さんは、社会が洗脳者と被洗脳者の関係で成り立っていることを昔から訴えていました。 世界の隠れた実態を知る本として優れており、お薦めいたします。 岡田さんのダイエットの本の副題に「いつまでもデブと思うなよ」と書かれていますが、この本には「いつまでも支配者に騙されるなよ」と付けたいものです。 | |
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Comments
Hello Kayさん。Time girl@Londonです。
コメントは初めてですが、少食の話題の頃から読ませて頂いてます。ミーハーと思われるかもしれませんが、Kayさんの影響で、私も自分なりに食事の量も減らしております。小食とまではいかないかもしれませんが…笑
ところで今回のランドセルの話題で思い出したのですが、絵本作家の五味太郎さんが以前に7or8000円で色んな色のバリエーションのあるビニール製の(確か…)ランドセルを企画、販売されたそうですが、失敗に終わったそうです。
何でも購買層は当人&その親の方ではなく、おじいちゃんおばあちゃんに当たる方が入学お祝いとして高価な本革の正統派(!)のモノを買っていくので、五味さんのは需要に合っていなかった…的なことを、著書の『大人問題』でおっしゃっていました。もしかしたら『続•大人問題』かもしれません…笑
私も、昔から新しモノ好きだったので、もし選択の機会があったなら五味さんのモノを選んでいたかもしれません。
ランドセルは小学校を卒業したらまず出番は来ないですから、そう考えるともったいないですね。
Posted by: Time Girl | 2009.12.14 08:47 AM
通りすがりに失礼致します。
ランドセルに疑問を抱かれるのもごもっともです。
ですが、ランドセルも悪い面ばかりではありません。
6年間継続して使い続ける道具というものは、なかなかないものです。
ランドセルは(もちろん故障などはあるとは思いますが)6年間使い続けられるよう、丈夫な素材と丁寧な縫製で作られています。
6年間ひとつのものを使い続けることで、物を大切にする事を学んで欲しい、という願いがこめられていることを私は聞いたことがあります。
現在では1万円を切るランドセルもございますし、過去モデルなどは比較的安く販売されているようです。
使い終わったランドセルも、貧しい国へ送っていると最近のニュースで聞きました。
布製のリュックサックなどであると、教科書の角がまがったりしてしまうという弊害もあり、必然的にランドセルが必要になるのではないでしょうか。
私程度がおこがましいことを申し上げているとは思いますが、デメリットの反面そういったメリットもあることを知っていただければ、幸いです。
Posted by: hana | 2009.12.14 04:44 PM
はじめまして、いつも興味深くブログを読ませていただいています。
さて、私のところではランリュック(ランドセルとリュックサックを合わせた造語)というシロモノを使っておりました。
化学繊維製で丈夫で6年間の使用にも耐えられて値段も安いしゴテゴテしてないので使いやすかったです。
でもコレって一部の地域しか使ってないのを知ったのは大人になってからでした。やっぱり金にならないものは普及しづらいのでしょうかね…。
p.s.ちょっと調べてみたら正しくはランリックというらしく
http://ranrick.com/index.php?ランリック誕生秘話
という経緯があるみたいですね。
Posted by: huberman | 2009.12.14 07:32 PM
★Time Girlさん
はじめまして。
食の慎みなら、ミーハーでも何でも良いと思います(ミーハーとは思いませんが)。
少食でなくて良いと思っています。少し慎めれば良いのだと思っています。
おじいさん、おばあさんか・・・なるほどという感じです。
難しい問題ですね。おじいさん、おばあさんの気持ちも分かるような気がしますが、全面的に認める気にもなれずです。
早い話が、高級ランドセルなんてものが無くなれば良いのだと思います。
私は、小学4年生からランドセルはやめました。
★hanaさん
参考になりました。ありがとうございます。
私としては、総合的に考えて、やはりランドセルは不要と思っていますが、色々な考え方があって良いと思います。
私のビジネスバッグは布製ですが、本や書類の角は曲がりません。そして安価です。リュックサックに少し工夫をしたものを作れば良いかなと思います。
★hubermanさん
ランリックのサイト、見させていただきました。
素晴らしい! 気分が明るくなりました。
実際に見てはいませんが、ドイツのランツェンやイギリスのサッシェルという通学カバンも、こんな雰囲気かなとか思いました。
なにごとも、すでに普及してしまい、長い年月が経っているものを変えるのは容易なことではありませんが、マルヤスさんにはがんばって欲しいですね。それには、1社でやってては駄目ですね。同志を集めないとね。
私も協力する日が来るかもしれません。
素晴らしい情報をありがとうございました。
Posted by: Kay | 2009.12.14 09:47 PM
ランドセルが何故ここまで普及し高価である物なのにも関わらず販売が促進されているか…
それは、ランドセル=革製品 だからです
勘の良い方はお気づきになりますよね?
それ故にランリックは全国的に普及しないのだと思います。
Posted by: ちゃちゃ | 2010.01.02 09:00 PM