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2009.12.02

私が魔法の杖を使わない理由

実際に魔法の杖を与えられると、予想できなかったことでもないが、どう使うか、なかなか決められないでいる。
ただ、別に何もしなくても、これを持つ最大のメリットは安心だと感じる。
そして、安心を得れば、特に何かを得たり、何かをする必要もないのではないかと思われてくるのだ。
それなら、安心してさえいれば、つまり、不安がなければ、特に魔法の杖なんていらないのかもしれない。
それに、ひょっとしたら、魔法の杖なんて、不安を克服した者にのみ与えられるもののような気もする。
なかなかうまくできているじゃないか。

昔、正直者の漁師がいた。
正直者というのは、心に不安がないものだ。
それで、天狗がその漁師に術の棒を与えた。私の言う魔法の杖のようなものだ。
その棒の力は、H.G.ウェルズの小説の「奇跡を起こせる男」の能力と同じようなものだ。つまり、思ったことは何でも実現できる。
ただ、魔法や術をいきなり与えられると、使い方の加減が分らなくて、最初はその漁師も馬鹿なことをやってしまう。
しかし、だんだんとコツを掴み、術の力で魚を出すので猟に行かなくてもよくなった。欲張って、あまり多くの魚や高価な魚を出して余分な金を得ることはない。元々が欲のない漁師だし、術の棒があるなら、大金など必要もない。
しかし、人の良い漁師は、仲間の漁師のために魚を出すようになったからいけない。みんな仕事をしなくなってしまう。
そのことを天狗に指摘されて、漁師は目覚めた。
結局、漁師は天狗の仲間入りをして、漁村を去ったのだった。

私は、この話を知っていたので、他人のためと思っても、奇跡の力を使う際は思慮が必要と分るので、やはりうかつに使えない。
魔法の杖が欲しいって?
それにはまず、「幸せの青い鳥」の話でも思い出した方が良い。
人のDNAの中には、元々、魔法の力が封じられている。魔法技術や成功法則のようなものは、そのスイッチをオンにするためのもので、昔から、それに成功した者が、動機は様々であろうが、自分の方法を教えてきた。しかし、これほど個人的信念の影響を受けやすいものはなく、ほとんどの者は教えられてもうまくいかない。昔なら、衣装や装飾品や、部屋の雰囲気や音楽などに凝り、気分を高めて儀式としてそれを行うことで成果を上げたものだし、幻覚剤の使い方に通じたシャーマンの助けが大きな力になることもあった。これらは当然、リスクが伴うが、うまくいけば確かに効果は大きいに違いない。
しかし、日本人であれば、神道の祝詞である大祓詞を唱えれば、個人的信念を透明にし、本物の信念に目覚めることで神的な力のスイッチを入れることができる。まあ、外国でも、民族に伝わる同じようなものがあるのかもしれないが、日本のように神の言葉がこれほど純粋に残っている例は稀有だと思う。
いろんな人がいると思うが、大祓詞を唱え続けているうちに道を示され、それで力に目覚める場合が多いのではないかと私は思う。


ローム太霊講話集―心霊秘話
上記の、術の力を授けられた漁師の話は、この本から引用した。このような話を含め、術に至る方法、仙人になる方法、妖精と近付き援助を受ける方法等、多くの秘法が百の講話で語られた貴重な書だ。
入手の際には心して求め、謙虚に学ぶべきと思う。

タイム・マシン (創元SF文庫―ウェルズSF傑作集)
「塀についたドア」「奇跡をおこせる男」「ダイヤモンド製造家」「イーピヨルニスの島」「水晶の卵」「タイム・マシン」といった名作が収めらている。
「堀についたドア」は、上記の「ローム太霊講話集」に度々取り上げられる次元界のことを描いているように私には思わた。ウェルズ自身がその世界を覗いたことがあるのではないかと思えるほどである。「奇跡をおこせる男」は本分で取り上げた。その他の話も、面白いといえば実に面白いが、それだけでなく、文脈の中に、人間存在に纏わる実に奥深い洞察が秘められている。コリン・ウィルソンが「賢者の石」という小説の中で、主人公に、ウェルズが最も偉大な作家であると言わせたことも頷けるように思う。現代の世界的な作家にも、ウェルズこそ最高と絶賛する者は少なくないと思う。また、ウェルズは科学者で通用するほどの学識があり、実際に、科学書籍も執筆している。

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