芸術は究極のエネルギー獲得手段だ
芸術の目的は、超一流芸術家により、爆発(岡本太郎)、エクスタシ(W.B.イェイツ)、鼓舞(三島由紀夫)、大洋感情(ロマン・ロラン)と言われた。
つまり、エネルギーを供給するものなのだ。
岡本太郎は、爆発とは、暴力的なものではなく、宇宙に向かって生命が開くことと言った。
分かり難いが、祭りの高揚状態を、岡本太郎はそれと同じように表現したことがあり、まさに、祭りはエネルギーの供給のために行われると言った。
精神分析学者の岸田秀さんは、祭りは心の中にエスが大量に流れ込むというが、エスは単純に言うなら無意識であり生命エネルギーだ。よって、祭りでエネルギーが得られるのは事実で、岡本太郎の主張と同じことと思う。
ロマン・ロランの大洋感情は、世界と一体となる没我状態であるが、没我と忘我が同じであり、忘我は英語でエクスタシだ。世界と一体となったような忘我状態で、人はエネルギーを得る。
おそらく三島由紀夫はエネルギーが枯渇しやすく、心を鼓舞してエネルギーを供給する必要が強かったのだろう。彼は芸術を必要としたのだ。
エネルギーが足りないと感じている人は、芸術からエネルギーを得る方法を知ると良い。
コリン・ウィルソンは、肉体労働者だったが、仕事が好きではなく、家に帰る時はすっかり憂鬱になり肉体的にはもちろんだが、精神的にもくたびれ果てていた。
だが、家で、ウイスキーを飲み、レコード(50年以上前なのでCDはおろかカセットもなかった)でクラシックを聴き、文豪の詩や小説を読んでいるうちに、気分は高揚し、楽しくなった。つまり、芸術が彼にエネルギーを供給したのだ。
日々の生活で落ち込み、傷付き、生きがいをなくしている人はエネルギーが足りないのだ。
まさに、アントニオ猪木の言った「元気があれば何でもできる」は真理の一面だ。
エネルギーは正しく導かないと、悲惨な結果ともなりかねないのも確かだ。
だが、まずはエネルギーを得なければ何もできない。
名曲を聴き、文学を読み、絵画を鑑賞しよう。
また、酒は、左脳の計算や理屈を抑え、芸術を受け入れやすくする。ごく若い世代にはそれは不要であるから、まさに、「アルコールは二十歳から」は正しい。
今日の芸術 岡本太郎による芸術の入門書だが、一流の芸術家達も愛読した。 あの岡本太郎がというのも変だが、一般の人のため、ピカソも含め、芸術を分かりやすく解説してくれる貴重な本だ。絶版であったのを、横尾忠則氏が出版社に復刻を要請し、出版が実現した。 | |
歓喜 岡本太郎の作品と、文章・語録が見事にマッチした本だ。この1冊で、岡本太郎をかなり知ることができると思う。 | |
美の呪力 個人的には、岡本太郎による究極の芸術論だと思う。 |
« 窓際族に人材がいる | Main | 評論家こそ偉大 »
The comments to this entry are closed.
Comments
最近、『アーティスト』と聞くと、
一般人が最初に思い浮かぶのは、
J-POPなんかで、歌を作る人ですかね・・・・
はまった歌があると、それの虜になってしまいます。
それから、YouTubeなんかで視聴が出来て、どんどん広がることもあります。
この辺の世界は、ピンキリなんで、
なんともいえませんが、
全体として最近は、電子音やドラムを使った
ハイテンポなものが多いですかね・・・
これの欠点は、『テンション』なるものは上がりますが、
聴き過ぎるちょっと疲れます。
『音楽理論』なるもので作られたりもしてます。
要するに、頼り過ぎるとマンネリになるものですね。
詩とか絵とかは、そういうのが無いから良いなぁと思ってます。
『テンションアップ』は、腹が疲れるんですが、
腹から力が出るものが良いです。
ただ、どれが良いのかを探すのが
また難しい時代になっていってる気がします。
この辺りはネットがある程度解決してくれる分野ではあると思いますが、
時代と共に数が増えて、蓄積されていくものでもあるので…
Posted by: Raimu | 2009.11.24 10:39 PM
★Raimuさん
私は、ポップミュージックでも、あるいは、アニソンなんかでも、素晴らしい詩に出逢って驚くことがよくあります。そんな時、アーチストとは凄いものだなあと感動します。
Posted by: Kay | 2009.11.25 09:39 PM