新車の匂い
昨日、注文していた新車が届いた。
私は、車の乗り換えはいつも新車なのだが、メーカー、車種に関係なく、室内に共通の匂いがする。
私は「匂い」と書いたが、これは「良いにおい」という意味の漢字だ。
つまり、私は、新車の室内の匂いは好きである。
しかし、これを「臭い」、即ち、悪いにおいと感じる人も多いらしく、中には、気分が悪くなったり頭痛がしたりと大変な人もいるようだ。
世界一の車のセールスマンとしてギネス認定されている、ジョー・ジラードの本を私は熱心に読んだものだが、ジラードは、見込み客に新車の匂いを嗅がせろと言ったくらいで、やはり良い「匂い」としているのだろう。でないと車を売れないだろうし、自動車メーカーだって、「臭い」と感じる人達が多数であれば、何か対策をするはずだ。
さて、新車の匂いの正体はVOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)のようだが、これは内装に使われる接着剤の成分だ。そういえば、確かに接着剤の匂いのようだ。
元はポップ歌手でアイドルだったが、演歌歌手になった長山洋子さんは、ディーゼル車の排気ガスの匂いが大好きだと言っていたことがあったと思うが、こんな人は珍しいに違いない。シンナーやベンゼンのにおいにしても、好きな人と嫌いな人がいるだろう。
また、薬品ばかりでなく、様々なにおいに関して、人の好みは様々である。
そして、においというものは、人にとって、とても重要なものだ。五感の中でも、においは特に記憶に強く残る。だから、何かの香りを嗅いだ時に、それが幼い頃の記憶に結びつくと強い郷愁にかられたりする。
それで言えば、私にとって新車のにおいというのは、初めて新車を手に入れた時の楽しく嬉しい気分を甦らせるから好きということもあるだろう。
以前も書いたが、私は楽しい時代にかいだ、ジンという酒の杜松(ねず)の実(ジェニバーベリー)のにおいが大好きであり、今でもジンのにおいをかぐと、嬉しい気持ちが甦る。
だが、最近はよく、電車の中で食べ物のにおいを撒き散らす者が増えてきた。ポテトチップスのようなスナック菓子でも、回りにどれだけ強烈なにおいを発散させているか気付いていないのかもしれない。香辛料のついた肉や卵なら、さらにそうである。
それだけでなく、最近は息の臭い人が多い。一般の人の嗅覚もかなり麻痺しているようにも思う。仕事でも、近い距離でのミーティングは私はかなりつらい。
肉や化学調味料が胃液で腐敗した臭いと思う。臭い息といえばニンニクを連想する人が多いかもしれないが、最近はことに悪臭の元になる食べ物が多いのではあるまいか?
これらに比べれば、新車の匂いはやはりとても良いと思える。
尚、今回私が買った車は、前に乗っていたものと比べ、コンパクトで排気量の小さい車だ。
環境のことを考えたということもあるが、私にはこれ以上は全く必要がない。私は滅多に車に乗らないし、駐車場等でも回りの迷惑になりにくいことが嬉しい。
それでいて、最近の車は、少し前なら超高級車でも付いていないような装備が満載である。
車幅も5ナンバーの規格限度まで広げて作られており、ちょっと昔の高級車と全く同じで、何の不満もない。むしろ、コンパクトカーだからといって、狭い道でさほど有利でないということだ。
現在は、軽自動車でさえ、エンジンは4バルブツインカム形式で、電子燃料噴射装置が常識だ。確かによく走るが、低速から高速まで(本質的には低回転から高回転まで)スムーズ過ぎ、運転好きには面白味に欠けるかもしれない。エンジンの回転速度を示すタコメーターが何のために付いているのか分からない人も多いような気がする。タコが「蛸」を連想させるので、私は英国式にレブカウンターと呼んでいたが、あまり通用しなかった。
ナンバーは斎藤一人さんのラッキーナンバーを取得できた。一般には縁起が悪いので、陸運局も申請されない限り、このナンバーは外して支給するらしい。
私に売れないモノはない! ギネス認定される世界最高の自動車セールスマン、ジョー・ジラードの貴重な教え。 ジラードは、かなり昔に活躍した人だが、セールスの原則は今でも決して変わらない。 彼は、30歳までは最低の人間であった。 本書は、セールスマンに限らず、非情に参考になるし、その温かい人柄に惹かれると思う。 |
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