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2009.09.08

地平線の彼方

アニメ映画「天空の城ラピュタ」の主題歌「君をのせて」は、宮崎駿監督自らの手による美しい詩と、久石譲さん作曲の名曲で、井上あずみさんの超美声も実に印象深い
この歌の最初の部分の詩は、

あの地平線 輝くのは
どこかに君をかくしているから
たくさんの灯がなつかしいのは
あのどれかひとつに 君がいるから

であるが、映画を見た人なら、この「君」は、どうしてもシータ個人をイメージしてしまうかもしれない。いずれにしても、その人のために地平線全体が輝き、たくさんの灯を懐かしく思うのであるから、非常にかけがえのない存在であることが強く伝わってくる。

しかし、私には、「君」とは、思い出の中の人のように、自分との関係性が希薄な存在であるかもしれないと思う。
愛してはいたが諦めてしまったとか、結ばれようとしていたのに別れたとか、あるいは、好意は持っていたが口を利くこともなかったといった相手である。
オーソン・ウェルズ監督、脚本、主演の名作映画「市民ケーン」の中で、ある老人が、「人はつまらぬことを憶えているものだ。私は、若い時に一瞬見ただけの、白いパラソルを持った少女のことがなぜか忘れられない。向こうは、私を見ることもなかったのに」と言う。
この老人の心情を感じるような詩でもあると思う。

だが、地平線を眺める私とは誰なのであろう?
街の灯を懐かしく想う私とは誰なのであろう?
それは、「君」への執着によって違ってくる。
「君」への未練が強いなら、それは狭い自我である。その場合、輝く地平線を見ても、沢山の灯を見ても、きっと苦しいはずだ。
しかし、「君」を解放しているなら、私はきっと風のようなものだ。
心を解放し、世界を諦めたなら、我々は高い処に吹く風のごとしである。
「千の風になって」という名曲があるが、千の風になるとは、そのようなことと思う。千の風になった者は、世界も自分も手放し、千の風という永遠の存在となったのである。







「君をのせて」のシングルCD。




石井竜也さんのシングルCD「君をつれて」。

「君をのせて」の曲に、石井さんがオリジナルの詩を付けた。「天空の城ラピュタ」から16年後の、主人公パズーの想いを描いたものとされる。

また、石井さんによる「君をのせて」も収録されている。編曲がオリジナルとやや異なる。




「天空の城ラピュタ」のDVD。
宮崎駿監督の大ヒット作品がこの後も数多く制作されながらも、この作品が一番好きだと言う人は多い。

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Comments

世界を消すのブログに新しくコメントした事と似てますが、できそうで出来ないのが、『こだわり』と『執着』を消し去る事。
今、万能の鍵を読み始めてます。

文字を目で追うだけでは腑に落ちることは出来ません。
私の探してる答えやヒントを懸命に読んでいます。読み手のバックグラウンド全てに対応出来ると思います。

Posted by: カナリア | 2009.09.08 12:17 PM

★カナリアさん
こだわりと執着を消すなんて、一生かかってもできるかどうかです。
まあ、30年計画くらいでいけばどうですか?

Posted by: Kay | 2009.09.08 09:54 PM

>あの地平線 輝くのは
>どこかに君をかくしているから

これを読んで、最初にイメージしたのは
なぜか『星の王子様』でした。

「砂漠が美しいのは、 どこかに井戸をかくしているから」

はあまりにも有名ですが、たしか(読んだのがだいぶ前で
間違っていたらすみません)この話のラストあたりで
『星が輝いているのは、キミの大切な人が、そこで笑っているから』
その笑みが、星の輝きになる、みたいなことを、王子様がいっていた
ようにおもいます。

ここでの王子様の大切な人は、王子様が見捨てて逃げ出した
冒頭に出てくるツンデレのバラのことらしいですが、もっと
広義解釈するならば、星というものには、さまざまな大切な人のイメージを
重ねることができるように思います。
そして、その大切な人が『今、笑っている』とことこそが
大切なのだ、と。

そういえば何かのお話のヒロインが、星は人々の祈りが
天にのぼって集まったもの。
って言っていたような。
(祈りは欲望の一種なのか、あるいは、そんな次元を超越した
 もっと純粋な何かなのか、今の私には難しいところですが・・・)

地平を見つめる私、ってなんなのでしょう。量子論的には
「観測者なくして対象の存在はありえない。」
ならば

地平=私 ?

なんて思うのは、ちょっと修行が足りませんね。


とか、もっともらしいことを書きつつ、星の王子さまより
星の王女さまのほうが好きな私でした(^^;

アステルよ!

Posted by: じゅん | 2009.09.10 10:56 PM

★じゅんさん
いらっしゃいませ!
いやあ、このような辺ぴな処までわざわざお越しいただき光栄です。

星の王子様に出てくるバラ・・・あれがツンデレのルーツですね。
私は、星の王子様をすっかり忘れていました。
大事なものがあったのは間違いありません。
著作権が切れて、いろんな人の訳が出てくる中での商戦に嫌気が差したイメージもあります。

宮崎駿監督も、星の王子様のイメージを持っていたのかもしれません。
あのバラがどこかの星にいるという。

地平線を見つめる私は・・・何でしょう?(笑)
やはり、千の風でありたい。。。

星の皇女様・・・
アステルのともにあらんことを!

Posted by: Kay | 2009.09.11 06:38 AM

>著作権が切れて、いろんな人の訳が出てくる中での商戦に嫌気が差したイメージもあります。

まったく同感です。
加えて、あまりに有名になりすぎて、星の王子さまを引用するのは
なんていうか・・・「あざとい」印象があり、私自身あまり
誰かとの会話や、いろいろなやりとりの中で
この話を引き合いに出すことはありませんでした。
なんといいますか、あまりにタイトルが先行し過ぎて、星の
王子さまを評価する人たちは、本当にサン=テグジュペリの
真意を理解しているのか!って思ってしまいますし、実際のところ
内容なんてお構いなしに、売れればなんでもアリなのか、と。

そういう私も、星の王子さまに込められたメッセージ
一割も理解していないのだろう、とは思います。

ただ、不思議と、このKayさんのブログでは星の王子さまを
出してこられたのは・・・ほんとうに不思議なのですが、
あるいはKayさんなら、私の意図のいくらかは汲み取って
くださるかな、という、すごく他力本願な何かがあったのかも
しれません。

前置き終わり。

思うに、宮崎さんは、サン=テグジュペリのファンだったのかも
しれませんね。
どっちかというと、私は・・・理解しやすいようで理解しにくい
『星の王子さま』より、彼の飛行士としての経験に基づいた話のほうが
サクサク入っていけるのですが、その一つの著書『人間の土地』に
こんな個所があります。

飛行士としてのサン=テグジュペリが、彼の飛行経験を語る個所ですが

>ぼくはもう、この吹き降りの雨を嘆きはしない。
>職の不思議な力が、ぼくのために、一個の別世界を開いてくれる。--中略--
>その世界の中で、ぼくは、やがて二時間もたたないうちに、直面しているはずだった
>黒い龍と青い稲妻の髪の毛を王冠のようにいただいた高い峰々と。
>その世界の中で--後略--

そのあと、風雨から解放されて、星々の間を飛行するシーンに
繋がるのですが、これって・・・つまり
ラピュタへ辿るパズーが、龍の巣にぶつかり、それを抜け出して
いよいよ天空の城を見出す、そのシーンそのもの、だと
そう思うのです。

引用ばかりで失礼しましたが、なんとなく、お話しておきたかったので。
不適切なコメントなら、削除お願いします。

Posted by: じゅん | 2009.09.20 06:01 PM

★じゅんさん
テグジュペリといい、リチャード・バックといい、空を飛ぶことは人に、文字通り高い意識を与えるのかもしれません。
宇宙飛行したいなあ・・・。そのうち。500万円で出来るようになるという話もありますが。

「星の王子様」は、正直言いまして、子供の時以来読んでいないのですが、今読んで、理屈で理解しようとすることもちょっと恐いですね。
「星の王子様」自体は、決して子供向けではないと思っていますが、さりとて、大人のものでもなく、やはり「かつて子供だった大人のため」のものなんでしょうね。

そうだ!
小さな可愛い家の絵を描こう。
その中に、ほたるちゃんがいるんだ。
きっと、その家に、大きな愛と安らぎを感じることでしょう。
消して、劣情ではなく。いや、本当です!

Posted by: Kay | 2009.09.20 08:21 PM

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