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2009.09.18

唯一の願い

幸せでいるコツなんてのは、欲望を持たないことだろう。
例えば、ミュージシャンでいたければ、街角でハーモニカを吹いてさえいれば満足できるようでないと、お金を沢山稼いでも、いや、稼げば稼ぐほど不幸になる。

本物の神秘家なんてのは、神様のささやきを聞き逃さないよう、いつも静かでさえいれば、それで満足なものだ。
心というのは、本当に満足してしまえば、静まってしまうものだ。
「あるヨギの自叙伝」で、著者のパラマハンサ・ヨガナンダの師の師であるラヒリ・マハサヤは、豪壮な家に住みたいという最後の願望だけになっていたので、彼の師のババジは幻の中で宮殿のような家を与え、マハサヤは解脱したという。
最後の望み。そこには、宿命的な何かがあるのかもしれない。
これさえ叶えば死んでもいいというほどの夢。譲れない願い。
ネロがルーベンスの絵を見て、満足して死んだように。
マッチ売りの少女が、お婆さんに逢えて、思い残すことが無かったように。
ネロもマッチ売りの少女も、その死に顔は微笑んでいた。
アンデンルセンは「少女が最後に見た美しいもののことは誰も知らないんだ」と、なぜか、少女の幻に過ぎないはずのものの価値を主張した。
私は、この二人は神と一体になったのだと思う。

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Comments

はじめまして。
食を節すれば他の欲も自然と節する方に向くような気がします。
今、標高1200の森の中に住んで、テレビもないので誘惑もないせいかもしれませんが・・
自然の中で大型犬と暮していますが、子供もいますし、仕事もしてます。
いろいろ面倒なこともありますが・・学校の役員とかね・・流れに身を任せてると、上手く事は進んでいくものですね。目の前にある、起こることを考えず、悩まず受け止める。そうすると、楽に生きて行けるように思います。
kayさんの本の紹介とても楽しみです。これからも、よろしくお願いしますね。

Posted by: セント | 2009.09.18 09:58 AM

★セントさん
素晴らしいコメントをありがとうございます。
厳しい自然の中で、まさに中国の道教でいう、タオ(道)と共に生きておられる様子で、思わず感服いたしました。
食を慎むと、確かに、物や色欲は克服できるのですが、騒がしく、ドロドロした都会にいるせいか、人間関係のわずらいは、まだまだ大きいです。しかし、なんとかなりそうです。
私は、自然の中で暮らす宿命にはないかもしれないなあ。

Posted by: Kay | 2009.09.18 09:53 PM

私自身は、ネロにも、マッチ売りの少女にも、もっと
幸せになってほしかった…というのが本音でした。
どうして、あんなに善良に生きた人間が、あんな最期を
迎えなければならないのか。
もし私が神様なら、二人をあんな目にはあわせない。
ずっと、そう思っていました。
それこそ、もしあれが神の導きなら、いつか私自身が天国に
乗り込んで、神を一発ぶん殴ってやりたい、くらいに。

たしかに、文学的には美しいかもしれない。
しかし、あんな結末を描いたアンデルセンは
人間として最悪だ、くらいに思っていたのも事実でした。

日本で言えば、宮沢賢治でしょうか。
「賢治の小説は美しく 優しい」
そんな評論はよく耳にします。
しかし…たとえば「銀河鉄道の夜」を読んで、カンパネルラの最期を読んで
どうして「賢治の小説は優しい」なんて言えるのか
理解に苦しんだものです。たしかカンパネルラは、いじめっ子を
助けて、身代わりに死んじゃうんでしたよね。

でも

>私は、この二人は神と一体になったのだと思う。

この言葉で、疑問の半分はとけたように思います。

まあ・・・頭で理解しているうちは、まだまだですけど(^^;

Posted by: じゅん | 2009.09.20 05:32 PM

★じゅんさん
マッチ売りの少女とネロの死は、私は現実性を感じることを拒否しているところがあります。
「スターウォーズ」で、オビ・ワン・ケノービが、ダース・ベーダーのとどめの一太刀を受けた後、姿が消えたようにです。
オビ・ワンは「私は永遠になる」と言いました。
で、私もまた、死んでみようと思うのですよ。まあ、ある意味ですが。それで、ずっと死に興味があるのです。
死んでみることで、真理を見ようとか思っているわけだたりで・・・

Posted by: Kay | 2009.09.20 08:21 PM

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