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2009.09.20

クーエの最も易しい潜在意識の活用法

最近、このブログでよく話題にするジョセフ・マーフィーの成功法則は、簡単に言えば、潜在意識に願望を送り込めば、それが強制的に実現されるというものである。
潜在意識とは、自覚している普通の意識である顕在意識と異なり、自覚はできないが、その大きさや秘めた力は顕在意識とは比較にならないほど大きい。
マーフィーの成功法則での潜在意識は、フロイト精神分析学での「心の中の意識でない領域」を指すが、これを意味する“subconscious”は、「無意識」と訳されるのが一般的と思う。
潜在意識(無意識)の構造に関しては、フロイトが基礎的な理論を構築したが、これは、まだまだ未知の部分が大きいと言うべきだろうし、正確な理論付けは今後もおそらく難しいと思う。しかし、フロイト以降の精神分析学や心理学においても、フロイト理論は重要視されており、自己実現理論で有名なアメリカの心理学者アブラハム・マズローも、「自分の研究は、フロイトの深い部分を探求したもの」と、著書「完全なる人間」に書いている。

ほとんどの人にとって、潜在意識については、実用的な使い方が分れば良く、理論はあまり興味がないとは思うが、そもそも、その理論を本当に知っている者などいないというのが本当のところだ。
ジョセフ・マーフィーは、18世紀の神学思想家のフィニアス・クインビーが行った無意識(潜在意識)へ呼びかける方法で、悪性の腫瘍を治したことから、潜在意識の力の研究に向かったといわれている。

ところで、潜在意識について、その活用方法を、最も分りやすく確立し、実績も上げたのは、間違いなく、フランスのエミール・クーエだと私は思うし、多くの精神医学者や、精神的指導者達もそう考えているはずだ。
クーエは医者ではなく、薬剤師であったが、薬の効き目というものが、明らかに患者の精神状態の影響を強く受けることに気付き、心理学の研究をし、やがて、偉大な暗示療法を完成した。
クーエはクリニックを開き、数多くの難病患者を奇跡のように回復させた。医者に見離されてクーエのところに来た患者達が短期間に完治することも多かった。そして、クーエはこれらの献身的な治療の報酬を一切受け取らなかった。

さらにクーエの偉大な点は、彼の方法(クーエ・メソッド)を分りやすい形に完成し、そして、あっさりと公開したことだ。それは、あまりに簡単なので、誰でもすぐに使えるし、クーエ自身もそれを保証している。
本当に、あまりに簡単なのだ。
その方法は、後で紹介する彼の著作で誰でもすぐに学べ、実践できる。

ジョセフ・マーフィーも、おそらくはクーエ・メソッドを知っており、それを彼の成功法則に取り入れていると思う。それは、マーフィーの本を読めば明らかと思うし、もちろん、マーフィーも隠しているわけではないと思う。
ただ、1つだけ、クーエとマーフィーで異なることがある。
それは、クーエは、潜在意識の力が及ぶのは、あくまで、その個人の精神と肉体の範囲に限定されるとしたのに対し、マーフィーは、そんな制限は一切ないとしていることだ。マーフィーの潜在意識の理論では、潜在意識は宇宙の隅々まであますところなく広がり、潜在意識により、あらゆる人も物も全て繋がっているからである。
どちらが正しいかは、それぞれに判断すれば良いことと思うが、世界中に伝わる古代の叡智においては、マーフィー理論の通りであると思う。それが証明できるわけではないが、マーフィー法則を実践すれば、それを実証として確認することはできる。
ただ、クーエの制限された潜在意識の力を想定しても、そのパワーは凄まじいものであり、病気治療から、知的・肉体的能力や精神性の改善を実現し、望むなら社会で大きく成功することが十分に可能である。そして、マーフィー法則の場合は、外的条件まで改善するのであるから、その成功度は飛躍的に大きくなるのである。

クーエの自己暗示は非常に分り易いので、これを知ることには大きな意義がある。
クーエ・メソッドで、潜在意識を自在に使えるようになれば、そのままマーフィーの成功法則に適用すれば良いのである。
いや、実をいうと、今日からすぐできるクーエ・メソッドの方法で、マーフィーの教える潜在意識の力はすぐに発揮できるのだ。
先ほども述べた通り、クーエとマーフィーの潜在意識の働きの違いは、適応範囲のことであり、基本的な使い方そのものに違いはないのである。

クーエ・メソッドをマスターすれば(1分で可能だ)、あなたもマーフィーの成功法則を楽々と使いこなせるに違いない。

余談であるが、興味深い話であると思うので、良ければ聞いて欲しい。
マーフィーは、潜在意識(無意識)の発見者はフロイトと言っている。上記に書いた通り、潜在意識の理論の基礎を確立したのはフロイトであるので、ある意味そう言えると思う。フロイトは、潜在意識(無意識)に潜む生命エネルギーをエスと呼んでいる(エスはドイツ語であり、英語のit程度の意味。イドというラテン語で呼ばれることもある)。
しかし、エスの概念はドイツ人医師で「心身医学の父」と呼ばれるゲオルク・グロデックがフロイトに伝えたものであった。
グロデックのエスとフロイトのエスはかなり異なり、グロデックのものがはるかに驚異的だ。
グロデックは、他の医者が見離した患者を専門に、食事療法や精神分析療法で治療を行った。
グロデックは、「エスによらず起こることは何もない」と言った。いかなる難病を作るのも治すのもエスであるし、偶然に転んで脚を折るのも、実はエスの仕業だ。女性が好きな男性を前にすると手が冷たくなるのもエスによるものであり(男性に手を握らせて温めさせるため)、妊娠した女性がやたらあちこちに身体をぶつけることがあるのは、実は彼女が無意識に子供を殺したがっていることをエスが実現しようとしているだけのことである。
グロデックのエスは、クーエとマーフィーの考える潜在意識の中間にあるもののようにも思える。

では、これらの書籍を以下に紹介する。


「自己暗示」(C.H.ブルックス、エミール・クーエ著)
1966年出版で、現在も版を重ねる名著、名訳。
前半は、C.H.ブルックスによるクーエの詳伝。クーエの自己暗示療法による驚くべき事例が紹介される。医者に見離され、自分の脚で歩くこともできずに担ぎ込まれた脚に疾患のある男が、10分後には走り回る。
後半は、クーエが、潜在意識を支配するための自己暗示のやり方を詳しく平易に解説する。それは、子供でもできるほど簡単なことであり、実際、クーエは子供がごく幼いうちから始めるべきとしている。

「暗示で心と体を癒しなさい」(エミール・クーエ著)
今年(2009年)出版されたもので、精神内科医の林泰氏による解説が付く。
クーエの著作は1つしかないと思うので、上記にあげた本の新訳とは思うが、上記の本の縦書きと異なって横書きで、文字も大きく、美しいモノクロの写真のページがあるなど、やや雰囲気が異なる。
しかし、分り易い良い本である。

「エスの本―無意識の探究」(ゲオルク・グロデック著、岸田秀、山下公子共訳)
「心身医学の父」ゲオルグ・クロデックが、エスという不可思議で驚異的なものについて、女友達への手紙という形で易しく語る。
ユーモアに富んだその文章はとても面白く、ややエッチ過ぎる感もあるが(考えようによってはセクハラ文書だ)、エスの概念を誰もが理解できる実に貴重なものと思う。
クロデックが医者を目指したエピソードも実に面白い(当時のドイツでは、医者は貧しかった)。
翻訳は、人気精神分析学者の岸田秀氏。岸田氏は、本書に元々強い関心を持ち、念願の翻訳である。共訳者の山下公子氏と分担して訳したが、お互い、相手が訳した部分も翻訳してチェックしたという魂のこもった素晴らしい翻訳である。


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