日本人には大祓詞があるという有り難さ
私は、毎日、神道の代表的な祝詞である「大祓詞(おおはらえのことば)」を唱えておりますが、きっかけは、春日大社の宮司であられた葉室賴昭さん(今年1月3日逝去)の著書です。葉室さんは、日本人が正しい神道に目覚める道を開いた方であると思います。
葉室さんは、世界でもトップクラスの形成外科医(整形外科とは真逆というほど異なる医療分野の医師で、日本では数少ない)でしたが、50歳を過ぎてから通信講座で神道を学び、65歳で牧岡神社宮司、67歳で春日大社の宮司になられました。14冊の著書はいずれもベストセラーになりましたが、葉室さんは印税は一切受け取らなかったそうです。
葉室さんは、大祓詞を唱えると、神に近付くと言います。
もちろん、数多く唱える中で少しずつと思いますが、我の心が無くなっていくからです。
と言いますのは、大祓詞は、罪、穢れを祓うものであるからです。
ところで、この罪、穢れですが、我々が普通に考える意味とは少し異なります。
罪とは、「つつみ(包み)」であり、神の性質を包み隠してしまうものです。
穢れとは、「気枯れ」で、神の気を枯らしてしまうものです。
よって、罪、穢れを祓うことで、神の性質を顕わにし、神の気が甦るというわけです。
神や仏になるには、仏教やヒンズー教では、煩悩を払ったり、想念を滅却させるためにあらゆる苦行をします。
中国では、神に近い神仙(仙人や導師)になるためにすら、ほとんど食を断ち、あるいは、特定の植物や木の実、特殊な鉱石から作った秘薬を摂取したりの、危険を伴う秘法を行います。
しかし、日本の神道には、この大祓詞がありますので、これらの苦行や危険なことをせずに済みます。なんとも有り難いことです。葉室さんは、大祓詞を唱えることで、日本人のDNAのスイッチが入るといったことも書かれていますが、この日本人の特権を活かさないのは勿体無いことと思います。
さて、大祓詞の唱え方ですが、やはり葉室さんの「大祓 知恵のことば―CDブック」(春秋社)を買われるのが良いと思います。大祓詞が書かれているのはもちろん、これについて、葉室さんが分りやすく説明してくれています。ただし、大祓詞の意味を説明しているのではありません。大祓詞自体には意味はないとされます。葉室さんは、ひらがなで書かれた大祓詞で唱えることを薦めていますし、自身もそうされたそうです。
私は、この本についているCDと合わせて、1~2ヶ月の間、唱えました。その後は、文字を見るだけで唱えています。
これまで、元旦から7月末までの211日は、原則1日1回でしたので、211回。実際は、昨年末までにやりはじめており、7月末頃には1日3~5回唱えていましたから、実際は220回以上になると思います。
そして、8月になろうという時、8月1日から10月31日の92日間で千回を唱える目標を立てました。
私が氏子にしていただいております、神戸の生田神社では、今年、昭和34年以来、50年振りの式年造替(本殿などの造り直し)が行われます。本来は25年ごとに行うようです。それが9月19日に終るのと、私の誕生日の10月31日に合わせ、3ヶ月で千回と考えたわけです。
3ヶ月92日での千回なら、1日11回必要です。しかし、それは比較的簡単であることが分り、2千回に増やすこととしました。1日22回です。これには1時間半はかかり、やや厳しさはありますが、それが適当と思い、実施することとしました。
ところで、斎藤一人さんは「千回の法則」として、言葉を千回繰り返す効果を本に書かれています。「ツイてる」を千回言えばツクようになるし、「ありがたいなあ」「幸せだなあ」も千回言えば、良いことが次々起こるようになります。ただ、私の考えでは、現代の欲に塗れた日本人では、これらを千回では全く足りないと思います。まあ、10万回程度必要かなと思います。それでも楽なものと言わざるをえません。
後で書きます、黒住宗忠という神道の神人は、らい病(ハンセン氏病)患者に「有り難い」を1日百回言うよう指示しましたが治らず、1日千回でも治らず、1日1万回唱えさせたところ、7日で完全治癒の奇跡が起こりました。
ところで、私の大祓詞は、今月ですでに800回を超えました。最初に、月千回を考えたのですが、それはおそらく無理と思い、3ヶ月で千回としたのですが、月千回のペースを超えてきました。そこで、目標を3ヶ月で3千回。月平均千回に変更しました。
1日百回というのもやりたいのですが、それには6時間はかかり、なかなかです。
先に述べました、江戸末期の、神人と讃えられた偉大な神道家、黒住宗忠は、天照大神と一体となる体験(天命直授)を得た後の修行時に、1ヶ月1万回以上、日によっては千回以上、大祓詞を唱えたといいます。これは、普通の者には想像もできないことです。1回唱えるのに3分はかかりますので、千回なら最低50時間必要です。1分で唱えても16時間以上です。それも、忙しい神職をこなしながらです。奇跡と言って、全く差し支えないでしょう。
ところで、私の産土神社が神戸の生田神社であることは述べましたが、ちょっと面白い・・・と言うのは何ですが、興味深い神社です。
お祭りされている中心の神様は、稚日女尊(わかひるめのみこと)と申し上げます、稚(若)く瑞々しい日の女神様です。
日の女神様といえば、高天原(たかまのはら)の最高神である天照大神様がその代名詞と言って差し支えないでしょう。
生田神社では、稚日女尊は天照大神の御幼名で、同じ神であると説明しています。
ただ、「古事記」を読みますと、天照大神がイザナギノミコトの左目から生まれた時には、天照大神だったのであり、幼名と言うのも不自然かもしれません。
また、稚日女尊は天照大神の妹神であるという話もあります。
「古事記」、「日本書紀」のいわゆる「記紀」より以前に書かれたとされる「ホツマツタヱ」では、天照大神はアマテルという男神ですが、そのアマテルの妹神が、この稚日女尊で、後のワカヒメ(和歌姫)であるとされています。これが一番自然な感じがします。それでは、稚日女尊は正しく日の女神であるということになります。そして、少女神ということになるかもしれません。
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Comments
私も、おおはらいのことばをとなえてみることにします。罪、けがれは、コトダマです。悟るは、神との差をとりのそ゛いていくことだそうです。今、住吉大社です。夜行バスで来ました。神域のバワーを頂いて清め中です。
Posted by: Hidesburou | 2009.08.22 11:29 AM
大祓詞って素晴らしいですね(●'▽'●)☆
参考になります。 「一つひとつのジャパは、甘いお菓子を味わって楽しんでいるかのようであるべきなの。そうすると遂には、たとえあなたがマントラを手放そうとしても、マントラがあなたを手放さないような状態にまで達するの」抱きしめる聖者より
ですって(*'∇'*)♪平安でありますように
Posted by: 祈り | 2009.08.22 02:13 PM
★Hidesburouさん
すみよっさんは美しい神社と聞きます。夜は見事にライトアップされるようですね。
私は、神社が好きで、週に少なくとも一度は、近所にある、とても小さな神社にお参りします。小さくても、ちゃんと鎮守の森もあり、お参り後にはゆっくり散歩します。
大祓詞は、是非、お薦めします。
無意識にある悪いものが浄化の過程で出てくるのか、しばらく逆運が続きましたが、その驚くべき力は予想外でした。潜在意識との通信も簡単になると思います。
大きな祓いを感じたのは、トータル千回を超えた瞬間でした。
★祈りさん
その聖者は、知る人は知るそうですが、ジャパがどのようであるかについて先入観を持たせるような話は、私としてはあまり感心しませんね。
Posted by: Kay | 2009.08.22 08:17 PM