神らしくない神が人か?
キリスト教では、人類の最初の祖先はアダムとイブですね。
神道の根本的書物と言って良いと思われます「古事記」では、イザナギとイザナミが日本人の最初の祖先です。
両者の違いとしては、アダムとイブは人間ですが、イザナギとイザナミは神様であることです。
神様は土からアダムを創って魂を吹き込みました。そして、アダムのあばら骨からイブを創りました。
このように、ユダヤ教やキリスト教の聖書(旧約聖書)では人間は神様の創造物であり、神様と人間の違いは決定的です。
しかし、神道においては、人間は神様の直系の子孫となります。
ただ、実を言いますと、古事記を読んでいましても、神様の子孫がいつから人間になったかが、あまりはっきりしません。
ところで、イエスは神様のことを父と呼び、自分を神の子と言いますが、つまるところ、イエスは人は誰でも神の子だと言い、自分は確かに奇跡を起こせるが、それは誰でもやれると言っています。
そして、ヒンズー教では、人は本当はアートマン(真我)であり、これは神様と同じものとしています。
仏教でも、人は誰でも仏様の性質を持っているとし、悟りを開けば仏になります。
このように、多くの宗教や信仰では、人は本来は神様(あるいは仏様)ということではないかと思われます。
ただ、どういうわけか、人間が神様らしくなくなっているといいうだけのことです。
もしかしたら、その神様らしくなくなった神様を人間と言うといった程度のものかもしれません。
そして、神様にいくらか近付いた存在を、日本や中国では神仙と言うようにも思えますが、インドにも超人ヨギ(ヨガ行者)が、また、西洋にも、奇跡の力を持った聖人や神人の話が沢山あります。
実際、キリスト教であれ、仏教、ヒンズー教、道教、神道に限らず、その教えは、神様らしくない人間が、神様らしくなるためのもののように思われます。簡単に言えば、神様になる方法です。
ただ、人は自覚があろうがなかろうが、本来は神だし、神になるのではなく、神であることが大切なことのように思われます。
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