無垢の時代
幼い時の我々にとって、自分は誰でもなかった。
自分が何であるかなど、考えもしなかった。
私は私でしかなかった。
自分が、ある特定の何かであると思い始めた時に不幸が始まった。
再び、身体を、心を、世界を手放そう。
身体を、心を、世界を諦めよう。
再び、何かではない自分でいよう。
何かではない自分になるのではない。何かではない自分でいるのだ。
実際、我々は何かではないのだ。
再び、無垢な子供になった時に本当に幸福になったと言える。
表向きには、実業家でも野球選手でも、IT技術者でも乞食でも何でも構わない。
それは、たまたま我々の身体に起こったことに過ぎない。
幼い頃、たまたま自分が王子様であっても、そんなことはどうでも良かったはずだ。
ただ、自分が王子様であると思った時に不幸が始まるだけなのだ。
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