果て無き繰り返し
大きな力を得たいというなら、「果て無き繰り返し」に尽きる。
仏教の般若心経や神道の大祓詞を1万回唱えたなんて人が、さっぱり駄目な人間だということは、私には考えられない。
それが10万回なら、間違いなく神のような人と思う。
たとえ、そのお経や祝詞、あるいは呪文が、全くのニセモノであっても、きっと驚くべき効果がある。
「梯子仙人」といって、ある愚直ではあるが純粋な男が、騙されてデタラメの仙人になる法を教わった。しかし、それを大真面目にやったら仙人になったという話を、黒住宗忠はよくしたそうだ。昔話にも同様なものがあると思う。
ゲーテは果てしない年月を回り続ける地球に学びたいと言ったものだ。
新渡戸稲造の「武士道」や、日産自動車16年連続世界一セールスマンだった奥城良治さんの著書にも、長く続けることの力を示す例が見られる。
アメリカに、SMIという有名な自己開発プログラムがある。
音楽CD(以前はカセットテープやレコードだった)で教えを何度も聞き、潜在意識に浸透させるという形式のプログラムだ。
高価なものであるが、ユーザーの中には、効果がなかったと言う人も少なくは無い。いや、実際はそれが圧倒的かもしれない。
だが、ある成功した事業家は、それを数千回聞いたという。1つのプログラムを1通り聞くのに30時間はかかると思う。
1冊の本を、閉じ糸が取れてボロボロになるまで読んだという人もいるが、やはり大変な賢者となり、事業でも成功した。
エジソンや松下幸之助さん、本田宗一郎さんの研究開発の回数の凄まじさは聞いたことがあるかもしれない。
斎藤一人さんは、「ツイてる」「ありがたいなあ」「幸せだなあ」といった言葉を千回言えば運が開くと言った。しかし、悪いが、千回では全然足りないと思う。心汚れた凡人であれば10万回というところではないかと思う。
法然は「南無阿弥陀仏」の念仏を1日6万回唱えたという。
偉大な人間には、例外なく、必ず毎日続けていることがあるはずである。
人の真似をする必要はない。新渡戸稲造は、自分は何をしようかと考えた末、行水と決めるが、風邪で高熱のある日もそれを決行し、医者に怒られたという。あまり大変な行では続かないが、その位の意志の強さも必要かもしれない。
The comments to this entry are closed.
Comments