食の慎みは旅である
昔から、登山家に「なぜ山に登るのか?」と問うと、「そこに山があるから」という禅問答のような答があるという話があります。
登山家自身も、本当の訳は理屈では分からないのです。
答を言うなら、「不快なことや危険があるから」です。
不快さに耐え、危険を感じることで脳幹が鍛えられ、生命力が強くなるから、不快さや危険が必要なのです。
人間は、本当の意味で強くなりたいのですね。
旅が病みつきになって、生涯、旅をする人がいます。
ハンス・クリスチャン・アンデルセンがそうでした。
映画「南から来た用心棒(原題:アリゾナ・コルト)」の主人公、流れ者ガンマンのアリゾナ・コルトは、そこに留まれば快適に過ごせることを保証されたような街も、そこにいる相思相愛の美女も捨てて再び旅に出ます。
アニメ「エル・カザド」の2人の少女は、苦しい旅の末、優しい老夫婦が娘として迎えようとしても、そして、彼女達もその老夫婦のことは好きでも、再び旅立ちます。
人間は「生きて」いたいのです。そのためには、生命力が必要です。
不快さや危険を背負うことで強くなりたいのです。
「人間は安定を求めた時に生きることをやめるのですね」
昔、週刊プレイボーイ誌に連載されていた「涙弾」という漫画の至高の言葉です。
せめて日常で不快感を求めることです。
特に、ひきこもりは脳幹が鍛えられておらず、本能の力が弱いのが大きな原因ですから、本気で取り組む必要があると思います。
エアコンを使わず、暑さ、寒さを感じ、車に乗らず長時間歩き、電車では立っていることです。
運動もすれば良いですが、運動なんてのは、気持ち良いからするのではない。辛いからするのです。
そして、ある程度生命力が付けば、空腹に耐えることで脳幹はぐっと鍛えられます。
不快さを求めることは旅のようなものです。
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Comments
はじめまして、感性と見てる世界観が似てると思いましてコメントさせていただきます。
私は今CANADAのレストランでアルバイトしている大学生です。日本の大学を一年休学しています。
南北先生の本の情報や甲田先生の本などほとんど読んでる本は一緒だったので、ずうずうしくも目指していることをおのずと理解できます。
こっちの国はベジタリアンが多いのですが、彼らは肉を食べない分炭水化物と乳製品で満足しようとしているのでむしろ中肉中背やや肥満ぎみな人が多くて皮肉だなぁと笑ってしまいます。
ほとんど全員甘党ですし。
私自身、身長153センチで東洋医学の知り合いが私の体質を読んだ結果36キロでも十分だといわれたので、本来少食体質だと思いますが、ベジタリアンなのですがストレス食いしてしまいそれにまた自己嫌悪し繰り返しの日々を最近脱したばかりです。
去年他の国で働いたときの仕事環境がひどく、もともと神経過敏すぎるせいか生理が4ヶ月止まり、日本に帰ってから徐々によくはなりましたが、ストレスと体と食の関係を深く考えさせられました。
私の食生活も質素を心がけ、CANADAに来ても家にいるときやお弁当は毎日玄米に醤油とゴマ程度の食事で満足ですし他のものを食べたくは無いのですが、どうしてもストレスを感じると副交感神経に切り替えるためか買い食いしてしまい悩んでいました。
今週一週間は昼食玄米醤油ご飯に、夜はバイトのまかないに豆腐と少量の野菜とご飯ですごしていい感じだったのですが、今日はweek endという気楽な街の雰囲気に流され過食(動物性は一切とらず炭水化物中心ですが。。。)しまたここの文章に戻って潜在意識に自分のあるべき姿を焼き付けていた最中でした。笑
肉はスパっと辞められました。潜在意識にうまく働きかけることができ、もう友達が食べるのを見ても、友人たちの体の中の血がにごっていくビジョンしか浮かばず欲はでません(なんか嫌な表現でごめんなさい)
でも炭水化物はどうしても過食してしまって。。。
平日は難なく出来るので、自分でも不可能な生活ではないと確信できます。最終的に一日一食玄米に塩分と香りづけ程度の野菜かゴマ程度で一生過ごして生きたいと切に願っています。
なんかまとまりが無い文章でごめんなさい、こうやって文章にして電子上とはいえ意思疎通できれば私の潜在意識も変化してくれるかなと思い書き込みました。
また来ると思います、よろしくお願いします。
Posted by: Lily | 2009.07.12 12:11 PM
★Lilyさん
別に違っていても良いと思いますが、感性と見てる世界観は、Lilyさんと私では、かなり違うように思います。
もちろん、どっちが上とか、そういう問題ではありませんが。
ただ1つ、共感できる部分があります。
>なんか嫌な表現でごめんなさい
このデリカシーです。汚い表現を平気でする人も多いですのでね。
これがあれば、そう不幸にはならないと思います。
Lilyさんは、何のために少食を目指しているのかなあ・・・
私について言えば、食の慎み自体が目的で、他に目的なんかありません。
健康になろうだの、ダイエットしようだの、良いことを求めようだのは一切ありません。
身体に悪くても良いのです。
だから、玄米だの、そういうのを食べようとは少しも思いません。
敢えて言えば、食の慎みの辛さを求めているだけです。
だから、食欲に負けて買い食いなど、考えることもできません。
でも、食欲はすごくあります。Lilyさんのような少食体質ではなく、元々、人並み以上の大食で、食欲だけは、全く変わりません。
まあ、Lilyさんの少食の目的が分かりませんでしたので、とりあえず自分のことを書いておきました。
感性と世界観の違い、分かっていただけたかもしれません。
Posted by: Kay | 2009.07.12 08:38 PM
お返事ありがとうございます。
分かった気になって書き込みをし気分を損なわれたらすみません。
私は新興宗教上の神の存在は信じていませんが、先祖様に対しての感謝と徳を積みたいことがきっかけではあります。
中・高校生の時から心臓と肝臓を悪くしほとんど学生生活を棒に振り、その後様々な東洋医学者に従事し人並みの体を得ることができました。
その時から人生に対して前向きになれたのですが、それと同時に世界にはけしてよくならない体を抱えながらも一生前向きに生きている徳の高い人たちがいるのに気づき、自分は体がよくならなければ何事にも感謝できない小さい存在なのだと思い知りました。
その時から肉食は慎みどうしたら先祖に対して報い徳を積めるかということを考えた結果、前者の彼ら以上の食の慎みで少しは徳の高い人間に近づけるかなと思いました。
玄米に執着・・・とまではいきませんがうちは代々土地を数百年受け継いできた農家なので祖父が作ってくれる玄米はただの炭水化物としての物質概念以上の意味を感じているからです(よくわからない表現ですみません)
あとは将来世界の民族同士の争いや不幸の軽減に少しでも役に立てる夢を持っているので
やはり健康な体で仕事をこなしたいとは願っています。もう体を悪くし、自分のやりたいことが出来なくなる思いは心底したくないからですが・・・
kayさんのブログでは大衆社会のひずみを指摘なされてますよね、その点はすべて同感です。私は欧米で生活していますがこの国に対する憧れや尊敬は最初から無いです。ただ他民族同士が協力し合って国を形成している点では興味を引くところではあります。
また、かなり以前の日記(5月末だったでしょうか)に風邪を引かれたとありますが、それは少食によって体脂肪が減ったからではなく、季節の変わり目に熱が出るのは人間の体の機能としては本来の働きだと思います。
私もその前後期間に突然カッと発熱し翌日昼くらいから体がいきなりよくなったのを覚えています。
それは春から夏にかけて悪い毒素を解毒しすべて出しきる発熱だと思います。(私は肩のコリが嘘のように消えました)
多分夏から秋になけても出るかもしれませんが、素晴らしい代謝反応だと思います。
日本の湿度高い夏も本格的になる時期ですがお体に気をつけてください。
Posted by: Lily | 2009.07.13 02:52 AM
追伸、すみません風邪を引かれたのは12月ごろでしたでしょうか?
秋から冬の本格時期に入ってからでしたね、間違って書き込みすみません。
Posted by: Lily | 2009.07.13 07:00 AM
★Lilyさん
いえ、ちっとも気なんか悪くしていませんよ。
そもそも、気が悪くなることがありませんので^^;
立派なものですねえ。
私なんか、自分の生活で精一杯です。
風邪・・・いつひいたか、自分でも忘れました(笑)。
若いっていいなあ。
がんばって下さいね。
Posted by: Kay | 2009.07.13 09:31 PM