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2009.07.12

訳があれば苦しみに耐えられる

1974年、当時、プロボクシングの無敵の世界ヘビー級王者と言われていた25歳のジョージ・フォアマンに、かつての世界王者だが、32歳の老雄モハメド・アリが、アフリカのザイールで挑戦した。
当時の人気漫画「愛と誠」で、主人公の1人、太賀誠(たいがまこと)は、壁のカシアス・クレイ(モハメド・アリの別の名)のポスターに、「お前は、絶対に勝てないやつにケンカを売っちまった。だから、俺の部屋を飾る価値がある」と言った。これは、原作者の梶原一騎の思いであったことは容易に想像できる。

史上最高のハードパンチャーと言われるフォアマンのパンチが、ロープに追い詰められたアリに容赦なく連打で叩き込まれる。
勝負あったかに見えたが、アリは倒れない。
そして、フォアマンのパンチをかいくぐり、アリのパンチがフォアマンを捕え、フォアマンが倒れる。フォアマンは立ち上がれなかった。この大方の予想を裏切ったアリの勝利は「キンシャサの奇跡」と呼ばれる。

後にフォアマンは、殺人的だったに違いない自分のパンチを浴び続けたアリが倒れなかったことについて、こう言った。
「人間は、苦しみに耐えるだけの訳があれば、耐えられるんだ。アリには耐えるだけの訳があった」
その後、まもなく、フォアマンはアリに挑戦することもなく引退した。
しかし、フォアマンは40歳を過ぎてから現役に復帰し、45歳で世界王者に返り咲くという、アリ以上の奇跡を行って見せた。

昔のナチスの収容所に強制収容された人には、現在の我々には想像もできない残酷な拷問に耐え続けた人がいる。当時のナチスでは、拷問が上手いことが出世の条件だった。
彼は、拷問の後遺症で、歩くことも喋ることも不自由になったが、拷問に負けなかったと言う。彼には、苦痛に耐えられる訳があったのだ、

人間にとっての最大の徳は食の慎みであるが、これができる人は滅多にいない。
人間にとって、食は最大の楽しみであると同時に、それを節することは最大の苦痛だからだ。
それに耐える理由がないと耐えられるものではない。
単に、健康やダイエットを目的にやれるような甘いものではないだろう。
もし、ダイエットのために食を絶てるとしたら、よほど心に強い劣等感を持っているか、本能そのものが弱いのである。
あまりに甘やかされて育った場合には、脳幹が鍛えられておらず、本能が弱いので、ある程度までなら、さほど空腹を感じないということはある。

食を節すれば、強い不快感が生じ、それに耐えることで脳幹が鍛えられ、強い人間になれる。
強い人間になりたいという願望が強ければ、厳しい食の慎みに耐えられるのである。それには、自分が弱いということを思い知る必要がある。引きこもりやニートを決して甘やかさず、彼らに、自分は何もできないクズであることを思い知らせる必要がある。特に、たまたま一流大学を出たような、自分に能力があると勘違いしているニートは徹底的に鍛えてやって欲しい。
脳幹を鍛え、生命力が増せば強くなる。そのためには、不快感に耐える訓練が必要だ。エアコンを切って暑さ寒さに耐え、車に乗らずに長時間歩き、電車では座らず、いつもびしっとした姿勢をすれば良い。
そして、厳しい食の慎みこそ、脳幹を最大に鍛える。
ニートにおやつを出すようなことは絶対にしてはいけない。3度の食事以外には決して何も食べさせず、美食や、満腹するまで食べさせてもいけない。最も良いのは、肉体労働でもさせていない限り、朝食、あるいは、朝食と昼食を抜き、夕食も菜食にすることだ。働かざるもの食うべからずであるから、別におかしなことではないと思う。

だが、引きこもりやニートも、自ら鍛え、食を慎むべきだろう。なにごとも人にやらされるのは面白くないはずだ。
そして、いくらか強くなれば、次の手はあると思う。
そのためにも、まずは、不快感に耐え、強くなることだ。

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