失敗をやめれば成功する
成功する方法というものは無いが、失敗する方法ならあると思う。
そして、大半の人が、失敗する方法を熱心にやり、見事に失敗することに成功しているようだ。
なぜ成功する方法が無いかというと、元々が成功しかないからだ。
成功しないことは難しいだけでなく、本来は不可能なことだ。
失敗する方法とは、一言で言うなら、頭の無駄使いをすることだ。
そして、ほとんどの思考が頭の無駄使いだ。
つまり、何も考えなければ全てうまくいくのである。
「よく考えろ」という言葉は「何も考えるな」というのと同じなのだ。
考えなければ正解が出てくるのである。
ただ、考えないということは、現代人には難しい。
そこで、マシな考え方をする方法を頭の良い人がいろいろ考えたわけだ。その根本は哲学や論理学である。
そして、哲学や論理学の限界を悟るまでに究めた時、やっと真の知恵に向かうわけだ。なんともご苦労なことである。
法然が1日6万回も念仏を唱えたというのは、本当に鬼気迫る、そして納得できる話だ。法然は善意の志のためとはいえ、勉強し過ぎたので、考えるクセを払うために、それだけやらないといけなかったのだ。
そして、それだけやった成果は、実際には、無教養で素直な人が、「天に任せておけば大丈夫」と信じていることと同じなのだ。
岡田虎二郎が、1日中腹に力を入れろと言ったのももっともなことだ。
腹ってのは非常に神経が集中していて、ここに意識をかけておくと、脳はあまり働かない。つまり、下手なことを考えずに済むのだ。
神道黒住教の教祖、黒住宗忠が、盲目の人に言ったそうだ。「ありがたいを1日百回言いなさい」と。それで治らないと、「では千回」。それでもダメだったので、「では1万回」。その人は見えるようになった。これは歴史的事実であるらしいが、そのようなことは、宗忠の周りではザラにあったらしい。
1日中、頭の無駄使いをしないための工夫をすることだ。
そうすれば奇跡も起こるだろう。
天に任せておけば大丈夫だと素直に信じられるなら、そんなことも不要であるのだが。
The comments to this entry are closed.
Comments