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2009.06.18

素敵な散歩道

先日、良い散歩道を見つけた。
家からわずか数百メートルの距離で、豊かな自然の樹木や草花に溢れている上、大きな池(甲子園球場4つくらいは入りそうだ)も綺麗で、水鳥が鳴きながら泳ぎ、悠然と羽ばたくのを間近に見ることができる。
さらに、きちんと手入れされた神社まであるのだ!
こんな良い場所を、よくぞ今まで知らなかったというよりは、その時まで、散歩なんてものをしようと思ったことがなかったのだ。

今後は、土曜か日曜の夕方に、そこを散歩するためだけに生きようと思う。別に大袈裟ではない。他に生き甲斐は特にない。
ニーチェだったかエマーソンだったか忘れたが、およそ優れた考えというものは歩いている時に浮かぶと言ったらしい。
まあ、別に浮かばなくても良いが。

散歩の絵としては、ギュスターヴ・クールベの「出逢い、こんにちは、クールベさん(La rencontre, ou “Bonjour Monsieur Courbet”)」という、クールベ自身が登場する絵がある。
「出逢い、こんにちは、クールベさん」の絵

フランスには、なぜか私好みのギュスターヴという名の大画家が多い。ギュスターヴ・モロー、ギュスターヴ・ドレ等だが、私はあらゆる画家の中で、ドレが一番好きなのだ。
この絵で、クールベは随分長い杖を持っている。
合気道では、杖のような棒を使うこともあるらしいが、私も入手したくなってきた。木刀を持ち歩けば、警官に見付かったら職務質問は必至と思うが、杖なら問題あるまい(?)。
この絵は、クールベの様子が傲慢そうだという批判があると思うが、私はよく分らない。

その散歩道だが、私が歩いたのは、まだ午後4時の日の高い時間だったので、老人が数人いただけだった。もう少し日が暮れれば、人が多くなるらしい。
それでも、私のような黒のジーンズでビシっとキメたスリムな青年は珍しいのではと思う。
ましてや、ティーンエージャーは皆無かもしれない。きっと年寄りだけだ(笑)。

若いコも散歩すれば良い。
私が特に好きなアニメ映画に「アキハバラ電脳組~2011年の夏休み~」という60分ほどの作品がある。
2011年といえばもうすぐであるが、この映画が制作されたのは1999年だ。

ひばりが、「散歩してくる。つばめちゃん、一緒に行く?」とつばめに聞く。
ひばりはその家の娘で中学2年生。つばめは、少し幼く見えるが、同じ中学2年生で、訳あってこの家に居候していた。
部屋には、ひばりの両親がいた。
つばめは、「いい。テレビ見てる」と応える。ひばりの両親は、ひばりが生まれた時からずっと、大変な愛情をひばりに注いでいるが、初めて逢ってから1年にもならないつばめにも全く同じであった。
ひばりは、「そう」と言ってでかける。
実にさりげなく自然な雰囲気で、散歩を断られた方も、断った方も、わだかまりなど、あるはずもなかった。

ひばりが歩いていると、幼なじみで親友のすずめに逢う。
「散歩?」
「散歩」
これまたさりげない挨拶を交わし、2人は一緒に歩く。
そして、しばらくすると、つぐみに逢う。
「散歩?」
「散歩(2人で)」

3人が一緒になる。
更に、後から来たつばめが合流する。

夏の夕暮れの中で起こった、私の好きなシーンだ。
偶然のように出逢う4人の少女達。これを共時性と言わずして何と言おう。

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Comments

私もよく散歩をします。世界を自分のものにして歩ける時もあれば、脳が破裂しそうなくらいひたすら物事を考えて歩く時もあります。歩くと身体も心も楽になります。色とりどりの花、空、風、小鳥、そして世界を照らす太陽が、時より現実に押し潰されそうになる私を癒してくれます。自転車よりも歩く方がなぜか楽なように感じます。自分だけの新しい発見や秘密の場所があると楽しいです。

Posted by: 心音 | 2009.06.20 05:33 AM

★心音さん
下らない娯楽や遊びより、散歩の方がずっと大切ですね。

Posted by: Kay | 2009.06.20 08:05 AM

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