一番高貴な美徳
日曜日に車を走らせていたら、スカイラインGT-Rが止まっているのを見かけた。
1969年に発売された、いわゆるハコスカ(箱型スカイライン)と言われるモデルと思う。
エンジンは6気筒2000CCの4バルブDOHC(ツインカム)エンジンで、今でこそツインカムは4バルブが常識であるが、80年代までは2バルブのツインカムが多かったと思う。
エアコンも付かない、純粋な走り屋向きの、スパルタン(質実剛健)な車であった。
GT-Rを今でも大事に乗っている人は結構いると聞く。
スカイラインはその後、81年にRS(レーシングスポーツ)という名前の4バルブツインカムエンジン搭載車が出たが、このエンジンは4気筒であったので、GT-Rではなく、RSという名称にしたという話がある。しかし、4気筒エンジンでフロントの軽いRSは案外に楽しいような気もする。
GT-Rの場合は特別だろうが、「ものを大事に」が日本人の最大の美徳の1つであったはずだ。
車は、大事に乗れば、大抵は20年くらいは乗れるはずなのだ。しかし、それでは自動車会社の利益にならない。
だが、時々、非常に古い型のサニーやシャレードといった車が、かなりきれいな状態で走っているのを見るのは楽しいものだ。
私が今見たいのは、117クーペや、初代~3台目のカローラ・レビンだ。しかし、ピアッツァ(117クーペの後継車)や4代目レビンでさえほとんど見なくなった。
「美少女戦士セーラームーンS」で、セーラーウラヌスこと、天王はるかが乗っていた車はトヨタ2000GTだ(実際には存在しないオープンカーモデルであったが)。あのアニメが放送開始されたのは1994年だが、2000GTは1970頃の名車の誉れ高いスポーツカーである。
はるかは、後にフェラーリF512Mに乗り換えたようだった。この車は、作者の武内直子さんの車でもあったと思う。
その後でまた、2000GTに乗っていたが、ファンベルトが切れて動かなくなり、セーラームーンこと月野うさぎの家が近くだったので、そこに立ち寄ったというお話であった。ちゃんと修理したか気になるところである。
また、アニメ「エル・カザド」で、ナディが持っている銃は、古いコルトガバメントだった。
「荘子」の「養生主編」に登場する、名料理人の庖丁(ほうてい)は、普通の料理人で月に一度、腕利きでも年に一度、刀を換えるといわれる中で、同じ刀を19年使っても新品同様であった。
1つのものを、長く大切に使う。実際、これほどの高貴な美徳はないと思う。
« 感染したらどうするか? | Main | 偶然と必然 »
The comments to this entry are closed.
Comments
わたしはドイツ在住で、
しかも義父母と同居です。
一般的に高齢になるほど物を大事にするのは世界各国共通なのですが、
ここの人たちと比べると、
日本人はえらく物をバンバン買い換えます。
うちはひびが入った皿やカップを使い続けています。
ああ~
危険だから、やめてぇ
って思います。
10年以上前のお茶がぞろぞろあります。
「乾燥した食品は20年持つ」
のだそうで・・・
うっ!わたしの胃、大丈夫か!?
義父母の車は16年使っていました。
このたびの景気対策で新車にしましたが、
義母は「あと20年乗れたのに」
とつぶやいておりました。
「高貴な美徳」
まだドイツにあり・・・
私は付いていけないですけど
Posted by: りす | 2009.05.28 04:32 PM
★りすさん
ドイツ人は、日本人に似たところがあると言いますか、お互い宿命的な関係のように思います。
ポルシェなんて、モデルチェンジ前に値段が大きく上がることがありますが、日本車では絶対にないことですね。
今は、ドイツの方がずっと精神性が高いと思います。
日本人は、昔は、1枚の着物を孫にまで譲ったものでした。
機械でも、ドイツ製は、歯車が磨耗するほどスムーズに動きます。
悔い改めよ!日本!!・・・です^^;
Posted by: Kay | 2009.05.28 09:46 PM