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2009.04.22

日本人は本来、世界で類を見ない精神性を備えていた

緻密な細工を見事な腕前で行う工芸師がいる。
工芸とは、実用だけでなく、製品に美的装飾を施す技術である。
しかし、工芸師の数は年々減り、分野によっては職人がいなくなっているものも多いだろう。
そして、工芸師の中には、高度な腕や経験を持ち、仕事熱心でありながら、生活に必要な収入すらない人が多い。いや、十分な収入のある人の方が少ないのかもしれない。

工芸師は一例としてあげただけで、従事する者が少ない、あるいは、いなくなってしまった職業は多いと思う。
その理由の中には、確かにその仕事自体が時代遅れであるという場合もあると思う。機械で作る方が安価で、しかも品質が良いという場合である。
しかし、かなり多くのものは、機械で製作するより、優れた職人の手作りの方が優れている。ただ、確かに値段も高い。そんな良いものは購入者がそれなりに豊かな者に限られ、全体として見れば経済規模は小さい。
つまり、機械で作る大量生産・大量消費でないと資本主義経済が成り立たないというのが、手作りの良いものが作られなくなる大きな理由である。
実際、大量生産・大量消費だからこそ、ある程度の品質の製品を驚くほど安価に入手できるということもある。
また、手作りで優れた工芸品を作る者の中には、やや性格に問題がある者もいて、客に敬遠されたり、弟子が長続きしないという場合も少なくはなかった。
だが、優れた工芸品が消えていくのは、本当は大変な問題なのであることになかなか気付かない。

実は私は、今思えば、工芸師になりたかったのだと思う。
しかし、子供の頃から学生時代を通じて、そんな職業を選択するきっかけは学校の中でも、社会の中でも、ほとんどなかった。学校は資本主義社会での労働者を製造するための訓練所であるし、国家の統制を受けているであろうマスコミやメディアもまた、資本主義経済を唯一の選択肢と考えるよう国民を強力に洗脳している。

こんな社会では、非常に偏った職業しか作られず、それらの大半は引きこもりには全く合わないのであるから、引きこもりが働かないのは当然かもしれない。
引きこもりでも、工芸師なら向いていて、経験を積めば非常に良い作品を作る人もいると思う。

お金持ちも、家や車、あるいは毛皮にはお金をかけても、優れた工芸品にお金を出す人が少なくなっているのは間違いないと思う。
伝統工芸品に大金を出すのは、余程のお金持ちか、それらの良さを理解できるお金持ちであろう。豪邸や高級車など、言ってみれば馬鹿でも分る。
別にお金持ちばかりでない。工芸品もそんな高価なものばかりではなく、庶民でもちょっとお金を貯めれば買えるものも多いが、我々は使えるお金を、広告やCMで宣伝された、つまらない商品を買うのに使う。
昔、外国ではお金持ちしかしないことだったが、日本人は、庶民でも花屋から花を買う習慣があり、これは外国の人を驚かせた。
日本人は本来、世界でも類を見ない優れた精神性の持ち主であったのだ。

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Comments

お久しぶりです。
なかなか少食になりません…(苦悲
目標を持たないといけないという声は、私にとって疑問&圧迫感がありました。だから今日のKayさんのブログを読んで、少し安心できました。

Posted by: MU | 2009.04.23 07:41 PM

すみません投稿する日を間違えました。

Posted by: MU | 2009.04.23 07:46 PM

★MUさん
さて、どれへのコメントでしょう・・・^^;
(大体分かりますが)
少食ってのは、やろうとしてやれるものでは、なかなかないですね。
私の場合、書いたように、死というものにとりつかれた感があったので、割に楽だったようです。
今後、このあたり追及してまいります・・・多分^^;

Posted by: Kay | 2009.04.23 09:31 PM

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