少食が運勢を向上させるのは当然のことである
少食・粗食は、健康や容姿の向上はもちろんもたらすのであるが、加えて幸運も得られるということを意外に思われる方もいるかもしれない。
しかし、それは当然のことなのである。
これに関しては、江戸時代の観相(顔や身体の相で運勢を鑑定する運命学。中国で始まった)家の水野南北が、生涯をかけて研究、実践し、確実であることを保証している。
水野南北自身、非常に貧相で、実際、若い頃はロクでもない人間であったが、食を慎むことで運勢を開き、蔵7つを建てる長者となり、当時異例の78歳まで幸福に生きた。
南北は、まず徹底して実践で観相を研究し、その後、本人が語ったところでは仙人から観相を学び観相を極めた。しかし、百発百中でないことに悩み、50日の断食水行の荒行を決行したところ、伊勢神宮の外宮で「食が全て」と天啓を得た。伊勢神宮の外宮に祭られた神は、トヨウケヒメで、食の女神である。それ以来、食生活で鑑定するようになってからは、万に1つ外れることはなかったという。
世の中には、開運の術や、様々な成功哲学が存在するし、その中には優れたものもあるかもしれないが、それらは全て枝葉に過ぎない。食の慎みことが根幹であり、根幹が駄目では開運するはずがない。逆に言えば、食を慎みさえすれば、確実に幸運となる。
ではなぜ、食を慎めば開運するかであるが、それはこの世の理(ことわり)や因縁に関わることであり、そう簡単に解き明かせるはずもない。
宇宙の因縁については、南方熊楠が南方マンダラで示そうとしたが、熊楠にも不明なところは多かったようだ。
C.G.ユングも、運命について考え、結局は、神話やタオイズム(道教)、あるいは、古代インド哲学など、古代の英知に傾倒したが、現代の科学で説明がつくものではない。
近年では、ディーパック・チョプラが量子論を土台に非常に分りやすく説明するようになった。しかし、量子論自体が普通の人の理解の範囲を超えている。ただ、専門の物理学者が語る量子論は、いかに分りやすく説明したものでも、例えば、マーミンやペンローズの説明などさっぱり分らないと思う。専門家というのは、自分の専門に対して割り切りができず、どうしても間違いがないように説明し、結局は一般人には理解されないのだ。しかし、チョプラは医学博士であり、量子論の専門家でないと同時に、医学というのは普段から神秘に接する機会が多く、むしろ、実感として量子理論の根本を把握してしまうものかもしれず、本質のみの彼の説明の分かりやすさには驚く。
同じような意味で、春日大社の宮司であった葉室頼昭さんも、世界最高の形成外科医であったが、彼の神や宇宙に関する考え方はチョプラと通じるものもあり、非常に納得しやすいものだった。
私も経験的な実感としてのことしか言えないが、食物の消化吸収には大変なエネルギーを使うものと思われる。しかも、消化吸収のエネルギーを増大させることは不可能で、消化器官を鍛えて能力を向上させることもできない。これは考えてみれば不思議なことだが事実だ。
よって、誰であっても、大食するとエネルギーの多くは消化器官に回さざるをえなくなる。逆に言えば、食べなければ、エネルギーは別のところに回せる。その大きなものが脳である。脳が使用するエネルギーも実に大きく、十分なエネルギーがなければ脳は本当の力を発揮できない。
そして、脳と消化器官の両方をフル回転させるエネルギーの摂取はできないのだ。
説明は省くが、宇宙を作るのは心である。心と脳の関係は、その気になれば議論が可能だが、ここでは同じとしてしまうことを了承願いたい。そういえば、苫米地英人さんの本に書いてあったが、脳機能科学においても、脳と心は等しいようだ。
心が宇宙を作るとは、脳が量子的に宇宙を作るということである。
ロジャー・ペンローズの仮説であるツイスター理論でも、意識は脳のマイクロチューブル器官に発生する波動であるが、まあ、そんなことはどうでも良い。
養老猛司氏が「唯脳論」を唱え、吉本隆明氏は「共同幻想論」を発表した。岸田秀氏はフロイト精神分析学を基本とした「唯幻論」を出し、どれも大変に面白いのであるが、それは世界を脳の立場から説明したか、心の立場から説明したかの違いでしかない。全て脳のイマジュネーションであり、心の幻想だ。ヘレン・ケラーは観念のみが真実と言ったが、同じことだ。
そして、精神分析学をも飲み込むと思える神経科学では、全ては脳が作るイリュージョンだとほぼ断定している。
科学が古代の英知に近付いたわけである。
では、脳にエネルギーを十分に分配し、活発に宇宙を創造していただくことの利点がなんとなく分るのではないだろうか?
脳にエネルギーがないと、ぼんやりとした変わり映えのない宇宙しか存在しない。
コリン・ウィルソンが、大抵の人にとって、この世は噛み古したチューイングガムのようなものだと言った理由も分ろうというものだ。しかし、コリン・ウィルソンは考えに考えながら、高齢になった今でも、人々を幸せにする解決策を出せないでいる。その解決策は、何のことはない。ただ、食を慎むことだ。もし、私が発見したのであれば、私は若くして、私よりはるかに知能指数の高いウィルソンを超えたことになるが、言うまでも無く、私の発見ではない。人類の天才に列せられず、大変に残念である。
私は、大食をしている時は、ジョセフ・マーフィーの成功法則は4割程度の効果しかなかった。それでも十分に幸運で幸福であったが、食を慎むようになってからは、当然にして百パーセントである。
みなさんも、食を慎みながら、ジョセフ・マーフィーの本を読めば良い。ただし、必ず、ジョセフ・マーフィー自身が書いた本で、余計なものが付かない(妙なプログラムの宣伝の付かない)翻訳を読むように。私のお薦めは「あなたも金持ちになれる」(三笠書房。知的生きかた文庫)である。
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Comments
幸運を得るためならなんだってする!という気力がわかない。幸運とは何か、努力するほどの価値のあるのか。
そこで踏みとどまってしまって、毎日袋ラーメンばかり食べている。
Posted by: 左回りの時計 | 2009.04.08 09:55 PM
★左回りの時計さん
少食であれば、望まなくても幸運に恵まれます。
実際には、私は、食べていければそれでいいと思っています。
生前、よくお逢いした政木和三さんは、4千億円を放棄し、「食べる分だけあればいい」と言ってましたが、それでも、年間の納税は1億円でした。
Posted by: Kay | 2009.04.08 10:00 PM
素晴らしい!
Posted by: 太郎 | 2009.04.08 10:07 PM
今日のエントリーもとても面白いですね
たしかに菜食・小食になったら睡眠時間が8時間から6時間に自然と減ったので不思議に思ったことがあり
調べたところ睡眠時間は消化のための時間でもあるため、菜食や小食の人は消化にかかる負担や時間が格段に少ないのでこうなるのだそうです。
>脳にエネルギーがないと、ぼんやりとした変わり映えのない宇宙しか存在しない。
でも、小食で菜食歴2年にもかかわらず、周囲の自己中なアメリカ人にイライラしてばかりの私の脳は
まだぼんやりとした宇宙しか描けていないようです┐( ̄ヘ ̄)┌ フゥゥ~
Posted by: ぬこ | 2009.04.09 02:36 AM
いつもコメントありがとうございます。
食を「慎む」という表現が好きです。
いままでマーフィー等の本を読んでも直後は気分が高揚してやる気になるのですが持続できませんでした。今なら前とは違った読み方ができそうですので早速読んでみます。
Posted by: mamemoyashi | 2009.04.09 05:01 AM
Keyさん、こんにちは。
いつも楽しく、興味深く読ませていただいています。
食を慎む。
ただこれだけのことで人生が向上するのだということは、
過去の経験からも実感として納得できます。
でも、その大切さを真正面で語り続けている発信源は、
Kayさんのブログ以外に見当たりませんね。
これは、何かの陰謀かも知れないと思ってしまいます。
このブログのおかげで、食の慎みを持続できています。
本当にありがとうございます。
Posted by: saba | 2009.04.09 03:50 PM
Kayさん、何度も教えてくれてありがとう。
また小食してみようと思います。
基本的に食べても問題ないんですよね。
ただ食べすぎが良くないだけで。
6時間食べないだけなのに、
飢える感情を味わう事を速く無くしてしまいたい。
Posted by: minami | 2009.04.09 07:28 PM
★太郎さん
そうですか
★ぬこさん
まあ、鉄砲持ったヤクザさんを描くよりマシですね。そんな人もいるようです。
★mamemoyashiさん
私は、一頃、超アンチ・マーフィーでした。
でも、よく考えたら、願いは全部叶っているのですね。
最近はよく読んでいて、素晴らしさが分かってきました。
★sabaさん
こんばんは。
食の慎みの良さがお分かりのようで、素晴らしいですね。
少食を人に納得させるのは難しいものです。
確かに、飽食・美食させようとする勢力は強力です。
食を慎みさえすれば、全て思い通りなのですけどね。
★minamiさん
いえ、私はいつでも餓えを味わうつもりですよ。
餓えを感じない、生まれ着いての少食の人のことはよく分かりません。
私は飢えを友としますよ。
Posted by: Kay | 2009.04.09 09:54 PM