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2009.04.23

若さと美しさの価値

「怪人二十面相」で有名な作家の江戸川乱歩は、サインを求められると常に、「夜見る夢が本当で、現実と言っているものが夢なんだ」といった意味のことを附記したと聞く。(「うつし世はゆめ よるの夢こそまこと」という文だったようだ)
アメリカ人のダリル・アンカと精神感応で通信すると言われる宇宙人バシャールは、やや控え目に「どちらかというと夢の世界の方が本物」とか、あるいは、「おとぎ話こそ真実」と言っていたらしい。

ラマナ・マハリシやニサルダガッタ・マハラジは、夢と目覚めを全く同じと言う。
マハリシは「夢は短く、目覚めは長い。この他に両者に何の違いもない」と言う。
誰かが、マハリシに「世界の構成要素を調査することに意味がありますか?」と尋ねたところ、マハリシは「台所のゴミを捨てる時に、その構成要素を調べる必要はない」と言い、世界など、その程度のものということを示した。
マハラジは、「全てを夢とみなし、動じずにいなさい」と言う。そして、「あなたは世界という夢を見ているのだ」と教える。
荘子でも、有名な「胡蝶の夢」という章があり、荘子は夢の中で蝶になって気持ちよく飛んでいたが、ひょっとしたら、今は蝶が荘子になった夢を見ているだけではないだろうかと言い、どちらが本当かは分らないことだと言う。
「涼宮ハルヒの憂鬱」の中で、超能力者の古泉一樹は、この世は誰かが見ている夢のようなものではないかというのが、彼の所属する機関のお偉方の考え方だと言う。具体的には、その夢を見ているのが、涼宮ハルヒというエキセントリック(ひどく風変わりな)な女子高校生である。

これらに共通するのは、現実世界というものが、一般に考えられているような堅固なものではないということだが、現実世界の価値を非常に低く見る場合と、現実世界も決して価値が無いわけではないが二次的に過ぎず、もっと重要なものがあるという考え方に分かれると思う。ただ、この両者は、それを語った状況に配慮する必要があり、本質的には同じことを言っており、普遍的に言うなら、後者の通りであると言えると思う。
この世で正しく、そして幸福に生きることは非常に重要であるが、それだけが大切だというわけではないのである。そして、真に重要なものを傷付けたり、損なったりすることがないなら、現実世界を幻想と見なしても構わない。
例えて言えば、女性にとって、若さや美しさというものが非常に大切であることは否定できないが、そればかりを重要に思うと大変な間違いを犯すことになるというのと似ている。そして、本当に重要なものに比べたら、若さや美しさなど取るに足りぬものであるのだ。

聖者というものは、ともすれば、世俗の成功や富といったものを悪いものであるとして否定することもある。
それはそれで正しい場合もあるに違いないと思うが、この世的な成功もまた、究極の成功に結びつく場合もあるかもしれないし、普通の人間にとっては、こういった聖者の態度は受け入れかねない。
イエスも確かに、「金持ちが天国に入るのは、ラクダが針の穴を通るより難しい」と言った。
しかし、正しい思考で自在に富を生み出せるということを理解している者であれば話は別である。
天使のように美しい女性が至高の精神を持っていても構わない。そして、そんな女性は年を取ることも恐れないだろう。

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Comments

岡田虎二郎に関する本は、絶版になっているものが多いですね。
古書をまめにチェックしてみようと思います。(結構高額で売られてますね) 
黒住宗忠の思想についても興味深いものを感じました。
「限りなき天照る神と我が心へだてなければ生き通しなり」
「天照る神」を「仏」や「道」と言い換えれば、
神道に無知な私にも伝わってくるものがあります。

Posted by: バビル三世 | 2009.04.23 11:23 PM

★バビル三世さん
昔の本なら、何万円以上ですね。
岡田虎次郎語録は、地元の交流会などがお持ちだと思いますが、販売するか、いっそWebで公開してくれたら嬉しいのですけどね。
柳田誠二郎さんの本なら、古書でもなんとか適度な値段で入手可能と思います。
神道の神様は、たとえ神々の女王たる天照大神様でも、とても人間臭く楽しいものです。

Posted by: Kay | 2009.04.24 09:54 PM

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