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2009.03.19

日本人的愛の表現

ジョセフ・マーフィーの成功法則の本を読むと、さすがに基本はキリスト教だけあり、積極的に他人を愛し、他人のために祈れということが強調されます。
以前にも書いたことがあるのですが、多民族社会では、他者に対して愛や親切を積極的に表現しないといけない事情があることも影響していると思います。
しかし、日本は以心伝心の国です。確かに国際的なコミュニケーションでは誤解される可能性もあるのですが、決して以心伝心が悪いことではなく、日本の美しい伝統である面まで否定したくはないと思います。

マーフィーの本にあるような、他人にあからさまな善意を持つことがうまくいかず、「私は駄目だな」とか思う人もいるのではないかと思います。私もそうでした。

ところで、古事記には、日本人らしい善意の示し方の良い見本も沢山あるのですよ。
例えば、天界のスーパースター、アマテラスオオカミと、弟のスサノオノミコトのお話です。
ある種の勝負をし、スサノオが一方的に勝利宣言し、アマテラスの田畑を壊し、なんと、アマテラスの食堂でウンチまでしても、アマテラスは、可愛い弟のしたこととして、色々理由をつけては赦します。
さすがに、最後はスサノオは追放されましたが、アマテラスはスサノオを特赦したようで、スサノオもまた、アマテラスに神剣、草薙の剣を献上します。
アマテラスのひ孫の兄弟では、兄(ホデリノミコト)は弟(ホオリノミコト)をしつこくいじめ、辛い目に遭わせますが、海神の助けを得て兄を懲らしめた弟は、兄が降参したらいつも赦します。
まあ、救いようもなく、滅んだ者達もありますが、それらはどう見ても自滅です。

他者を非難する人は成功できません。
特に、我々は身内、つまり、親兄弟を非難しやすいものです。
親の欠点をあれこれ非難するうちは、まだまだ幼く、成功する前に世間で鍛えられて精神を磨く必要があります。
そして、親であれ、夫や妻であれ、上司や同僚や後輩であれ、非難したり欠点を指摘することをやめ、相手をそのまま認めるようになれば、成功するに十分な精神のレベルに達したと言えると思います。
自分に関しては、満足がいくまで進歩向上すれば良いでしょうが、他者に関しては「あるがまま」で良いのです。なぜか、これを逆に考えている人が多いようですが(笑)。
政治家の不正は無くさないといけませんが、肝心なのは、それができない制度を作ることです。そして、不正で私腹を肥やした政治家や官僚をあまり非難してはいけません。だって、その立場になれば、自分もやるかもしれませんし、私なら絶対にやりますね(笑)。
犯罪に関しても、罪は憎んでも、人を憎んではいけないと思います。犯罪を犯す人もまた、とても気の毒な面が大きいものです。それに、人々が犯罪者を糾弾するうちは、実際には犯罪は無くなりません。我々が、犯罪者の中に自分を見た時に犯罪が無くなるのだと確信します。

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