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2009.02.20

エスとタオ

エスという言葉をご存知だろうか?
フロイト精神分析学の用語として有名で、ラテン語のイドであるが、英語で言えば単なるイット(it)だ。
Wikipediaには「無意識層の中心の機能」とか書いてあるが、いい加減なものだ(笑)。
早い話がエスなんてものを説明しようがないのだ。
フロイトが精神分析学の用語にしたのが、そもそもの間違いだった。もともとはニーチェが言い出し、ドイツ人医師のグロデックが使った言葉であるが、あまりに不可思議なものであり、科学や医学の範疇に収まるようなものではない。
もちろん、限定的にはフロイトはエスを興味深く説明したと思う。彼は天才だからね。
しかし、その神秘さ加減は、中国の道(タオ)といい勝負かもしれない(共に勝つ気はないと思うが・・・)。

グロデックによれば、エスによらずに起こることはない。
あらゆる病気を作るのも、それを治すのもエスの働きだ。
アレルギーや抜け毛もエスのせいである。
女の子が、好きな男性の前では手が冷たくなるのもエスの一般的な作用である。「温めて欲しい」という彼女の意思を表現しているのだ。
性欲が高まった女性がフェロモンを発するにもエスがやることに違いない。
目ざとく何かを見つけたり、逆に、見えるはずのものを見逃してしまうのもエスによるのである。

かなり前のことだ。
雨の振る駅でのことである。
電車がプラットフォームに入って停止し、ドアが開いた。乗客が降り始めると同時に乗り込んで行った男がいた。彼はいつもそうである。その彼が、電車に入るなり、いきなりスッテーンと転んだ。
これもエスの起したことなのである。

美少女だが、運動の苦手な撫子さんが、木に登っていった。巣から落ちたヒナを返すためだ。
彼女は心優しい乙女である。
無事、ヒナを巣に戻したが、直後、転落してしまう。
だが、その下を歩いていた木之本藤隆さんと激突し、彼がクッションとなってケガをしなかった。
下敷きになった藤隆さんは、「天使が落ちてきたのかと思いましたよ」と何らの意図もなく微笑みながら言い、清純可憐そのものの16歳の撫子さんと、彼女の高校に赴任してきたばかりの高校教師である25歳の藤隆さんはすぐに同棲を始め、毎日、手を繋いで登校するようになった。
撫子さんを藤隆さんの上に落としたのもエスの計らいである。この程度、エスには何でもないことだ。
だが、娘のさくらが3歳の時に撫子さんが死んだのもまた、エスのしたことである。
~ストーリーは「カードキャプターさくら」(CLAMP著)から~

グロデックとて、エスの正体を掴んでいたわけではないし、掴めるはずもない。
エスは生命の源であり、霊のようなものかもしれない。
道(タオ)もまた、名付けることができないものなので、老子は玄と呼んだり、大と呼んだりしたのだ。
エスが一人一人の個人に宿るものであるのかどうかも分らない。
「禁断の惑星」という映画では、地球人類にも、アルテア第4惑星の住民にも共通にある、潜在意識の中の何かをイドと言ったが、先にも述べた通り、イドはラテン語でエスのことである。このイドは、アルテア第4惑星の高度な文明人を滅ぼし、この星に来た地球人を殺し、破壊を行った。しかし、イドは悪ではない。潜在意識に従っただけである。

エスを味方につければ無敵かもしれないが、そんな無謀なことは考えない方が良い。
エスに頼みごとをする方法なんて分るはずもない。
グロデックは、エスの性質を少しは理解し、他の医者が見離した患者専門に治療を行い、奇跡的な成果を上げたこともあるが、あっさり死なせたこともあった。
これは、グロデックの失敗というより、患者の方の問題であったのであろう。グロデックには不可抗力というものだ。

エスを従わせることはできない。
道(タオ)を従わせることができないのと同じだ。
だが、道(タオ)に従う者にはエスは奉仕するのだ。
道(タオ)に従う術を知りたいなら、老子を読むことだ。
しかし、老子の訳って、訳者によりてんでバラバラだ。
私が一番良い訳だと思ったのは、なんと、ディヴィッド・ローゼンの「ユングの生涯とタオ」(創元社)で引用されたいくつかの老子(と荘子)であった。なんてこったい(笑)。
英文学者で、詩人、画家の加島祥造さんも、老子が分らなかったらしいが、英訳の老子を読んで理解でき、以来、タオイストになったらしい。では、彼が英訳を参考にした「タオ-老子」(ちくま文庫)を読めば良いだろう。読んでみたが、やはり良い。
老子自体、詩と言って良く、詩人の訳した老子はやはり良いと思う。
尚、私の愛読の老子は、日本語、中国語共に自在な王明さんの「老子(全)」(地湧社)だ。地湧社は、柳田誠二郎さんによる、岡田式静坐の本を3冊出している素晴らしい出版社だが、この老子は良い。無駄な解説なんか一切ない。やや意訳もあるが、シンプルで自然だ。
王明さんも詩人である。

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Comments

プラチナのステキなアレンジがあったので聴いてほしいです(^^)
ttp://www.youtube.com/watch?v=PIGoNedYo4Y&feature=related

Posted by: ネコちゃん | 2009.03.02 at 03:42 AM

★ネコたんさん
上手いギターですね~♪
名曲がいっそう華やぎますね。
菅野よう子さんって、ピアニストのはずですが、さすがですね。
良いギター演奏は本当に良いです。
ついでに、坂本真綾姫のプラチナも聴きました♪
ありがとうございました~♪

Posted by: Kay | 2009.03.02 at 09:38 PM

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