人の心の内を知るという意味
人の心の中を覗きたいと思うだろうか?
もし、それができたならば・・・人間に、人生に絶望するに十分であろう。
人がいかに、夫に、妻に、親に、祖父母に、あるいは関係の深い叔父さん叔母さんに、恨みや憎しみを抱いているかは想像を超えている。
そして、例えば親への憎しみを自覚している場合はまだ良い。そうでない場合、その憎しみは心の中で変質し、子供への憎しみに変わり、きっかけがあれば、子供をおぞましいまでに虐待することになる。
古いアダルト漫画で、当然かなり冗談めかしてはいたが、なかなか鋭い作品があった。
12歳くらいの超のつく美少女が登場するのだが、実は彼女は超能力者で、他人の心が読める。電車にでも乗ると、大人の男たちは、そしらぬ顔で、実は彼女に対する性的欲望を燃やすのであるが、そのすさまじさ、おぞましさを、読者は想像を超えると思うか、あるいは想像通りと思うか、あるいは、「俺ならそんなものじゃない」と感じるか(笑)。
だが、絶望させるばかりが本意ではないので、慰めではないが、別の事実も書いておく。
CLAMPさんの漫画「ちょびっツ」で、冴えない大学浪人生の本須和秀樹(もとすわひでき)は、人型パソコン、はやい話がアンドロイドのちぃを愛するようになる。ちぃは、見かけは15歳くらいの大変な美少女であるが、あくまで機械だ。
ちぃの双子の姉であるフレイヤは秀樹に言う。ちぃに心はない。プログラム通りに動いているだけだと。
だが、秀樹は言う。「ちぃの心は俺の中にある」
愛の力とはすごい。平凡な青年である秀樹は瞬間、悟りを開いたわけだ。
この世に他人なんていない。全ての人の心は自分の中にあるのだ。言い換えれば、全て自分なのである。
日本人は、大昔から八百万(やおよろず)の神といって、全てのものの中に神を見ていた。それらの神は、時に荒ぶる神であり、祟(たた)る神であった。古事記に出てくる神々のなんと人間臭いこと。男の神は、美少女を見るとすぐに行為におよび(笑)、次の瞬間には次々に子供が生まれるのだ(笑)。
全ては神の現れだと言うなら、自分もその中に含まれる。そして、不思議かもしれないが、同時に全ては自分の中にある。宇宙とはそのようなものだ。
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