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2009.01.17

西洋に劣等感を感じることができなくなるには

よく、「日本という国に誇りを持とう」とか「自分の国に誇りを持てないようでは駄目だ」と言う者はいるが、では、どう誇りを持てば良いのか、何に誇りを持てば良いのか言える人はほぼいない。
「美しい日本」と言うなら、他の国だって美しいさ。
そもそも、日本は江戸末期以降、西洋の列強から、あるいは、それら西洋の列強を知る日本人から、ずっと否定され続けてきたのだ。
明治時代に欧米に行った者は、資本主義が生み出した日本では考えられない壮大な事業・・・巨大な工場や運河の建設に圧倒され、契約社会、法律社会の合理性を見て、自分達の無知を徹底的に思い知らされた。
太平洋戦争中でも、現在と変わらない格好で自転車で大学に通うアメリカの大学生の映像を見せられ、また、アメリカの軍隊では、若い兵士すら、衛生的で快適な空母、戦艦の中で美味しいもの(おやつすら)を食べていたと知って、日本の軍隊との違いに愕然とする。
戦争が終わってしばらく経っても、欧米と日本の生活水準の差は大きく、1940年代のアメリカ映画では、中流家庭の家の庭でスプリンクラーで水が撒かれ、自家用車に乗り、冷蔵庫に氷があるのが当たり前。当時、日本では、冷蔵庫の存在を知らない人が圧倒的だった(1960年頃なら、まだ氷を買ってきて入れる冷蔵庫を使っていた)。庶民が、まさか自分が車を所有するなど、夢にも思わなかった時代だ。スプリンクラーで庭に水を撒く家って、今でも滅多にない。
日本人は馬鹿だった、日本人は劣っていたとして、日本人の間でも、いかに欧米化するかが誇りであったくらいだ。
そんな中、戦後、プロレスの力道山が、圧倒的に大きなアメリカ人レスラーをやっつけるのを見て熱狂したことがあるが、まさかあれで日本人が日本に誇りを持ったわけではない。単に喜んだだけだ。力道山に続く日本プロレス界のヒーローであったジャイアント馬場は、西洋人レスラーより大きかった。有名な精神科医の香山リカさんは、既に日本人が馬場を見る目は力道山を見る目と違っていたと書いていたような気がするが、私はそんなことはなかったと思う。日本が西洋に劣ると思うからこそ、西洋人に身体で優り、常に勝つ馬場さんを見て、どこか卑屈な快感を感じていたのではないか?
現在でも、オリンピックで日本人が日本を応援するのは当然であるが、特にマスコミや大企業の応援する様子は、昔の日本人が力道山を応援するのとちっとも変わっていないのではないか?あるいは、日本人をそのように煽っていないか?

池田満寿夫さんが欧米で大きな賞を次々受賞していった中、ある画家が池田さんに言ったそうだ。
「お前が成功したのは、版画であったというより、作品が小さかったからだ」
池田さんはそれをすぐに納得した。
日本人は、欧米人のような大きな空間感覚はないが、精巧なものを作る感覚は優っていると。
岡本太郎さんは二十歳くらいでフランスに行った時、他の日本人画家が西洋人画家の描き方を真似しているのを見て心苦しく思い、長い間絵が描けなかったという。
岡本太郎さんは、日本の芸術界は徹底的に非難したが、江戸時代以前の日本の芸術は高く評価している。
岡本太郎さんの作品は、もちろん伝統的な日本の芸術ではないが、西洋のものとも違う。あくまで独自のものではあるが、壮大なものを作っていても、どこか日本の感覚は感じる。
私がやっているような、コンピュータソフト開発の分野でも感じる。
アメリカ人はダイナミックだ。中国人は速い。しかし、日本人は丁寧だ。現在は、ダイナミックで速いが雑な日本人開発者がトラブルを起こしている。

芸術に限らず、日本には西洋とは異質の優れたものがあるのだが、それまでひっくるめて否定してしまってきたのだ。
いまだ、いわゆるナイスバディの女性を指して、「西洋人並のスタイル」なんて言葉が普通に使われるのは滑稽と思うが、そう認識している人は少ないと思う。
断言して良いが、日本には日本独自のものの中に、西洋にはるかに優るものが数多くあり、それを取り戻せば西洋への劣等感を持つこともできないし、真に日本人の誇りを取り戻せる。
そのためには、西洋への卑屈な崇拝に固まってしまった、現在の日本の教育、政治、経済あたりを消去する必要はあるかもしれない。だが、破壊することは特に考えなくて良いのだ。
いきなり言うと突飛に思えるのだが、必要なのは慎みだけである。その中でも、食の慎みだけが重要だ。誰でも、いますぐできるものだ。少し苦しくても見返りの大きさは大変なものである。
それにより、日本の優れたものを実感し、日本人であることに誇りを持ち、結果、日本は世界から真に評価され、指導的立場に立つこともあると思う。ただ、その前に、日本は一度どん底に落ちる必要はあると思う。それこそ、韓国のようにIMFの管理下に入り(財政破綻しているということであり、事実上、独立国家と見なされない)、国が潰れるところまでいくかもしれない。
しかし、何もそこまで苦労する必要もないのであり、ただ我々が食を慎むことで、飛躍が可能なのである。一方、富裕層になればすぐにグルメにのめり込む中国には見込みはない。しかし、タオイズム(道教)という素晴らしいものを持つ中国にもまた、別の飛躍のシナリオがあるかもしれない。中国仙道においても、食べないことこそ人間を超える道であったはずなのだ。少なくとも、我々が先に食の慎みを選べば、中国は恐るるに足りないはずである。

余談であるが、外見が欧米人に劣ると思われている日本人であるが、日本女性が世界的に人気があることはご存知かもしれないが、実は男性も案外にモテるのである。一例ではあるが、男性のカッコ良さで世界最高水準である北欧に留学した、昔型の(短脚胴長)日本人男性が、現地ではモテモテで、ダンスパーティーの時は、自分と踊るために、女の子達が列を作って待っていたという、その人の親でも信じてもらえなかったという状態であったらしい。ただ、そこでは、日本人の女の子も人気があるのであるが、その理由を現地の男性に聞くと、「日本人の女の子は誠実なだけでなく、歩き方がアヒルのようで愛らしい」。日本人男性も、欧米でモテても、アヒル歩きでモテたとは思いたくないものである(笑)。もっとも、現在の日本の女の子はアヒルではなく、すらりとした四肢を持つようにはなったが、誠実さはなくなったのではないかと心配する。

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Comments

いつも素晴らしい内容ですね。
昔はよく「日本は甘い、アメリカでは・・・」と得意気に話す人が多かったですが、最近すっかり聞かなくなりましたね(笑)。量より質の時代になったから?
幸之助さんじゃないけど「不況もまたよし」ですね。

Posted by: でるお | 2009.01.18 at 02:27 AM

日本全体では分かりませんが、地元文化が壊れているのは、自分が引き篭もってる総合原因で分かります。
日本らしさを出すと言うか、上手い具合にアメリカ文化を吸収出来なかったんではないかと。
仏教もインドか中国からの流れを上手く取り入れて、自国の文化にしたじゃないですか。
だから俺は日本らしさに捕らわれず、英語文化を吸収し続けます。

一日一食を続けながら。

Posted by: minami | 2009.01.18 at 07:40 AM

★でるおさん
昔ほど、西洋を崇拝しなくなったのは確かですが、それは自分達が西洋化したと自分で思っているだけかもしれません。日本の良さはなくなりました。
マスコミが不況と煽るのも問題です。みんな贅沢していて、大多数の人は不況じゃないですから。


★minamiさん
外のものを取り入れることは良いことですね。そして、日本は共存の民族ですから、確かにうまく吸収します。
ただ、どこかで間違えて、日本本来の良さを失いました。
私は、私のDNAの求めに応え、日本の良さを取り戻したいと思っています。

Posted by: Kay | 2009.01.18 at 02:39 PM

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