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2009.01.22

古事記の神秘な力

私はね、人間の最も美しい感情というのは、郷愁、すなわち、ノスタルジアだと思っています。

他人を虫けらのように扱い、冷血な心で非道な行いを重ねてきた悪党でも、子供の頃に遊んだ風景を懐かしむものです。
裏社会の大物になった悪党でも、子供の時にいじめっ子からかばってくれたごく平凡な人間に頭が上がりません。
お金持ちになり、美食ですっかり口が驕ってしまった者でも、貧しい子供の時に好物だった食べ物を食べるときは、美味しいとは思わないかもしれませんが、必ず郷愁に襲われます。

我々日本人には理解できないかもしれませんが、子供の頃から聖書に馴染んでいるアメリカ人にとって、大統領が就任式で聖書を使うのは、ごく当然なことでしょう。
子供の頃から、自由の女神を見て育ったなら、泥棒でも、自由の女神の修復式典の日は仕事を休みます。実際、1980年代のその日は、ニューヨーク中の泥棒が休業し、車のホイール1個盗まれなかったといいます(リー・アイアコッカ自伝「アイアコッカ2」より)。

人間には、幼い頃や、ごく若い頃の心に、力の秘密が隠されています。
横尾忠則さんは、10代の頃に好きだったことの重要性をよく訴えていますし、彼にとってはターザンや、ある冒険小説であったと言われていたと思います。
私など、高校生の時には既にエネルギーが切れておりましたが(笑)、幸い、グリムやアンデルセンの童話を猛然と読むことで、なんとか生きることができました。
エネルギーを自分の中から汲み出したければ、郷愁を誘う、幼い頃や、ごく若い頃の記憶を呼び覚ます必要があります。
ただ、その想い出は、美しいもの、知恵の隠されたものでなくてはなりません。

キリスト教圏では、幼い頃から聖書に馴染むように、宗教というのは、その意味でも重要なものです。
では、宗教を持たないとされる我々日本人は、美しく知恵に満ちたノスタルジアを呼び覚ますキーが無いかと言いますと、日本の昔話が記憶に残っていれば幸いです。日本の童話を特にお伽噺と言うのですが、お伽噺には知恵が秘められています。
そして、さらに我々日本人が、幼い頃から自然に馴染む思想は神道であると思います。それは意外に感じるかもしれませんが、神道はあまりに自然で空気のようなものなので、かえってそれが自分の中にあることに気付かないのです。
そして、更に秘密を明かすと、たとえ幼い頃に神道への関わりが希薄であっても、記憶には個人的なものとは別に、遺伝子の記憶もあり、そこには予想もできないような神道の記憶があります。
古事記を読むと、最初は漫画みたいに感じても、やがてそこに秘められた日本人の偉大な知恵を呼び覚ますことも可能です。
心が病み、エネルギーが枯渇したと思うなら、古事記を読むことをお薦めします。

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Comments

お久しぶりです!「食は運命を左右する」が届いたので、今読んでいます。(椿書房という書店で新品1500円で注文できました)なのに、前より食べる量が増えています(汗)。
私は小4くらいの頃、カードキャプターさくらの大道寺知世がほんとうに大好きでした。いや、好きとちょっと違う要素もあったかな。心の支えでしたね。ビデオを一時停止にして描いた知世の似顔絵をお守りのように袋に入れて持ち歩いていたときもありました。あんなに活きる力をくれた存在は他にないです。
でも、私の十代はあまり幸福感なかったんですよね・・・だから子供時代をおもいだしてもあんまり・・・といった感じです。

Posted by: MU | 2009.01.23 at 12:12 PM

★MUさん
水野南北が書かれていたように、3度読むとよろしいかと思います。
知世ちゃんは私も愛しています(*^^*)
「私の一番好きな人が、私を一番好きになってくれなくてもいいんです」
う~ん、小学4年生のセリフかい!^^;
私も、子供時代には良い思い出はありません。それでも、その思い出は美しいものだと感じています。

Posted by: Kay | 2009.01.23 at 09:39 PM

 島根県安来市は古事記の里として、マニアの間では有名です。いちど行かれてはいかがでしょうか?

Posted by: 出雲鉄郎 | 2009.09.01 at 11:16 AM

★出雲鉄郎さん
私はマニアではありませんけど。
行きべき運命なら行くでしょうねえ。

Posted by: Kay | 2009.09.01 at 09:46 PM

 私は、機械工学を大学で習い、現在は金型を製造するセクションにいますが、そこで使われる工具鋼は古事記で有名な島根県安来市(日立金属製)で製造された素材を使っています。ここが古事記で言う、根之堅洲国という説がありますが、堅さと硬い金属である工具鋼のイメージが妙にダブってしまいます。また機械の語源であるからくりのもとになった嘉羅久利神社というものもあるそうで、一度行ってみたいところですね。

Posted by: 都辨志呂 | 2011.05.01 at 09:58 AM

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