機長に幸運をもたらしたものとは
今月15日、離陸直後にエンジンが停止するも、ニューヨークのハドソン川に不時着し、乗客乗員全員を守ったUSエアウェイズのサレンバーガー機長は、いまやオバマに並ぶアメリカンヒーローだ。
状況は決して安易ではなく、1人の犠牲も出さなかったことは奇跡であったと言われる。
私は、サレンバーガー機長が、盲導犬の育成や、癌研究のための寄付活動を行っていたことに注目した。
彼には、もちろん、技術も経験もあったが、運もあった。
ジャンボジェット機の機長である坂井優基氏は、空では人為のまるで及ばない状況もあり、乗客の安全を護るためには運も必要であると言う。そして、長年のパイロット生活で、運を高める法則を確信し、幸運を得るために必要なことを心がけ、確実にうまくいったという。
幸運が嫌いな人はいない。我々も彼に学ぼうではないか。
坂井機長は、運を高めるには、やはり陰徳が大切であることを強調する。
公園の掃除をしたり、仲間外れになっている人に声をかけたり、困っている人を助けるといった当たり前のことをすれば良いのである。
そして、上にも書いたサレンバーガー機長の陰徳が素晴らしい幸運を呼んだことは間違いないと思う。
これらは、坂井機長の著書「パイロットが空から学んだ運と縁の法則」(インデックス)に詳しく書かれている。
さて、では最高の陰徳とは何であるか、参考になる話を述べる。
江戸時代、水野南北は、18歳の時、酒代欲しさに強盗を働き、牢に入れられる。そこで南北は、一般の人間と囚人では、明らかに顔の相に違いがあることに気付く。そこで、牢から釈放されると、南北は人相見のところに行き、鑑定を受ける。
すると、南北は、人相見に、寿命は後1年。助かる道は徳を積むしかないと言われ、禅寺に行き、入門を願う。しかし、南北の人相の悪さに、寺の住職は、断るつもりで「1年間、麦と大豆しか口にしなければ入門を許す」と言った。
南北は言われた通り、1年の間、麦と大豆しか食べなかった。そして、再度、禅寺に入門を願う前に、あの人相見を再び訪れる。人相見は驚く。「おまえは、人の命を助けるとか、寺を建てるなど、よほどの功徳を積んだのか?悪相が消えている」と言う。
南北が、「そんなことは何もしていない。ただ、1年の間、麦と大豆しか食べなかった」と言うと、人相見は、「食の慎みこそ最大の陰徳である」と言った。
南北は、出家をやめて観相家の修行をし、当代随一の観相家となる。そしてさらに、完璧な観相の道を目指し、伊勢神宮近くの五十鈴川での21日の断食、水行の末、「食が全て」との啓示を受け、最大の観相家として知られるようになり、皇室に招かれるほどになり、7つの蔵を建てる長者となり、当時としては異例の78歳まで幸せに生きた。
食の慎みこそ、至高の徳であり、幸運の最大の因であったのである。
坂井機長は、食を慎むという最大の陰徳については書かれていないと思うが、食の慎みこそ、天に徳を積むことであり、それができれば、自然、他の徳も行うようになる。
食の慎みは、最初はやや辛いが、誰にでも出来、お金もかからない上、最も確実に行える陰徳である。我々も食を慎まずにいられようか?
現在、アメリカ最大のヒーローであるオバマ大統領の食の慎みも素晴らしい。大統領選挙中、夕食は毎日、ライス、サーモン、ブロッコリーであった。フライドポテトは食べても、ハンバーガーは食べなかった。
尚、坂井優基機長のホームページは、SakaiYuukiHPだ。
余談だが、坂井優基という名前が私には衝撃であった。
私の大好きな小説、アニメの「灼眼のシャナ」の主人公の1人である、高校1年生、坂井悠二ととてもよく似ている。
ヒロインのシャナに、最初はモノ扱いされながら、成長し、大きな存在となる悠二もまた、運を呼び込む特質に満ちていた。
尚、陰徳を積むことと反対のことをすれば、運に見放されることもついでに注意しておく。
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Comments
はじめまして
ブログ村(ひきこもり)から飛んできました。
陰徳、食の慎みなどのお話、なんだか耳が痛くなりました。
やはり善いこと貯金しないと、自分に良いことって返ってこないんですね。
解り易くて、ためになるお話ありがとうございました(=´ω`=)
Posted by: Shell | 2009.01.30 08:53 PM
★Shellさん
はじめまして。
善いことの貯金は難しいですね。私は借金の方が多いですよ。
せめてこれだけは・・・というものを1つ持ち、それで神様におまけしてもらおうと、このように思っております^^;
Posted by: Kay | 2009.01.30 09:52 PM