真のアーチスト
クリスマスは、本当にイエス・キリストの誕生日ではなく、4世紀にローマで「そうしましょう」と決めただけのものだ。当時ローマで人気のあった太陽神ミトラの生誕日とされる12月25日にあわせただけのようだ。
そもそも、イエスは紀元前4年以前に生まれている。しかし、西暦を定める際に学者が計算違いをした。いまさらどうしようもないので、そのままにしているのだ。
尚、クリスマスができたのも西暦440年頃の話だ。
とはいえ、私は、アヴェ・マリアという歌が好きで、特にグノーが好きだ。幼稚園の時にカトリック系の幼稚園に通っていたせいと思う。
それで、毎年、クリスマスが近付く度に思い出して、良いアヴェ・マリアのCDがないかと、かなりの数を購入した。
子供の時、ウイーン少年合唱団のシューベルトのアヴェ・マリアと、エーリッヒ・ベンダー少年少女合唱団のグノーのアヴェ・マリアを聴いて非常に感激したことがあるので、児童合唱団のものを中心に購入していた。
変声期前の少年のソプラノは素晴らしく、少女の声に優るとよく聞かされたが、実際はそういう訳でもないらしい。単に昔の教会が女性に歌わせるのを禁止していたので少年合唱団ができただけだ。真実とは分かってみれば他愛もないものだ。
私も、少年だけの合唱より、少女の声が混ざった方がまろやかだし、調和があると思う。
高級ソプラノ歌手のパワフルなアヴェ・マリアは、乙女の祈りのイメージとは程遠い。
結局、気に入ったアヴェ・マリアは見つからない。
ところが、最近よく、ネット上で初音ミクの歌うアヴェ・マリアが公開されているが、これがなかなか良い。
初音ミクとは、音声合成ニュージックソフトウェア、つまり、コンピュータソフトに歌わせるもので、音階と歌詞を入力すれば歌うのだが、細かい設定を行うことで微妙な調整が可能らしい。
初音ミクの沢山の歌等を聴くうち、自我のない声の良さというものを感じた。初音ミクの歌は、別にすごく上手いというのではなく、どちらかというと、下手なアイドル歌手に近いかもしれない。
そこらも萌えるのではあるが(笑)、初音ミクがかくも人気があるのは、もしかしたら自我を強く感じる歌手の歌声への抵抗があるのではないかと思う。
政木和三さんは、ある日突然ピアノが弾けるようになり、世界的ピアニストも絶賛する腕前で、自分で作曲しCDも出した。彼は科学一筋で来ていて、音楽に関わったことは一度もない。
政木さんは、自我がある時は良い演奏ができないと言う。「上手く弾こう」という意識があればあるほど不満足な出来なのだそうだ。
政木さんは、ゴルフも50歳を過ぎてから始めたが、関西シニア選手権で優勝したり、エージシュートを2回出してギネス認定され、370ヤードを飛ばした。そして、やはり「飛ばしてやろう」なんて自我があると駄目なんだそうである。
また、私は、ある日突然シンセサイザーの演奏が出来るようになり、全国演奏ツアーをしていた画家の方と逢ったことがある。彼には直接、版画を貰った。
彼に、「私もアーチストになりたい」と言ったら、「一瞬でなれますよ」と言われた。
岡本太郎さんも「あなたも、本日ただいまより芸術家になれる」と言った。
私はまだアートストになれない。自我を消しきれていないのだろう。
ひきこもりの皆様は(別にひきこもりでなくてもだが)、自我を消し、アーチストになってはどうかと思う。
ひきこもりは、自分を見つめる傾向が普通の人より強い。自己を問い続けることが、自我を消し去る唯一の道であると、ラマナ・マハリシも言っていたのだ。
そのために、ラマナ・マハリシは「私は誰か」と問い続けろと教え続けた。
The comments to this entry are closed.
Comments
お前は誰だと鏡に向かって良い続けると、精神が崩壊するなんて話をネットで見た事があるので、自分は誰なのか?っていう質問をし続けるのはちょっと怖かったり。
肩に力を入れ過ぎないように物事をやってみます。
Posted by: minami | 2008.12.23 05:21 PM
★minamiさん
あっはっは!それ面白いですね(笑)。
別に鏡に向かって問わなくていいんです。
いつでも、どこでも、何をしてても、「私は誰か?」と自分に向かって問えば良いのだと思います。
Posted by: Kay | 2008.12.23 05:27 PM
わたしの引きこもり時代は何も考えなくて良いようにネットゲームをひたすらやったりや面白いサイトを見てるだけでした。もっと建設的?に引きこもるのも良かったかな(笑)
Posted by: | 2008.12.23 06:49 PM
過去のことを考えても仕方ないですね。
Posted by: Kay | 2008.12.23 09:57 PM