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2008.12.12

ひきこもりと芸術家のためのお金儲け術

お金儲けが下手な人種として、特に思い浮かぶのはひきこもりと芸術家だ。
まず芸術家から言うと、芸術家はお金儲けとは基本的に無縁だ。お金儲けが上手いなら、それは芸術家ではなく、単なる「上手い絵描き」「上手い工芸家」であるか、特殊な芸術家というわけであろう。
芸術家にとって理想的な環境は、ゴッホが経済面の一切を弟のテオの援助に頼っていたように、不動のパトロンがいることであると思う。池田満寿夫さんも、著書にそのように書いていたが、私には、何とはなく、池田さんの経験的な切実さを感じたものである。
ゴッホの絵そのものは、ゴッホの生存中、1枚も売れなかった(予約なら1枚あったらしい)が、彼は年間百数十枚の油彩画を精力的に描き、しかもことごとく傑作であった。
ピカソはお金持ちだったが、これも作品の一切を購入してくれるパトロンがいたおかげである。

芸術家に収入があるとすれば、商業的なデザインやイラストなどの仕事を有能にこなせる場合だけであろう。その代表はアンディー・ウォーホールと思うが、彼は商品パッケージのイラストやデザインで富豪になった。
ノーマン・ロックウェルとなると、イラストの方が本業で、芸術家ではないとまで言われたこともあった。確かに、彼のイラストは上手過ぎた。しかし、やはり彼は優れた芸術家であり、言ってみれば「上手さの際立つ芸術家」と思う。

ひきこもりがお金儲けが上手いはずもないが、それは芸術家と似た性質によるところもあるのではないかと思う。
ノーベル賞作家でもある、劇作家、小説家、詩人のサミュエル・ベケットは、芸術家にしてひきこもりであった。いわゆる、1日中、ベッドから出ずに過ごせるタイプだ。彼が書いた劇「ゴドーを待ちながら」がヒットしたのは奇跡としか思えず、当然、酷評も多い。しかし、いまだ世界中で公演されている。ともかく、彼がこれをヒットを狙って書いたわけでないことだけは間違いあるまい。そして、時代が少しズレていれば、本当に全く注目を集めなかったと思う。そういった小説作品は少なくは無く、「アンクル・トムの小屋」なんかも、あの時代でなければ、さほど読まれることはなかったであろうという話もある。ハリー・ポッターでさえ、出版されることになったのは、本当にたまたまの偶然で、著者が原稿を持ち込んだ数多くの出版社が全て(最終的には出版した出版社さえ)、「価値なし」として突っ返しているのだ。

ひきこもりと芸術家にお金儲けが出来ないのは、ある共通の性質があるからだ。
それは、いずれも、世間から逃げることが仕事のようなものであるからだ。
だから、世間の中と外を自由に行き来できたアンディー・ウォーホールは、何とも器用な人間だった。ピカソやダリは世間から外れたままでたまたま経済的に恵まれたのだ。

お金儲けというのは、世間との関わりの中でしか出来るものではない。
ひきこもりは世間との関わりを嫌うし、芸術家は、世間から脱却しないと芸術にならない。
アインシュタインは、科学者というより芸術家に近いかもしれない。彼はアメリカのプリンストン高等研究所で高給で働く研究者であったが、彼自身はお金に全く無頓着だった。収入の大半を誰とでも分かち合い、プリンストン高等研究所にスカウトされた際も、報酬の希望を聞かれ、あまりに安かったので、交渉人は年棒を聞いたのにアインシュタインが月給を答えたのだと思ったくらいだった。
アインシュタインもまた世間を超えていた。洗濯石鹸でヒゲを剃り、靴下を履かず、礼服を買うのも嫌がった。それ以前に、学生時代、学校を徹底的に嫌い、服従を拒んだ。頼まれれば中学生の数学の宿題も手伝った。


長々と書いたが、ひきこもりと芸術家のためのお金儲けは、ここからが本題だ。
どうしても、上記のようなことの理解がないと、方法論だけでは決してうまくいかないのだ。

別に私は莫大なお金を稼いだことはないが、そんなものは不要なのだ。それでも、欲しいもので買えないものは何もなかったし、今もない。むしろ、無駄遣いが多かったことを反省し、グルメになったことを後悔している。
不要な額のお金を欲しがる限り、まず99パーセントはうまくいくまい。
まあ、私の場合、それでも、ほとんど仕事をしないせいで、国税局の取調べにあったことはあるのだが(笑)。
「どんなお仕事を?」
「さあ」
「あなたにだって担当業務はあるでしょうが?」
「別に・・・」
「会社なんですから」
「人生いろいろ、会社もいろいろってことで・・・」

最初に言っておくが、まず、お金儲けのための仕事を、あまり高尚なもののように考えないで欲しいのだ。
これは、成功哲学の本には書いていないが、成功哲学のように莫大な収入を目指すのでもない限り、憶えておいて欲しいものだ。
成功哲学の本を読んでも、目のくらむような収入どころか、とんだ安月給か収入なしの人が大半であろうが・・・・(笑)。
仕事なんて、せずに済むならしない方が良いくらいに思えば丁度良いと思う。
邱永漢さん(金儲けの神様と言われる)は、「商売は地元でやるな」と本に書いていた。これを見ても、金儲けというのは、あまりきれいなものでないことが分るだろう。どうしても、地元では知られたくない破廉恥なところがあるのだと彼も言っているが、その通りだ。
そして、地元を離れてもそんなことがやれないなら、商売では成功しない。
世界的作家で、ナポレオン・ヒルとも関わりが深いと思われるオグ・マンディーノの成功哲学である「地上最強の商人」では、その教えの最初が「私は世間を見て笑う」であり、「自分を見て笑う」である。
世間と、商売に励む自分、いずれも笑うほどでないとお金儲けなんてできないのだ。
お金儲けの仕事が高尚でないなら、世間も勿論、高尚ではない。
芸術家になるとか、悟りを開くなら、これらを無視して高く飛ぶしかない。
しかし、お金が欲しいなら、世間と自分を笑いながら世間に留まる必要がある。そして、笑わないとやっていられない。

人間一人一人を見れば、案外に素晴らしいものだ。
しかし、集団になり、世間になると狂わずにはいられない。それが人間である。
イェイツは「集団の中に真理は無い」と言ったが、その通りだ。
その世間を笑い、お金を得る自分を笑わないといけない。
商売をやって苦しく思ったり、サラリーマンをやっていて嫌になるのは、それが分かっていないからだ。
これだけ分れば、嫌な思いをすることもなく、世間から十分な収入を得るであろう。

ここで終ると、大抵の人からひんしゅくを買うかもしれない。
具体的にどうやれば良いかさっぱり分らないということと思う。
具体的にとなると、その方法はあまりに多い。
だが、それがさっぱり見えない人が大半なはずだ。
なぜ見えないかというと、見えないようにさせられているのだから、当たり前なのだ。
国民全員に限定的な職業に就いてもらわないと困る人が多いので、その限定的な職種以外が、仕事に見えないよう、我々は教育されてきたのだ。
そして、いわゆる世の中のスターというのは、ある意味では世間を超えているのだが、彼らこそ世間にどっぷり浸かっているのだ。世間に平伏していると言って良い。もし、彼らが本当に世間を超えたら、あっという間に潰されるだろう。
だから、幸福になりたければ、スターになんかならないことだ。

これまで、学校やマスコミから受けてきた洗脳をはがせば、この世の真の姿が見えてくる。
そうすれば、たとえお金のことであっても、道は無限であることが分ると思う。
では、どうやって世間の洗脳を剥がすか?
私のブログを読むことだ(笑)。
まあ、それも重要だが、やはり少食である。食を厳しく慎めば、原理はともかく、確実にうまくいく。
芸術家、ひきこもりよ、食事を抜け・・・結局ここかいなんて思わないで欲しい。
本当のことであることは、あなたもいずれ分ると思う。

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Comments

書いてくれてありがとう。
今の生活リズムを続ける事にします。
まだ一カ月しかたってないので、結果なんてあまり出てきてないし。
人より金が欲しいとは、個人的には思いません。
だらだらまったり心が温かく生活出来ればそれでいいんです。
ただ金はやっぱり必要で・・。

Posted by: minami | 2008.12.13 at 12:02 AM

★minamiさん
どんな状況であっても幸福に過ごすのが未来を開く秘訣と思います。

Posted by: Kay | 2008.12.13 at 09:46 PM

私は、彫刻家です。はじめまして。。
最近作品が、売れなくて困っています。
一時期は、パトロンとまではいかない顧客が
家に、買いに来ていました。
個展は、事情があってなかなか出来ないでいます。
ご助言があれば頂きたいです。

Posted by: 大河原 | 2010.05.05 at 02:07 PM

★大河原さん
はじめまして。
あまり分かりませんので、勝手なことを言いますが、無益と思えば読み飛ばして下さい。
美術品でも、それに相応しいビジネスモデルがないと売れないと思いますが、日本の美術界はそこらが非常に弱いと聞きます。
海外から、美術品販売のビジネスモデルを導入して成功している例もありますが、制作側が市場に適応する必要があります。ビジネスモデルは、市場分析、市場開拓を含めた企画からの適用となり、おそらく、成功例から見るに、作品はエキセントリックな傾向が強くなるように思います。
作品制作後のビジネスモデルの構築も不可能ではありませんが、大きな投資が必要で、難しいものであると思います。また、あなたの作品は、サイトで見る限り、ビジネスモデルの構築は難しそうです。
次に、そのようなことをしない純粋な芸術作品としての場合ですが、これはもう運次第ですね。
クライアントが、よほどお金が余っているか、投資目的というのではなく、ある程度の値段の美術品を購入する場合、作品や作者が好きというのとは別に、作品に特別な調和や親しみを感じる必要がありますが、その原因はあまり理解されていません。言葉で説明するのも難しいのですが、クライアントの精神の中の、通常の人間ではほとんど未発達な特別な感覚の萌芽ともいうべきものに発火をもたらす必要があります。その時、作品を見た人は浄福感ともいうべき感情体験を持ち、天国からエネルギーが流入してくるように感じることもあると言われます。この場合、作者と作品で完結しているのではなく、クライアントも含めて美術品として一体となっているようなものですので、作者に一種の超感覚的知覚のようなものがないといけませんが、それでも、売れるか、売れるとしてもいつ売れるかは見当が付きません。
結論として、売ることを目的に、その方面の専門家とチームを作るか、そうでなければ、流れを作るかです。一般ビジネスと違い、芸術品には、流れに乗ってそこそこ売るというのは難しく、一般ビジネスでは大成功をもたらすほどである「流れを作る」ことをするパワーが必要と思います。
また、美術品は、作られた後からでも新たな生命を持つことがあるように思います。そのような生命を吹き込んだ作品が注目される例はあるのではないかと思います。

Posted by: Kay | 2010.05.05 at 08:05 PM

何度もすいません。
ビジネスモデルの構築が難しいとは、
どういうことでしょう??
他のページや作品を見た上での
ご見識でしょうか??
なれば、どうすれば良いのでしょうか?

Posted by: 大河原隆則 | 2010.05.10 at 01:46 PM

★大河原隆則さん
一般的な人にうけ難い作風ではないかなという程度の意味でした。
多分、主観でしょうから、お気になさらないで下さい。
いずれにせよ、芸術作品の売り方に公式はないと思いますし、私も、コンサルタントがやれるほどの能力はありません。

Posted by: Kay | 2010.05.10 at 09:43 PM

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