宋文洲さんの「心の支え」
夕刊フジBLOGに、ソフトブレーン会長の宋文洲さんの会社員哲学が連載されているが、非常に面白い。無料で読める。
現在は、30回 幸せは「家族」から生まれるが最新と思う。
宋さんは、「家族さえ居れば何とかやっていける」を心の支えに、これまで失敗や挫折を乗り越えてきたらしい。
そして、家族をかまわない、あるいは、かまえないのは、「人生経験が足りないから」とか、「大したことをやっていないから」ということになるらしい。
単にこの部分だけ取上げると反感もあるかもしれないが、宋さんの文章をちゃんと読むと、特に反発は感じなかった。
ソフトブレーンは2005年に東証第1部上場。
2000年に、ライブドアと同時にマザーズ上々した際、競走馬を買ったホリエモンに対し、「私は会社が赤字のうちに馬を買うようなことはしない」と言って、「ポケットマネーをどう使おうが勝手だ」とホリエモンに怒られたことがあったと思う。
宋さんは中国人である。ソフトブレーンを創業し、育てていったが、東証1部上場と同時に「いつまでも同じ人がトップではいけない」と、会長に退いた。まだ42歳だった。
私は2度ほど宋さんに会ったことがある。最初は、マザーズ上場前だったと思う。当時から、ソフトブレーンには、博士・修士の学位を持つ社員が多かった。宋さん自身、北海道大学で博士号を取得している。海外の優れたIT企業には、博士号や修士号を持つ社員が多く、それは必要なことであると宋さんは主張しておられた。
だが、私が、宋さんを「宋先生」と呼ぶと、宋さんは慌てて「そんな呼び方はしないで下さい」と言われた。終始、謙虚な態度の方だった。
「家族さえ居れば何とかやっていける」というのも悪いと思わない。
外国人が日本で起業するのは大変なことである。私も、友人の中国人が日本で起業したので、少しはその苦労が分る。
さぞいろいろ苦しいことがあったと思うが、その中で家族が居ることが支えになったと言うのであるから、真実味がある。
まあ、私には妻も子も妾も旦那もいないが(笑)。
ただ、宋さんの場合、いかに謙虚な人とはいえ、大成功者だ。かえって我々凡人にすんなり当てはめることはできないかもしれない。
では、ひきこもり気質でも何とか社会生活を営んでいる私の言うことの方が役に立つこともあるかもしれない。
それなら言うが(笑)、「食を節制していれば何とかやっていける」のである。
面白いことに、宋さんも食べることについては、「何かあっても、(家族が)ともに生きるという絆さえあれば最低レベル並でも不幸ではない」と書かれていた。
良い言葉である。あえて言えば、「最低レベル並でも不幸ではない」のではなく、「最低レベル並こそ幸福」なのである。
偶然に、特に若い時に最低レベル並の食事になった人は幸運である。
徳川家康も、最高の食事ができる身分になっても、質素な食事に甘んじた。
徳川吉宗は、粗食な上、当時の武士の風習に倣わず、1日2食だった(武士は3食で、庶民は2食が普通だった)。
水野南北は、食を節しさえすれば、運命は好転し、健康・長寿が必ず約束されると言った。
我々には、運命や、縁起は計り知ることは難しい。いくらかそれを解き明かす賢い人もいるのだけれど、なかなか思い通りにはいかず、苦しい思いもする。しかし、少食・粗食を実践しさえすれば幸福が約束されるというのであれば、その程度を実践してみるのも悪いことではないと思うのであるが如何であろう?
私はそれが正しいことを証明しよう。
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Comments
いつもおせわになります。
宋さんの著書は私も数冊読んだ事あります。
やはり生まれ育った環境、国籍は
大いに関係しますよね。しかし、外国人の
チャレンジ精神の豊富さには感心しますね。
昨日の給食話も納得です。
バランスよく食べようが、アンバランスであろうが
余計な、おせっかいですよね。
今、思い出しても学校の価値観の押し付けって
すごいですよね。(最低限のルールも
学べるので全ては否定しませんが)
Posted by: でるお | 2008.11.06 01:12 AM
★でるおさん
宋さん、とても魅力的な方でしたよ。
給食は、実際、デザートだけでも良かったのですがね^^;
学校も良いところありますね。社会だって理不尽ですから、良い訓練になると言われてた思想家もいましたしね。
Posted by: Kay | 2008.11.06 09:56 PM