力の出現(長文)
人間が力を得るには、幻想を打ち破らなければなりません。
イエスは「私はこの世に勝ったのだ」と言いましたが、おそらく、これは人の世の幻想を自分の思考から消したという意味だと思います。キリスト教の専門家はそんなこと言いませんが(笑)。
同じことを言った賢い人々を挙げるなら、昔では荘子(荘周。2400~2500年前の中国の賢人)がいました。釈迦は、この世の一切は空だと言いました。我々が思うような実体があるのではなく、ただ縁起としての現象しか見えないというわけです。南方熊楠は、南方マンダラでこの縁起を示そうとしたように思います。あのぐちゃぐちゃの図は、実は大変に凄いものです。
現代インドの世界的に有名な聖者ラマナ・マハルシや、無名ではありましたがマハルシと同等の賢者ニサルガダッタ・マハラジも、一貫してこの世は幻想だと言いました。
アメリカの光明思想家であるヴァーノン・ハワードも、この世の幻想を打ち破る方法を人々に説き続けました。
しかし、いまだ人々は幻想の中に絡み取られていて世界は悲惨です。まあ、少しずつマシにはなっているのですが、一般レベルではまだまだです。
世界を平和にする最も良い方法は、我々一人一人が、この世の幻想を打ち破ることです。
そのために出来ることからやれば良いと思われます。それが自分も幸福になる道でもあります。
では、ぐっと身近な話となります。
まず、経済至上主義の幻想を消しましょう。
社会で賞賛されるもの全てに無関心になりましょう。地位や学歴、名誉といったものに価値を置かないことです。土台、親が金持ちで子供が高学歴といった場合、その家庭は大きな問題を抱えている場合が多いのです。むしろ、子供がひきこもりの場合よりその問題は深刻かもしれません。
この世の価値を否定すると言っても、別に乞食になれと言うのではありません。ホームレスになる必要もありません。望むなら、贅沢で良い暮らしをして下さい。
人々が経済至上主義の幻想に囚われている間はお金を得ることは難しくはありませんし、逆に人々が幻想から解放されたら、もうお金はいりません。
インドの聖者あたりでは、あまりにこの世的幸福を拒否するために、特に先進国で支持を得にくいということがありました。しかし、インドの聖者ですら、時々は、お金が欲しければ得れば良いと言っています。もちろん、それが目標で良いとは言いませんが、簡単なことであると知っているのです。
また、面白いことに、お金を儲けられない原因もある意味、幻想に囚われているからです。
お金を得ることは、この世的な成功ですが、同種のことでもう少し煩悩の少ないことで言えば健康です。
フランスの心理学者エミール・クエやドイツの「心身医学の父」ゲオルグ・グロデックは、心理操作により、他の医者が見放した患者を奇跡的に治癒させたことがよくあります。
彼らの本は出版されていますし、特にクエの方法はシンプルですが、一般の人がやってもなかなかうまくいきません。さらに、これらの手法のパクリである自己暗示法や、マーフィーの成功法則でうまくいった人は当然、ほぼ皆無のはずです。
なぜうまくいかないか簡単に言うならこういうことです。例えば、体重70キロの女性がダイエットで50Kgを目指すとします。そこで、「私は50Kgになれる」あるいは「私は50Kgになりつつある」と暗示をかけ、すっきり痩せた自分をイメージします。まあ、諦めるのに3ヶ月なら粘った方でしょう(笑)。うまくいかなくて当たり前です。だって、50Kgになった自分はいつまで経っても未来の自分です。だから、50Kgの現在は永遠に来ません。
時間というものは幻想であり、今既に50Kgでなければ絶対に駄目なんです。
イエスも「願い事は既に叶えられたと思え。そうすればその通りになるであろう」と言っています。今、50Kgであることをリアルに実感すればすぐにそうなります。そのために、「50Kgであるように振舞え」「態度は事実より重要だ」と言うちょっと賢い先生もいますが、言うは易く、実施するは難しですね。だって、そんな能力を持ってない人に言ってどうなるものでもないからです。
我々は、ごく幼い頃に、望みをリアルに実感する能力を封じられているのですよ。
つまり、自分の望みをリアルに実感する能力を封じるものが幻想です。
しかし、ひきこもりや落ちこぼれなど、この世的敗者は、ある出来事であっという間にこの世の幻想を破ってしまう。ある日突然聖者になるのは、ルンペンか、あるいは、栄光の頂点から墜落した人間と相場が決まっています。だって、この世の幻想で良い思いをしていないのですから、見放すのも早いものです(笑)。
岡本太郎さんは「あなたも本日ただいまより芸術家になれる」と言いましたが、これもそんな意味です。本当にその気があれば、岡本太郎を超えるのも訳はない・・・と岡本太郎さんも言ってました(笑)。
インドの聖者は、この世の一切を否定し尽せと言いますが、とりあえず、この世で賞賛されることを全部否定しましょう。
でもね、それは強い抵抗を受けますよ。よほどの強い意志があれば、あっという間に超人になりますが、それは普通、戦場で30年過ごしたなんて人でないと難しい。
私はいつも言いますが、出来ることからやればいいのです。
そのために、最も効果的で確実なのが少食です。ここで読者は意気が下がるかもしれません(笑)。こんな簡単で確実なことなのに。説明するのもアホらしいほど純粋にして明晰でありますのに。(「純粋にして明晰なことさ」はシャーロック・ホームズの口癖)
少食にしながら、この世的価値を密かに否定すれば良いのです。このことを感性で正しいと信じられれば、別に損はしませんからやってみて下さい。しかし、「食べる楽しみを捨ててまで真の力とやらは欲しくない」と言うなら、それは縁なき人々。あなたの人生ですので、お好きなようにして下さい。
少食の度合いですが、まずは少しずつ慣れれば良いでしょう。
しかし、なるべく早く成果が欲しいなら、ちょっとがんばればいいですね。
まず、お菓子やケーキといった間食の類は一切やめます。1日にハチミツをスプーン1杯とか、午後3時にミルクティー1杯なら良いかもしれません。お酒も水割りやワインを1日1杯なら良いと思います。
しかし、それ以上は駄目。「普段は我慢しているが、今日はついチョコ食べました~。テヘヘヘヘ。明日からまたがんばれ自分!」なんてのはもっての他。それは、1ヶ月か10年かは分かりませんが、準備期間でなら仕方ありませんが、そんな人は一生駄目です。
アインシュタインは、コーヒーを一切飲みませんでしたが、本当は好きなのだと思います。ある日、日記に「今日はコーヒーを飲みました。御免なさい」と深く反省しています。本当に反省する人なら良いのです。しかし、言葉だけの反省しか出ないのなら、一切間食をやめないうちは成果は出ません。
10代とかのうちは、お菓子とはどんなものか、美味しいものはどんなものかを知ることも大事ですので、常識的な範囲でならいくら食べても良いでしょう。しかし、そんな若いうちから食を自主的に節するなら、大変な人物になるでしょう。
間食はしないことを前提で、まずは朝食を抜けば良いでしょう。
世間では「朝食をしっかり」という洗脳がさかんで、我々もその幻想に取り込まれています。しかし、朝なんて本当は食べたくないはずですから、食べないのが正しいです。
学校では、「朝食をちゃんと食べてこないので朝礼や午前中の体育の授業で倒れる」なんて嘘言ってますが、戦後の食べるものがない時代に、前日の夜から食べてなかった子供でも倒れたりしませんでした。お菓子や甘いものの食べすぎで倒れることはあると思います。
ただ、自分の子供を含め、他人の食事について強制してはいけません。子供が朝を食べたいと言うなら気持ちよく食べさせれば良い。子供のうちは少々食べても大丈夫です。しかし、自分がさりげなく食べずにいたら、子供もやがて食べなくなります。
お昼は、出来たら食べないのが良いですが、食べるなら軽くします。
うどん1杯とか、小さなお弁当とかです。
95歳の現役医師で有名な日野原重明さんは、朝はジュースかミルク、昼はやはり飲み物とビスケット2枚程と言いますが、それくらいに出来れば良いでしょう。
朝、昼を軽く、あるいは、抜いたからといって、夜に大食しては何の意味もありません。
お米は少な目が良いでしょう。
おかずは人間に最も合っているのは、芋やダイコン、ニンジンといった根菜に属する野菜です。豆類も良いと思います。次に良いのが、その他の野菜(葉っぱの部分)です。海草類も良いと思います。
ただ、いくら野菜でも食べすぎはいけません。果物も良いですが、これはもっと少量にします。ダイエットでバナナを2~3本食べるなんてのもありますが、これははっきり身体に悪いです。リンゴなら一度に食べるのは半分までです。
ただ、肉食をなるべく控えるのであれば、量さえ少なければ、さほどこだわる必要はないと私は思っています。
ところで、先にあげた日野原さんも、夜はよくステーキを食べるそうですが、水野南北も、老人の場合は、消化の良い肉食は薦めています。
しかし、ダイエットフーズは駄目です。別に痩せることが目的ではなく、少食そのものが目的であるわけですし、ある意味身体を騙すダイエットフーズは身体を壊すことになると私は思っています。
つい先ごろ亡くなられましたが、少食療法を普及させてこられた甲田医院の院長であった甲田光雄さんは、少食こそ世界を救う慈悲の行為であると訴え続けてこられました。生き物の命を守り、余った食料を貧しい国に回すことも可能になるからです。
そして、水野南北同様、こういった徳が満ちれば、その人の運命が良くならないはずがないと言われていたと思います。
少食にすれば、結果として、多くの幻想を打ち消せます。その上、健康になり、若返ります。
水野南北は「食こそ全て」と生涯強調しましたが、それは間違いありません。
頭の良い人は、様々な運命向上の法を説き、最近では素晴らしいものも出てきましたが、食が駄目なら、効果はないと思います。
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Comments
こんばんは!
僕も山田鷹夫氏の「不食」を持っていて時々読んだり、それと日野原氏の本も読んだことがあり、その食事習慣などが印象的でした。
またテレビなどでも「ほとんど食べない人」というのを今まで3度ほど見たことがあり、TVですから真偽のほどはわからないですが、十分ありえる気がしました。
僕も最高で95kgあったのですが、今は74kgです。その経緯で、やはり食べ過ぎたときのデメリットは感じるようになってきました。例えば「食べるから疲労する」とか。
また世の中のダイエット常識、健康情報と自分の実際の感覚に大きなずれを感じることもありました。
まだまだたくさん食べ物をかき込んでしまう、食べ物依存症的な部分は抜けないのですが、ぷち仙人のような食事生活にあこがれます。
漠然としたイメージなのですが、「いま食べるべきもの(?)の信号が、身体の内側から送られてくる状態」になりたいなぁと思ってます。
それと、飽食の時代ゆえなのか、「食べることに興味がない」という男の子が増えている、というのをきいたことがあります(食育などを推進するための扇動かなというきもするけど)。
「食べるためにあごを動かすのが面倒」「食べるぐらいだったら~~をしたい」「なんで食べなきゃいけないの」というように。
僕はそれを知った時、「それって・・・すごくいい傾向なんじゃない?」と思いました。
ただそれはあくまで男の子のみに起きていることみたいです。
女性の場合、命を宿すことを前提にした身体のつくりになっているから、食べ物と身体の関係も、ちょっと男性とは違うかな、と思ってます。男性は減食と「身体が鋭くなること」が直結してるように思うのですが、女性は直結な感じではないんじゃないかな、というか。だからこそ、僕は特に女性こそ、ダイエットに飛びついてほしくないです。ダイエット業界に対しては、「もうこれ以上ダイエット被害者を作るな!女性の身体と心をこわしてどうすんの!」っていう意識があるっていうか。
うーん、長い上に自分でもよくわかってない、まとまらないコメントでした。m(_ _)m
Posted by: 小笠原毅 | 2008.10.06 12:30 AM
長文とは思えぬほどに、アッと言う間に読んでしまいました。
今や目が離せないブログになってしまいましたワイ。
Posted by: 華文字 | 2008.10.06 06:54 AM
★小笠原毅さん
こんばんは。
山田鷹夫さんは、ちょっとインパクトあり過ぎですね^^;
ともかく、食さえ節制すれば、必ず運命が好転することは明白と思っています。いきなり言われると論理的でないと思われるかもしれませんが、絶対に間違いありません。
食べることに興味がない男の子のお話ですが、彼らが本当に食べていないなら確かに素晴らしいことなのですが、家でたっぷり食べている上でそう言うなら、ちょっと問題と思います。やはりね、食べたいという気持ちはあって当然で、それを抑えることに価値があるのだと思います。
ダイエットは言われる通り、とんでもないものですね。ダイエット食品は身体を壊す可能性が高いと思います。そもそもダイエットの目的なんて、セックスを餌に男から甘い汁を吸おうというものではないのかと思います。そんな心がけでは、運命は急降下すると思います。
★華文字さん
ありがとうございます。
ますますヒワイなブログとしていきたいと、このように思っております。
時々、インザちゃんをいじるメンタルトレーニングをしております。インザちゃんの弱点は側尻と見ております(何だ)。
Posted by: Kay | 2008.10.06 09:58 PM
最近、一般的に言えばものすごく少食なほうですが、決心がぐらついていました。バイト先(最近資金稼ぎに働きはじめました)では最年少で、華奢な体型を心配した上司が食べ物を薦めてくる事もあり、なかなかむずかしいと・・・
でも!もうここで腹を決めないと、だめだなって、思い直しました!!まけません。
昨日、今年の冬に上京するときの心がけを伺いに、母からすすめられた占い師の方に会ってきました。そしたら、私のアウトサイダー具合をとても良くわかって下さり、「この世では、本当にまともである人が変人扱いされる」と、私が常々周りの人々に対して感じていた違和感が、正しい認識であるのだと励まして下さいました。
「どんなに世間に対して絶望することに出会っても、ありのままからあくまで目をそらし、自分の中で勝手にドラマを組み立てている限りは、叶えたい夢も夢のままで終わってしまう。」「周りの人にとって、ありのままを見つめて、冷静に事を成し遂げようとするあなたはとても脅威。だから、疎外される。でも、他の人々の言うことを、真にも受けてはいけない。」と、励ましてくださり、そう言うことをいってくれる人が、生身では一人もいなかったから、やっと会えたんだ・・・。意外に近くにいたな。と、嬉しかったです。心が静まりました。
でも、この数年間、Kayさんのブログを読み続けることで下地がつくられたよなー。と感謝しています。
「人生の扉を開く万能の鍵」読んでいます。予想以上にいいです。これはヘビロテの価値あるな!って感じですよね。
Posted by: mikemike | 2008.10.07 06:22 AM
★mikemikeさん
そうなんですね。人に食べ物を薦めるのを良いことと思っている人がほとんどですね。
まあ、私も親戚の子供達が家に来たときは、ピザやアイスクリーム、チョコケーキを用意してもてなしますが、それは相手が喜んでいる場合だけ良いのですね。
素晴らしい占い師の方がいるのですね。
人間関係の問題は特に若いうちは難しいものですね。大方の人間が、どこからかに押し付けられた共通な狭い価値観を持っていて、それを持たない我々とのズレは致命的です。
力をつけていくしかないですが、食の節制をする者が、そうでない者に負けるはずはありません。
そして、現在を無理なく幸福に過ごせれば、未来の因果に働きかけますから、未来も良くなると思います。斎藤一人さんが、いつも「幸せだな~」という理由もそれだと思います。
Posted by: Kay | 2008.10.07 10:12 PM