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2008.10.20

母親の呪縛

現在、幸福とは言えない境遇にある人の中で、強迫観念や様々な恐怖症を持ち、これがその不幸の原因であると認識している人がいると思う。特にひきこもりの多くがそうかもしれない。そして、その脅迫観念や恐怖症が、両親、特に母親がその要因であるとして恨みに思う人も多いと思う。そして、おそらくは、直接にはこれらの原因が母親であるのは確かであるかもしれない。
しかし、母親は加害者であると同時に被害者でもあるのだ。
母親もまた、あなたにそのようにせざるを得ないよう、何かに強制されたに違いない。母親の言動は、押し付けられた歪んだ価値観から起こっている。その価値観を押し付けた者は、学校やマスコミを通して、いまも全国民に強力に働きかけている。そのことを見抜かねばならない。
母親がどうであれ、あなたには母親を矯正することはほとんど不可能である。母親には、現在ある中で、できるだけ、身体的にも、精神的にも幸福でいてもらうだけだ。
あなたは、あなたが、母親同様に押し付けられた価値観から逃れ、自由になることで母親の仇を取るのだ。

母親の在り様について参考になるものとして、心理学者の岸田秀さんの「唯幻論物語」「ものぐさ精神分析」「親の毒 親の呪縛」あたりが分かりやすいと思う。
ただ、私にとって、岸田さんの論はあくまで参考であり、正確であるとは思っていない。それでも、実際に母親に多大な被害を受けて苦しんだ岸田さんの分析は非常に有益と思う。
参考程度に述べておく。
岸田さんはフロイト派の心理学者で、彼自身が言うとおり、彼の論はほぼフロイト精神分析学である。劇場経営者であった岸田さんの母親は、岸田さんが幼い頃から、彼を自分の都合の良い人間にするため精神的抑圧を加え、岸田さんは精神的に逸脱し、様々な精神病の症状を呈する。岸田さん自身は、自分の精神がおかしいことにうすうす気付き、その解明や矯正の可能性を信じて、早稲田大学の心理学科に入学するが、それは自分の求めているものではなく、何の役にも立たなかった。そこで、彼は独自にフロイトを研究するが、それにより、精神病の治癒にある程度成功する。母親が自分にどんな影響を与えたかを鋭く分析し、それを普遍化して示してもくれているので、この部分は誰にとっても良い情報と思う。
岸田さんも言われる通り、フロイト精神分析学は間違いではなく、非常に有意義なものである。フロイト以降の著名な心理学者アブラハム・マスローも、「私はフロイトの否定ではなく、フロイトの深い意味を追求したのだ」と言った。ただ、フロイト自身は、精神病患者をほぼ1人も治せなかった。
そして、現在は、神経科学、認知科学、脳機能科学など、人間の心理や行動についてより正確で有意な研究も進んでいる。それでも、フロイトの価値がなくなったとは思わない。
フロイトに関して否定的とも思えるコリン・ウィルソンも「全ての始まりはフロイトだった」と認めているのだ。

岸田さんが、とうの昔に亡くなった母親を「赦さない」と書いていたのは私としては残念だ。私の母親も、岸田さんの母親とほとんど同じである。母はまだ元気だが、自然な精神に戻せるとは思わない(世間的には良いオバさんであるし、実際、良い部分も少なくはない)。だが、それで良いのである。過去の母親は、現在、および、未来の私に何の影響も及ぼさないのだから。

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Comments

素直に全文読めました。
両親によっての痛手はありますが、ネットを触れされてくれる点では、かなりプラスになってるので、良しとしたいんですが、たまに夫婦喧嘩をするので・・
小食報告ですが、一日一食をして81kgから6kg痩せて75kgになりました。

Posted by: minami | 2008.10.21 at 06:51 AM

★minamiさん
親は親です。好きにさせておきましょう。
少食はなかなかの成果ですね。立派なものです!

Posted by: Kay | 2008.10.21 at 10:02 PM

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